Guilliams(グイリアムズ)は年間生産量約1000ケースという非常に小さなワイナリです。ワインもカベルネ・ソヴィニョン一つしか作っていません。1979年に設立しているので,それほど新しいワイナリというわけではありませんが,プレミアム・ワインのブームに巻き込まれることなく,未だに家族的なよさを保っているワイナリです。
ワインはカベルネ・ソヴィニョン80%,カベルネ・フランとメルローがそれぞれ10%というブレンドが基本。近年はカベルネ・フランの比率が上がってきているとのこと。すべてワイナリの脇の畑のブドウを使っています。4年間熟成させてから出荷するという,カリフォルニアではかなり辛抱強い作り方をしています。味は4年経った割には,タンニンがかなりきついが,フルーツの味もよく出ており,価格にしては満足できるものです。タンニンがきついのは斜面でブドウを作っているため実が小さく,皮の比率が高くなるからです。オーナによると6年経ってからくらいがベストになるとのことです。
場所はナパバレーの西側Spring Mountainの山中にあります。ソノマに抜けるSpring Mountain Rd.沿い。Highway29をNapa方面から北上した場合,St. Helenaのダウンタウンを抜けてすぐのMadronaを左折し,三つ目の交差点を右折するとSpring Mountain Rd.です。ワインディング・ロードを15分ほどドライブしたところ左側にGuilliamsはあります。ブドウ畑があるので行き過ぎることはないと思いますが,番地の番号に注意していきましょう。細いドライブウェイを上がっていって左側に茶色のワイナリ(兼住居)の建物があります。St. Helenaの喧騒が信じられないほど静かなところです。筆者が行ったときは,オーナと真っ黒で大きな犬が迎えてくれました。
ツアーは特別に用意されているわけではなく,テイスティングも予約は不要だが,何分家族経営なので,電話して開いているかどうかを確認してから行ったほうがいいでしょう。テイスティングはワイナリ入り口の脇の小さなテーブルで行います。アルバムの写真を見ながら基本的なことは説明してくれるが,基本的にはこちらが何か聞くと答えてくれるといった形でした。英語が全然しゃべれないとちょっとつらいかもしれません。逆に英語で聞くことができれば何でも親切に答えてくれると思います。
冬は雪が降ることもあるというこのワイナリ(ラベルにも畑に雪が積もった写真を使っている)。冬から春の雨の多い季節にはちょっと行きにくいかもしれません。夏から秋の天気のいい日にいって,歓談するのがいいでしょう。ナパでもこんな素朴なワイナリがあることに感動するのではないかと思います。