MacPhail(マックファイル)は2002年にJames MacPhailが設立したワイナリです。約10種のピノ・ノワールと、少量のシャルドネを作っています。設立翌年のピノ・ノワールがWine Spectator誌で95点を取るなど、2000年代のスター・ワイナリの1つと言っていいでしょう。珍しいカラフルなラベルと相まってマニアに人気のワイナリです。
James MacPhailはサンフランシスコの近郊、Marin郡の出身で、音楽やスポーツ(水泳)で若い頃から才能を認められていました。大学を出た後、一時期リッツ・カールトンに勤めたものの、家族を大事にしたいという思いから退職。ワインの道を志すことになりました。1990年代半ばからいくつかのワイナリで働き、2002年のワイナリ創立に至りました。
当初から目標はSonoma CoastやMendocinoのAnderson Valleyといった冷涼な地域のブドウを使ったピノ・ノワールを作ること。自然な作りを意識しており、天然酵母を使い、マロラクティック発酵も自然に起こしているそうです。食事に合いやすいワインを作りたいとしています。
Kosta Browneなどが注目を浴びたのと同時期に出てきた「ライジング・スター」の1つであり、日本への輸入もゼロではないものの、ごく少量にとどまっています。
2008年には住居の隣に、醸造設備を新築。予約すれば試飲も受けられるようになりました。ここでも太陽光発電を取り入れるなど、かなりエコ・フレンドリーな作りになっているそうです。
2011年にはブランドと在庫をHess Collectionに売却しました。ほとんど一人で切り盛りしているワイナリであり、次第にワイン作りに割く時間が減り、マーケティングに力を注がざるを得なくなっている状況を改善するためだといいます。醸造設備は売らず、今後もJamesがワインを作り続ける予定です。