Seghesio(セゲシオ)は1895年に始まった歴史あるワイナリ。家族経営をずっと続けて来ました。2011年に資本はCrimson Groupに売却したものの、家族でワインを作る体制は変わっていません。
力を入れているのはジンファンデル。1895年に植樹したHome Ranchを初め、100年を超える樹齢の畑をいくつも所有あるいは栽培契約しています。近年はWine Spectatorの年間トップ100に常連のように名前が上がりますが、名声を勝ち得たのは意外と新しく、ここ10年ほどのことです。
禁酒法でワイン作りが中断した後、1942年にはRiver Road Vineyard、1957年にはCortina Vineyardと、現在まで続く畑を購入しています。1960年代から1970年代にかけてはソノマ全体の4分の1、ソノマの赤ワインの半分もの量を生産するまでの規模になっていました。ただ、Seghesioブランドでワインを作り始めたのは1983年と比較的遅く、ワイン作りは専ら安い「ジャグワイン」でした。
この状況を変えざるを得ない事件が起こりました。1993年にIRS(米内国歳入庁)から400万ドルもの追徴課税を課せられたのです。
創設者Edordoの孫にあたるPete Jr.とPeteのいとこの子でEdordoのひ孫にあたるTedは、ワイナリを続けるためには品質を向上させるしかないと考えました。ワイナリの財産である古木のジンファンデルをにすべてを賭けたわけです。
1997年にはテイスティング・ルームをオープンし、高級路線が軌道に乗り始めました。
2000年を過ぎてからは快進撃が始まりました。エントリー的位置づけのSonoma Countyジンファンデルは2002、2003、2005、2007年のものがWine Spectator誌で年間トップ100入り。93点の2007年は年間10位に食い込みました。1895年に植えられたHome Ranchのジンファンデルでは2009年のものがWine Spectatorで95点を獲得して年間12位。今や、一番安定的に、しかも比較的リーズナブルな価格で高品質のジンファンデルを作るワイナリになったと言っても過言ではないでしょう。
高品質なジンファンデルを作る礎になっているのが、古木の畑。比較的新しい木を使っているSonoma Countyジンファンデルでも平均25~30年の樹齢。一番古いのは1896年に購入したSan Lorenzoの畑。植えられたのは1890年頃といいますから120年を超えています。前述のHome Ranchが1895年。Cortinaが樹齢不明ながら畑を小乳したのが1957年。確実に50年は超えています。ちなみにブレンドものの「Old Vine Zinfandel」では樹齢60年を基準にしているとのことです。
今後、ジンファンデルの古い畑には一層注目が集まる可能性があります。Seghesioの快進撃も続きそうです。