Red Car(レッド・カー)は2000年にハリウッドの映画業界のバックグラウンドを持つ2人Carroll KempとMark Estrinによって設立されました。ワイナリの名前は19世紀から1960年代までロスアンゼルスを走っていた赤い路面電車に由来するものだといいます。
最初に作ったのは50ケースのシラー。いわゆるガレージ・ワインです。これが思いの外に成功を収め、本格的なワイナリになっていきます。当初はLA近郊をベースにカリフォルニア各地の畑からブドウを購入していましたが、2004年にソノマ・コーストのFort Rossに土地を購入。2005年にピノ・ノワールとシラーを植えました。これがRed Car Estateの畑です。ここからソノマ・コーストのワインを中心に作るようになり、ワイナリもソノマ・コーストに移転しました。2011年に新しいワイナリとテイスティング・ルームをオープンしています。
ワインはシャルドネとピノ・ノワールとシラー。安価なシリーズからBox Car、Trolley、Reserveとなっています。中でもこのワイナリを人気にしたのがTrolleyのシリーズ。赤いトロリーバスをあしらったラベルが印象的なワインです。当初はシラーだけでしたが、2007年からピノ・ノワール、2010年からシャルドネが加わりました。
Reserveのシリーズではワインごとに特別な名前があり、ラベルデザインもヴィンテージごとに変わります。ピノ・ノワールではAmour Fou、Aphorist、Dreamland、Heaven & Earth、シラーではCuvee 22、Fightといったワインがあります。使用する畑の比率などは毎年変わります。ユニークな名称とラベルデザインで、Sine Qua Nonになぞらえられることもあり、これもRed Carを人気ワイナリにするのに貢献しました。
ラベルやワイン名には畑や地域などを記していないため、無国籍的なイメージがあるRed Carですが、中身はいつの間にかソノマ・コーストのワイナリに変身しています。Webサイトでは積極的にSonoma Coastについて語るようになっており、今後はソノマ・コーストを代表するワイナリの1つになっていきそうです。