Ridge(リッジ)はSanta Cruz Mountains(サンタ・クルーズ・マウンテンズ)に本拠地を置くワイナリ。1976年のパリ・テイスティングに「Monte Bello」(モンテ・ベッロ)のカベルネ・ソヴィニョンを提供したことで知られています。当時は5位でしたが、2006年に行われた再戦では見事1位に輝きました。
歴史は古く1885年にOsea Perron(オセア・ペロン)というイタリア系移民の医者がMonte Belloにブドウの木を植えたことに始まります。1892年には「Monte Bello Winery」の名前で最初のワインが作られています。その後、一時は朽ち果てましたが1940年代にここを購入した, William Shortという人が、カベルネ・ソヴィニョンを植え、1959年にはDave Bennion(デーブ・ベニオン)という人が仲間数人とここを購入して本格的にワインを作り始めました。1964年には最初のジンファンデルを、1966年にはソノマのGeyserville(ガイザヴィル)のジンファンデルを作り始めました。Geyservilleのワインはその後、現在まで50年以上作られています。一番古い樹は1880年に植えられており、樹齢は130年を超えています(植え替えによる新しい樹もあるので、全体としては60%以上が45年を超える樹齢となっています)。
1967年に会社組織化して、ベニオンが社長になりました。そして、1969年にPaul Draper(ポール・ドレーパー)が参加したことが転換点となりました。Paul Draperは現在までワインメーカーとしてワイン作りを先導しており、Ridgeの品質を大きく向上させました。
1986年にオーナーは日本の大塚製薬になりましたが、ワイン作りの体制は変化なく続いています。
1972年にブドウを購入し始めたのが、ソノマのLytton Springsでした。すぐに単一畑のワインとしてRidgeを代表するワインの1つになりました。ここは1901年に作られた畑で、ジンファンデルを中心として、いくつかのブドウ品種がフィールド・ブレンド(畑の中で多品種が混在している状態)で植えられています。
1991年にRidgeはLytton Springsを購入。サンタ・クルーズ・マウンテンズのMonte Belloと並ぶ生産拠点にもなりました。
2000年代にLytton Springsのワイナリは「エコ」な形でリニューアルしました。ここはユニークな藁によるブロック(ストローベイル)を使っています。風通しがよく、エアコンを使わずに涼しさを実現しています。太陽光発電なども導入して、エコなワイナリとして表彰されたこともあります。
Lytton SpringsやGeryservilleのジンファンデル(ジンファンデルを中心としたブレンドも含む)は、カリフォルニアを代表するジンファンデルの1つ。Ridgeは、ジンファンデルの代表的なプロデューサーとして挙げられてきた「3R」(Rで始まる3つのワイナリ。RidgeのほかはRavenswood、Rosenblum)にも入っており、ジンファンデルを語る上では外せないワイナリです。濃くて甘いタイプのジンファンデルではなく、ミネラルを感じる筋肉質で引き締まった感じのするジンファンデルです。