Martinelli(マルティネリあるいはマルティネッリ)家は1896年からSonomaのRussian River Valleyでリンゴとワインを作って来ました。Russian River Valleyの中でも最良の畑のいくつかを持っており、「ワインの女神」と呼ばれるHelen Turley(ヘレン・ターリー)のMarcassinにもブドウを提供しています。ヘレン・ターリーは1993年からワインメーカーや、コンサルタントとしてMartinelliに携わっており、日本では「プチ・マーカッサン」と呼ぶ人もいます。
作っているワインは白ワインがシャルドネのほか、ソヴィニョン・ブランとマスカット・アレキサンドラ。赤ワインがピノ・ノワール、シラー、ジンファンデル。どれも自社畑のブドウだけから作られます。
Marcassinと共通するのはThree Sisters(ピノ・ノワールとシャルドネ)、Blue Slide Ridge(ピノ・ノワール)。ヘレンは1993年にLee Martinelliが散歩中に出会って友人になったという関係。MartinelliのCharles RanchとMarcassinのMarcassin Vineyardが近くにあったからだそうです。ヘレンはワインメーカーになり、Blue Slide Ridgeなど畑の開墾にも携わりました。気難しいことで知られるヘレンですが、Martinelliとは良好な関係が続いたようです。現在はコンサルタントに退いていますが、ワインメーカーのBryan Kvammeは1997年以来、ヘレンの下で働いていた人。後進に道を譲った格好でしょう。
Marcassinとの共通点からシャルドネとピノ・ノワールに目が行きがちですが、ジンファンデルも重要です。Jackass Hill Vineyardという1904年に植えられたジンファンデルの畑は最大斜度が60%。Jackass(ロバ)でないと畑を耕せないということからこの名が付きました。Jackass Hillの西にあるJackass Vineyardも急斜面の畑で19世紀に植えられたもの。どちらの畑からもカリフォルニアで最良のジンファンデルの1つが作られます。
ここのワインの特徴は、いずれも濃厚で骨太なこと。繊細なワインを好む人には受け入れにくい味かもしれないですが、ロバート・パーカーなど評論家には高く評価されています。
場所はHighway 101をRiver Roadで降りて西に向かい,3,4分のところ左側。途中信号が一つあります。カリフォルニアにはよくある赤錆色の木造の建物です。周囲は何もないところなので,注意していれば見逃す恐れはないでしょう。
テイスティング・ルームは結構広く,手前がショップ,奥がカウンターになっている。カントリー調の雰囲気は悪くない。
テイスティングで何が飲めるかは運次第。筆者が行った1月初頭はジンファンデルもピノ・ノワールもありませんでした。9月や3月といったニュー・リリースのシーズンなら,もっと選択肢が多いかもしれません。