カリフォルニアワインといえば条件反射的に「Opus One」(オーパスワン)と名前が挙がるほど有名なワイナリです。1979年にRobert Mondaviとボルドーの「Chateau Mouton de Rothschild」(シャトー・ムートン・ロートシルト)のオーナーのBaron Philippe de Rothschildが提携して始まりました。
1984年に発売された最初のワイン(1979年と1980年)の価格は50ドル。当時のカリフォルニアワインとしては圧倒的に高価なものでした。ワイン名だけで品種名を付けていないのも、当時の高級ワインとしては異例な存在。あらゆる意味で「初づくし」のワイナリでした。
その後もカリフォルニアの高級ワイン代表として君臨してきましたが、1990年代末のカルトワインブームでプレミアム的な位置付けが取って代わられたこと、1990年代後半から2000年代前半にかけて、あまり評価のよくない年が続いたことから、以前と比べて人気は落ちました。
2004年にRobert MondaviがConstellation Brands(コンステレーション・ブランズ)に買収されたことによって、Opus Oneの持分もConstellationに移管されました。これに伴い、Opus Oneの醸造やマーケティングはRobert Mondaviと切り離された形になりました。これが逆に功を奏したのか、2005年以降の評価は、1990年代前半の絶頂期を上回るものになっています。
日本ではかつて、人気に伴い価格も3万円程度と、当時の米国の価格の倍以上しました。この状況も2000年代の10年で大きく変わり、現在では実売価格は米国と日本とでほとんど変わらなくなってきています。
ワイナリの場所はHighway29沿いだがちょっと注意が要ります。入り口に何も書いていないからです。Napaから北に上がっていくと,Robert Mondavi(左側)の少し手前右側にある。奥の方に小高い丘と白い建物が見えたらそこである。
ツアーもテイスティングも現在は予約が必要です。テイスティングフィーも高いですが、現在は他のワイナリもかなりの料金を取るようになってきているので、以前ほどの割高感はないかもしれません。
毀誉褒貶あるワイナリですが,それでも一度は行く価値があるでしょう。白亜の建物はカリフォルニアの青空と見事なコントラストをなし,晴れている日は非常に気持ちがいいものです。テイスティング・ルームからグラスを片手に建物の屋上に上がると四方に広がるブドウ畑が見え,Highway29沿いではおそらく一番の景色が楽しめます。
また,ここでしか手に入らないものとしてセカンド・ラベルのOverture(オーバチュア)というワインがあります。一般流通で出回らないため、日本ではOpus Oneとさほど変わらない価格で取引されていますが、品質的にいえば「おみやげレベル」なので、質を重視するのであれば、あまり求める必要はないでしょう。