日本人のワインメーカー桃井隆宏さんが造るアーサー・セラーズのディナーに参加してきました。アーサー・セラーズのワインと六本木「Modanism」のモダンな和食とを組み合わせたワイン会です。
ワインリストは以下の通り
1. Veuve Cliequot NV Brut
2. Arthur Chardonnay Russian River Valley 2019
3. Arthur Pinot Noir Russian River Valley 2021
4. Arthur Pinot Noir Cherry Ridge Vineyard 2021
5. Arthur Pinot Noir Spring Hill Vineyard 2018
6. Arthur Pinot Noir KR Ranch 2019
7. Arthur Pinot Noir Gloria Vineyard 2018
乾杯のスパークリングとシャルドネ1つ以外は5つピノ・ノワールが並びました。
2. Arthur Chardonnay Russian River Valley 2019
シャルドネについては「シャバシャバしたワインは作りたくない」と桃井さんのコメント。フィルターなしでボトリングされています。少し温かさを感じるワイン。中程度の酸味。白桃、塩っぽさも少しあります。ロシアン・リバー・ヴァレーというイメージに合っているワインだと思います。
3. Arthur Pinot Noir Russian River Valley 2021
2020年は山火事とそこからの煙の影響でワインを造るのを断念した桃井さん。ナパの被害の大きさが目立ちますが2020年はソノマも相当程度被害がありました。打って変わって2021年は非常にいいヴィンテージと評価されています。ただ、収量は少なく、ブドウの調達には苦労した面もあったそうです。
ロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワールは「楽しいワインをきちんと作りたい」と思って作ったワインだとの桃井さんのコメント。ロシアン・リバー・ヴァレーらしいリッチなピノ・ノワール。ジューシーな赤果実の風味で飲むと幸せになるワイン。
4. Arthur Pinot Noir Cherry Ridge Vineyard 2021
Cherry Ridgeは近年ワインメーカーとしての評価をめきめきと上げているRoss Cobbが栽培している畑。冷涼なグリーン・ヴァレーにあります。Arthurでこの畑のワインを造るのがこれが最初です。3番と比べるとエレガントですが、キメの細かいタンニンがあり、グリップ感を感じます。複雑さもあり、個人的にはこの日のベストワインでした。
5. Arthur Pinot Noir Spring Hill Vineyard 2018
Spring Hillはペタルマ・ギャップにある畑。風が強くブドウには過酷な環境です。果皮が厚く、タンニンもしっかりしています。Pommartクローンということもあるのか、アメリカン・チェリーのようなダークな果実味を感じます。4番が軽やかさに腰を据えた感じがするのに対して、こちらは最初からずっしりとした感じ。
6. Arthur Pinot Noir KR Ranch 2019
スイス・クローンを使っているという話。同席した方から教わったことによるとスイス・クローンは果実がやや大きめになるとのこと。そのせいか一番赤果実系の味わいを感じます。桃井さんいわく「どの料理にも寄り添うワイン」。バランスよく総合的によくできたワインです。
7. Arthur Pinot Noir Gloria Vineyard 2018
GloriaはFreemanの畑。Freemanのアキコさんと桃井さんとは共にエド・カーツマンにワイン造りを教わった兄妹弟子の関係です。
これは3と同様、やや温かさを感じるワイン。リッチな果実味が美味しいです。うなぎのタレとのマッチングが良かったです。
ワインはもちろんのこと、料理も美味しく堪能しました。