ネット上の誹謗中傷とそれへの対応方法について思うこと
15日16日と,ネット上の誹謗中傷についていくつかの「事件」が起きました。これらに関連して思うところを書いておきたいと思います。長いし,鬱陶しい記述もあるかもしれないので,ご注意ください。
まずは2回ほどiPhoneアプリの記事を寄稿したAppBankでAppleStoreのレビュー欄でのポケットベガスに対する事実無根の書き込み行為をおやめください。という記事が15日に掲載されました。AppBankのポケットベガスというゲームのレビュー欄の内容に抗議するものです。
該当するレビューには
と書かれていました。
これに対するAppBankの文章の中に
とあったことが多くの人に「恫喝まがい」と受け止められたようです。また,このような記事を書くこと自体が過剰反応であり言論弾圧ではないかという意見もあったようです。
さらに,16日にこれらを説明する文章が掲載されました(昨日の記事に違和感を感じられた方は必ずお読みください。)。これに関してもさらに議論を呼び起こしてしまったようであり,現在この二つの記事についてはコメントを表示しない形になっています。
まず,発端となったレビューについて考えてみます。1行目はあまりに稚拙なものいいですが,いちいち反論するような性質のものではないでしょう。AppBankの記事でもここについては何も言及していません。2行目のようにあるアプリのインストール後に不安定になるというのはiPhone特に先代のiPhone 3Gではときどきあるケース。これはアプリのせいではなくOSの問題であり,通常は再起動することで解決するはずです。
問題は3行目です。あるソフトを「スパイウェア」と呼ぶのはよくよくのことです。これが事実でない場合,AppBankはそれに対する抗議をする権利があると思います。
これに対してAppBankの対応はどうだったでしょうか。それを考える前に,ネット上での批判の方法について思うところを述べておきます。
ネット上で(ネットに限らないですが)人の書いたものを批判するとき,どうしても水掛け論や不毛な議論になりがちです。そうならないように留意するべき点は基本的に四つあると考えています。自分が何かに批判的な文章を書くときは,これを念頭に置いて書いているつもりです。その四つとは
1. 書かれた内容についてだけ批判し,書いた人を批判しない
2. ファクトに関してのみ論じ,印象に左右される部分については言及しない
3. 論点や論理を出来る限り明確にする
4. 自分の立てた論理であいまいな証拠に基づくものは自らそれをさらす。またはその部分は論じない。
AppBankの記事をこの4項目で見ていくと,まず書いた人については批判していません。これはとても重要なポイントだと思います。2や3についても大きな問題はありません。ただ,4については少し問題があったという気がします。
前述のようにAppStoreのレビューの中で明らかにおかしいのは3行目です。2行目に関しては,アプリケーションのせいではない事象について言っているのだろうと考える方が素直です。この部分を批判対象に加えたことが「過剰反応」や「沸点低い」などと非難された原因だったのではないでしょうか。
今回の問題,元はと言えばAppBankの「誠意」によるもののはずだったと思います。普通に考えれば,AppStoreに事実に基づかないレビューだとして削除してもらうというのが常識的な手段でしょう(「書き込み削除対応はある」と理解したのですが,間違っていたらごめんなさい)。そのプロセスを取るのではなく,レビューの作者に呼びかけるという形を取ったのは「万が一,スパイウェアや不安定というところに根拠があるのであれば,それを確かめたい」というAppBankの誠意があったのだと思います。
批判的な文章というのは,いかに全体の趣旨が正しいものであっても,論理にちょっと弱いところがあれば,そこだけを逆に非難されてしまいます。今回の例は,AppBankというやっかみを受けやすい位置にいたことがそれを助長してしまったように感じます。
さて,冒頭に「いくつかの」と書きましたが,二つ目はさらっと行きます。これも妬みややっかみからプチ・バッシングが起きたのだろうと思いますが,詳しいことは分からないので,ここでは説明を省きます。
三つ目は「名誉棄損「報道と同基準」=ネット書き込みで初判断-会社員の有罪確定へ・最高裁」というニュース。ネット上の誹謗中傷それ自体,本来許されることではないということをはっきりさせたことは大きな進歩だと思います。文句の掃き溜めのようになっている今のAppStoreにも一石を投じることになるのかもしれません。
まずは2回ほどiPhoneアプリの記事を寄稿したAppBankでAppleStoreのレビュー欄でのポケットベガスに対する事実無根の書き込み行為をおやめください。という記事が15日に掲載されました。AppBankのポケットベガスというゲームのレビュー欄の内容に抗議するものです。
該当するレビューには
まず第一に、冒頭に出てくる文章のノリがあり得ない。例のアフィリエイトblogのまんまの慣れ合いノリ。
そして、このアプリをインストールした途端、iPhoneが不安定になった。正常に動いていた多くメモリを消費するアプリが落ちるようになった。
さらには接続先を解析してみると実に様々なリサーチを行っている模様。まるでスパイウェアです。最悪です。
と書かれていました。
これに対するAppBankの文章の中に
以上から、書き込み者さんより根拠不明かつ、説明不足のまま「スパイウェア」や「iPhoneが不安定になった」と書き込みされることに対し、営業妨害行動をされているのではないか、という認識をしております。
何を持ってこのような書き込みをされたのか、2010年3月19日までにメールでご説明いただけない場合は(entrypostman at gmail.com)、然るべき対応を取らせていただきます。急なお願いになりますが、よろしくお願いします。
とあったことが多くの人に「恫喝まがい」と受け止められたようです。また,このような記事を書くこと自体が過剰反応であり言論弾圧ではないかという意見もあったようです。
さらに,16日にこれらを説明する文章が掲載されました(昨日の記事に違和感を感じられた方は必ずお読みください。)。これに関してもさらに議論を呼び起こしてしまったようであり,現在この二つの記事についてはコメントを表示しない形になっています。
まず,発端となったレビューについて考えてみます。1行目はあまりに稚拙なものいいですが,いちいち反論するような性質のものではないでしょう。AppBankの記事でもここについては何も言及していません。2行目のようにあるアプリのインストール後に不安定になるというのはiPhone特に先代のiPhone 3Gではときどきあるケース。これはアプリのせいではなくOSの問題であり,通常は再起動することで解決するはずです。
問題は3行目です。あるソフトを「スパイウェア」と呼ぶのはよくよくのことです。これが事実でない場合,AppBankはそれに対する抗議をする権利があると思います。
これに対してAppBankの対応はどうだったでしょうか。それを考える前に,ネット上での批判の方法について思うところを述べておきます。
ネット上で(ネットに限らないですが)人の書いたものを批判するとき,どうしても水掛け論や不毛な議論になりがちです。そうならないように留意するべき点は基本的に四つあると考えています。自分が何かに批判的な文章を書くときは,これを念頭に置いて書いているつもりです。その四つとは
1. 書かれた内容についてだけ批判し,書いた人を批判しない
2. ファクトに関してのみ論じ,印象に左右される部分については言及しない
3. 論点や論理を出来る限り明確にする
4. 自分の立てた論理であいまいな証拠に基づくものは自らそれをさらす。またはその部分は論じない。
AppBankの記事をこの4項目で見ていくと,まず書いた人については批判していません。これはとても重要なポイントだと思います。2や3についても大きな問題はありません。ただ,4については少し問題があったという気がします。
前述のようにAppStoreのレビューの中で明らかにおかしいのは3行目です。2行目に関しては,アプリケーションのせいではない事象について言っているのだろうと考える方が素直です。この部分を批判対象に加えたことが「過剰反応」や「沸点低い」などと非難された原因だったのではないでしょうか。
今回の問題,元はと言えばAppBankの「誠意」によるもののはずだったと思います。普通に考えれば,AppStoreに事実に基づかないレビューだとして削除してもらうというのが常識的な手段でしょう(「書き込み削除対応はある」と理解したのですが,間違っていたらごめんなさい)。そのプロセスを取るのではなく,レビューの作者に呼びかけるという形を取ったのは「万が一,スパイウェアや不安定というところに根拠があるのであれば,それを確かめたい」というAppBankの誠意があったのだと思います。
批判的な文章というのは,いかに全体の趣旨が正しいものであっても,論理にちょっと弱いところがあれば,そこだけを逆に非難されてしまいます。今回の例は,AppBankというやっかみを受けやすい位置にいたことがそれを助長してしまったように感じます。
さて,冒頭に「いくつかの」と書きましたが,二つ目はさらっと行きます。これも妬みややっかみからプチ・バッシングが起きたのだろうと思いますが,詳しいことは分からないので,ここでは説明を省きます。
三つ目は「名誉棄損「報道と同基準」=ネット書き込みで初判断-会社員の有罪確定へ・最高裁」というニュース。ネット上の誹謗中傷それ自体,本来許されることではないということをはっきりさせたことは大きな進歩だと思います。文句の掃き溜めのようになっている今のAppStoreにも一石を投じることになるのかもしれません。