先週、「Terroir 2012」というテロワールについての会議がUC Davisで開かれました。その中の「科学がテロワールについて語るもの、語らないもの」というセッションがあり、ワインの「ミネラル」について土壌とは関係がないという分析結果が示されました(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Conference Explores Science of Wine Terroir)。

ワイン作りにおいては、水はけがよく、乾燥した土壌にブドウを植えることによって根が深く伸び、それが地中のミネラル分を吸収して、ワインに「ミネラル」な風味を与えるといったことがよく言われています。

Alex Maltmanという英国の教授によると、ぶどうの樹からワインに入る「ミネラル」はほとんどないに等しく、またこれは「無味」であるということを示しました。ワインにおける「ミネラル」というのは化学成分としてのミネラルではなく、一種のマーケティング用語であるとしています。

会議ではこのほか、「テロワール」においては土地よりも気候の要素が圧倒的に強い」ことや「人の要素も大きい」ことなどが示されました。

なお、これらについてFaviaのオーナーであり著名なワインメーカーのAndy Ericksonは「テロワールは文化的な用語であって科学用語ではなく、証明したりするようなものではないのでは」と言っています。