小規模なワイナリーにとってワインをどう売っていくかは大きな問題です。流通に乗せるには数が少なすぎたり、ワインを作りたいだけだったのにマーケティングもやらざるを得なくなったり。DtC(Direct to Consumer、テイスティングルームやメーリングリストなどで消費者に直接販売すること)が急激に伸びているのも、そこと大きく影響しているわけですが、シドゥーリのアダム・リーが新プロジェクトで新たな試みに挑戦しています。

シドゥーリ(Siduri)はソノマをベースとし、様々な契約畑から優秀なピノ・ノワールを作ってきたワイナリー。3年前にワイナリーをケンダル・ジャクソンのグループに売却しました。こういった大手が、畑を持っていないワイナリーを買うこと自体、異例だったのですが、そこにはワインメーカーであるアダム・リーへの投資という面もあったのだと思います。実際、買収時の契約で3年間はワイナリーに残るというのがあったのですが、この3年が過ぎ、新たなプロジェクトを始めることが明らかになりました(A veteran winemaker throws out the wine-selling playbook - The Washington Post)。ただし、シドゥーリをやめてしまうかどうかは不確定で、それ以外にもジャクソン・ファミリーでのプロジェクトもあるとのことです。

彼自身の新しいプロジェクトの名前はクラリス(Clarice)。サンタルシアハイランズのゲイリーズとロゼラズの畑のピノ・ノワールを作るというから、シドゥーリと同じじゃん、と突っ込みたくなるところですが、1番の違いはワインを小売しないということ。

その代わり、年間965ドルの会員を625人集めます。年に1回ワインを12本送るほか、毎月会員専用の記事を挙げます。教育的な内容になるようです。

この試み、うまくいくのでしょうか。