シリコン・ヴァレー・バンクによる米国ワイン業界の年間レポートが公表されました(2021 SVB Wine Report | Silicon Valley Bank)。1年前にはまだコロナの「コ」の字も出ておらず、前年のレポートでは米国ワインマーケットのオーバーサプライが最大の問題として取り上げられていましたが、今年のレポートでは激変したセールスチャンネルなどが取り上げられています。

言うまでもなく、eコマースの存在感は2020年に大きく増しました。これまで10年間の成長分をステイ・イン・ホームになった3カ月くらいで達成するほどの急成長でした。一方で、テイスティング・ルームなどは激減しているため、トータルで見るとそれほど変わっていない状況でした。ただ、セールスの状況についてはワイナリーごとの違いが非常に大きく、3割以上伸びたワイナリーもあれば逆に3割ほど減らしたワイナリーもあり、凸凹が際立つ結果となっています。

収穫
2020年はまたグラス・ファイヤーなど山火事の影響も非常に大きなものになりました。収穫量は大きく減り、冷害だった2011年並みだったようです。

地域別
特に、地域別に見るとオレゴンやナパ、ソノマでは過去最低に近い収穫量だったワイナリーがかなり多くなっています。
クオリティ
収穫量を減らした原因は火事による煙の要素が多分にあります。そのため、収穫量が減った地域ではブドウの品質もあまりよくなかったという評価が多くなりました。

2月に公開されるクラッシュ・レポートと合わせて米国の現状を知るための極めて重要なレポートです。産業としてのワインに関心がある人には必須の内容です。