ナパの新世代カルトというべきワイナリーの一つであるレアム・セラーズ(Realm Cellars)がプリチャード・ヒルのナイン・サンズ(Nine Suns)ワイナリーと、その畑ホウイー(Houyi、名前は中国の伝説的な弓の名手から取ったもの)を購入しました。ナイン・サンズのブランドも購入しています。買収額は明らかにしていません。
Nine Suns
レアム・セラーズは2002年に設立されたワイナリーですが2011年には倒産寸前にまで追い込まれました。そこからワインメーカーにボルドー出身のブノワ・トゥケを得、ベクストファーからのブドウの調達に成功し、劇的な立て直しに成功します。これまで13本の「パーカー100点」ワインを生み出すなど、そのワインは非常に高く評価されています。

2015年にはすタッグス・リープのハートウェル(Hartwell)を買収、2018年にはクームズヴィルのファレラ(Farella)ヴィンヤードを購入しました。いずれも長年ブドウを買っていた栽培家やワイナリーであり、買収後もその関係を維持しています。ホウイーのブドウもかねてからレアムで使っており、オーナーだったチャン家と非常に良好な関係を持っていました。ナイン・サンズには多くの企業が名乗りを上げていましたが、レアムを選んだのは金額ではなく、将来も関係を維持できると考えたからのようです。実際、チャン家の新しいプロジェクトではホウイーのブドウを使うことになっており、レアムもその関係を続けるとしています。

ホウイー・ヴィンヤードはコルギンのIXエステートの畑に隣接しており、オーヴィッドなどもすぐ近隣にあります。南斜面で比較的暖かく、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心に植えられています。

プリチャード・ヒルの畑の開発は非常に大変であり、斜面の畑の開発が許可されることも難しくなっています。現在の20弱の畑の数から今後も大きく増えることはないでしょう。レアムにとっては非常に貴重な畑を手に入れたことになります。