ナパヴァレーの歴史を学ぶときに必ず登場するのがボーリュー・ヴィンヤード(Beaulieu Vineyards)、略してBV。特にロシアから1938年にワインメーカーとしてやってきたアンドレ・チェリチェフは1960年代から70年代のカリフォルニアワインの勃興期に、ナパのほとんどのワインメーカーにとってメンター的存在として、その成長を支えました。

2000年ころまではナパでもトップクラスのワイナリーとして君臨してきましたが、その後は決して落ちぶれたわけではないのですが、多くの新興ワイナリーの影に隠れて「昔の名前で出ています」的なあまり目立たないワイナリーになってしまっていました。

この状態を変えたのが2017年にワインメーカーに就任したトレヴァー・ダーリング。約120年のBVの歴史の中でわずか5人目のワインメーカーです。2018年にはフラッグシップのジョルジュ・ド・ラ・トゥール・プライベート・リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨンがヴィナスで98点を取るなど早くも頭角を表していましたが、2019年の同ワインはジェームズ・サックリングが100点を付け、年間のトップワインとしました。さらにはナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン2019がワインスペクテーターの2022年のコスパワイン1位を取るなど急速に注目を集める存在になっています。

2019年のジョルジュ・ド・ラ・トゥール・プライベート・リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨンは一部に樽発酵を使うというのがユニークなところ。赤ワインで樽発酵はかなり珍しいと思います。プティ・ヴェルドが9%入るにも珍しいです。後の91%はカベルネ・ソーヴィニヨン。

このレベルのワインとしては2万円台で買えるのも嬉しいところ。

ウメムラです。


柳屋です。