サスティナブルに非常に力を入れているワイナリーの一つがパソ・ロブレスのタブラス・クリーク。2010年から軽量ボトルを採用しています。このほど、それから14年でいくらの節約になったのか、試算結果を公表しています。



ワイン作りにおける二酸化炭素の排出量で一番大きな要素をしめるがガラス瓶です。製造時の二酸化炭素排出量が大きいだけでなく、輸送時にも多くの二酸化炭素を使用します。タブラス・クリークでは2010年に23オンス(約650g)のガラス瓶から16オンスのガラス瓶に変更しました。今回は、それによる二酸化炭素排出量の削減ではなく、純粋にワイナリーとしてどれだけコスト削減につながったかを計算しています。

今回の試算ではボトルの価格と、FedExなどによるう送料だけを計算しています。タブラス・クリークではそれまで2割の高級ワインには背が高くて重みもあるガラス瓶を使っていました。軽量のボトルはそれよりもボトルあたり60セント安く、それまでの普通のボトルよりも6セント安い計算になります。これだけで年間6万3200ドルの節約になります。

送料の計算は簡単ではありませんが、それまでのボトルの重さは軽量ボトルより5%ほど重いので、送料も5%増える、重量級のボトルでは16%も重くなるので、送料も16%増えると想定して、重いボトルを使い続けた場合のコスト増を考えました。

それが年間9万6539ドルに相当します。これと先程の6万3200ドルを足した約16万ドルが年間のコスト低下分ということになります。14年に換算すると実に223万6346ドル節約したことになります。

実際にはボトルの値段が上がっており、価格の差分ももっと大きかった可能性があります。また、大きくて重いボトルは箱のサイズも大きくなり、トラックなどの台数も増えた可能性がありますが、それも計算に入っていません。

「重くて背の高いボトルに入れるのが高級ワイン」というのはもはや幻想です。消費者も重いボトルを褒める風潮をやめるべきです。

ワイナリーにとってもこれだけのコストメリットは大きいはず。軽量ボトルはだれから見てもメリットになるはずです。