Cobb(コブ)はDavidとDianeのCobb夫妻と息子のRossによるワイナリです。RossはWilliams-Selyemで修行し、Flowersなどでワインメーカーを務めた才人。ピノ・ノワールを得意としており、Cobbでは主にピノ・ノワールを作っています。
海洋生態学者だったDavidが1989年、ソノマ・コーストのOccidentalにピノ・ノワールの畑Coastlands Vineyardを作ったのがワイン作りに手を染めるようになったきっかけでした。
Rossは畑を手伝うとともに、ブドウ作りに惹かれるようになり、大学も農学系に変更。卒業後はFerrari-Caranoで働き始めました。同時に、Davidとともに、Coastlandsのブドウを使って少しずつワイン作りを始めています。Rossはその後、Bonny Doon、Williams-Selyemと渡り歩き、2000年にFlowersのアシスタント・ワインメーカーになりました。
2001年にCobb Winesを発足。Rossは2004年にFlowersのワインメーカーになり、2008年まで勤務。CobbのワインはFlowersを間借りして作っていました。
初期のワインは試行錯誤の面が強かったようです。2006年に、Emmaline Annという畑のブドウを、通常より低い糖度の22Brixで収穫し、それがうまく行ったことで、自身のスタイルを確立しました。低い糖度で収穫し、厳しく選果、熟成にもしっかりと時間をかけて、質の高いワインを作ります。
Flowersをやめた後、2009年からはHirschのワインメーカーを兼任しています。どちらのワイナリでもCobb Winesと同様、ソノマ・コーストのピノ・ノワールに注力しています。
現在は、自身のCoastlandsの畑のほかJoy Road、Jack Hill、Emmaline、Rice-Spivakの畑からピノ・ノワールを購入して、それぞれ単一畑のワインとして作っています。生産量はそれぞれ300ケース弱。2010年には2008年のCoastlandsがSFクロニクル紙の年間トップ100に選ばれるなど、評論家からも高く評価されています。また、100ケース足らずですが、シャルドネも作っています。
日本には、ピノ・ノワールの目利きとして定評あるilovecalwine社が輸入をしています。とはいえ、元々少量しか作っていないワイナリですから、日本への入荷も少量となっています。