Kalin Cellars(カリン・セラーズ)は数あるカリフォルニアのワイナリの中でも極めてユニークです。リリースするワインはすべて10年以上の熟成を経たもの。中には20年近く熟成してリリースされるものもあります。
ワイナリの設立は1977年。サンフランシスコとソノマの間にあるMarin Countyにあり、主にソノマの畑から購入したブドウでワインを作っています。テリー・ライトンとフランセス・ライトンの2人だけですべてを運営している完全な家族ワイナリです。
主なワインはピノ・ノワール、シャルドネ、セミヨン。2014年に新リリースされたワインのヴィンテージはセミヨンが2000年、ピノ・ノワールが1999年、シャルドネが1995年。セミヨンはリヴァモアのWenteの畑のブドウ。1880年代にフランスのシャトー・ディケムから持ってきた樹が元になっています。ピノ・ノワールはAlexander ValleyのDemostene Ranchという畑のもの。この地域では最も古いピノ・ノワールの畑で無灌漑で栽培されています。シャルドネはDry Creek ValleyのLongという畑のもの(他の畑のブドウによるワインもあります)。
ワインの評価は非常に高く、ロバート・パーカーはテリー・ライトンのことを「尋常でない天才」とまで書いています。1990年以降のワインでレビューされている21種のうち90点未満だったのは1つだけという安定度。それでいて価格はほとんどが50ドルを切っています。
甘味や酸味といった分かりやすい味覚だけでなく「旨味」を引き出したいというテリー・ライトン。極めてユニークなだけでなく日本にも合ったワインと言えそうです。