シェーファー(Shafer)のワインのうちフラッグシップのヒルサイド・セレクトを除いた4つのワインの最新ヴィンテージを試飲しました。2020年は山火事による煙の影響ですべてのワインを作るのをやめたシェーファー。急に市場からワインがなくなってしまうことはありませんが、1年に1回しか作れないワインというものは、ある意味、一期一会でもあるのだなあと改めて思いました。
シェーファーについて、簡単にご紹介しておきます。
シカゴで出版業を営んでいたジョン・シェーファーがナパに移住したのは1972年。スタッグスリープ地区に土地を買い、カベルネ・ソーヴィニヨンの畑を当時は珍しかった斜面の土地に作りました。そのカベルネ・ソーヴィニヨン、中でもいいブドウができるブロックを選んで作るヒルサイド・セレクトは、パーカー100点6回などナパでもトップクラスの品質を誇ります。特に2016年のものはワイン・アドヴォケイトだけでなく、ヴィナス、ジェブ・ダナックと3つで100点を取っています。
まずは2018年のシャルドネ「レッド・ショルダー・ランチ」。カーネロスのブドウで作るシャルドネでマロラクティック発酵を行いません。冷涼な畑で収穫時期はカベルネ・ソーヴィニヨンより遅くなることもあるとか。
レモン、オレンジピール、カスタード、白い花、濡れた石。酸は高く、フルボディですが引き締まったフレッシュな味わいで、重さを感じません。シェーファーというと赤ワインのイメージが強いと思いますが、このシャルドネは「佳作」という言葉が似合うワイン。好きです。
次は2018年のTD-9。シェーファーといえばメルローと言われていたこともあるくらい人気だったメルローですが、収量が安定せず、品質もばらつきが大きかったため、ワイナリーとしてはなかなか難しいワインでした。そこでカベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドの形にして「メルロー」と名乗るのをやめたのがTD-9です。2018年は56%メルロー、23%カベルネ・ソーヴィニヨン、21%マルベックという構成。スタッグスリープの畑やスタッグスリープの南端にある畑、ヨントヴィルの畑のブドウを使っています。
アルコール度数は15.3%とかなり高めです。いちごジャムやリコリスのような甘い香り。ブルーベリーやカシス、トースト。タンニンは中程度でやや強めのミディアムプラスボディ。以前、「一番おいしくなるブレンドを選んだ」と、オーナーのダグ・シェーファーは言っていましたが、親しみやすくくいくい飲んでしまうワイン。
次はワンポイントファイブ2018。レギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンです。ワンポイントファイブとは不思議な名前ですが、ダグ・シェーファーが、自身をワイナリーの「1.5世代」として名付けたもの。98%カベルネ・ソーヴィニヨンで2%マルベック。ほぼすべてスタッグスリープの自社畑のブドウを使っています。
フルボディでシルキーなテクスチャ。やっぱり美味しい。リコリス、ブルーベリー、カシス、ブラックベリーに軽くミントの風味。トーストやタバコも感じます。ついついヒルサイド・セレクトに気を取られてしまいますが、レギュラーのカベルネでも十分すぎるくらい美味しいです。
最後にリレントレス2017。シラーです。リレントレス(容赦ない)とは風変わりな名前ですが、上の写真で左端に写っているワインメーカーのフェルナンド・イライアスの性格を表したものだといいます。彼の完璧主義なところをちょっとからかった感じもあります。シェーファーの赤の中ではちょっとマイナーなワインかもしれませんが、ワイン・スペクテーターで1位に選ばれたこともある一品です。86%シラーで14%プティ・シラー。
フルボディでパワフル。ブラックペッパーやプラム、ブルーベリーにトースト、タバコなどの風味を感じます。これもやっぱりレベル高いです。
以前、シェーファーのセミナーをやったときにシェーファーの特徴として「どのワインも美味しい」と説明したことがあります。今回もそれを再確認しました。
ショップはトスカニーです。
ワンポイントファイブはハーフもあります。
カリフォルニアワインあとりえです。
トリプル100点のヒルサイド・セレクト2016です。ショップはココス。
シェーファーについて、簡単にご紹介しておきます。
シカゴで出版業を営んでいたジョン・シェーファーがナパに移住したのは1972年。スタッグスリープ地区に土地を買い、カベルネ・ソーヴィニヨンの畑を当時は珍しかった斜面の土地に作りました。そのカベルネ・ソーヴィニヨン、中でもいいブドウができるブロックを選んで作るヒルサイド・セレクトは、パーカー100点6回などナパでもトップクラスの品質を誇ります。特に2016年のものはワイン・アドヴォケイトだけでなく、ヴィナス、ジェブ・ダナックと3つで100点を取っています。
まずは2018年のシャルドネ「レッド・ショルダー・ランチ」。カーネロスのブドウで作るシャルドネでマロラクティック発酵を行いません。冷涼な畑で収穫時期はカベルネ・ソーヴィニヨンより遅くなることもあるとか。
レモン、オレンジピール、カスタード、白い花、濡れた石。酸は高く、フルボディですが引き締まったフレッシュな味わいで、重さを感じません。シェーファーというと赤ワインのイメージが強いと思いますが、このシャルドネは「佳作」という言葉が似合うワイン。好きです。
次は2018年のTD-9。シェーファーといえばメルローと言われていたこともあるくらい人気だったメルローですが、収量が安定せず、品質もばらつきが大きかったため、ワイナリーとしてはなかなか難しいワインでした。そこでカベルネ・ソーヴィニヨンとのブレンドの形にして「メルロー」と名乗るのをやめたのがTD-9です。2018年は56%メルロー、23%カベルネ・ソーヴィニヨン、21%マルベックという構成。スタッグスリープの畑やスタッグスリープの南端にある畑、ヨントヴィルの畑のブドウを使っています。
アルコール度数は15.3%とかなり高めです。いちごジャムやリコリスのような甘い香り。ブルーベリーやカシス、トースト。タンニンは中程度でやや強めのミディアムプラスボディ。以前、「一番おいしくなるブレンドを選んだ」と、オーナーのダグ・シェーファーは言っていましたが、親しみやすくくいくい飲んでしまうワイン。
次はワンポイントファイブ2018。レギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンです。ワンポイントファイブとは不思議な名前ですが、ダグ・シェーファーが、自身をワイナリーの「1.5世代」として名付けたもの。98%カベルネ・ソーヴィニヨンで2%マルベック。ほぼすべてスタッグスリープの自社畑のブドウを使っています。
フルボディでシルキーなテクスチャ。やっぱり美味しい。リコリス、ブルーベリー、カシス、ブラックベリーに軽くミントの風味。トーストやタバコも感じます。ついついヒルサイド・セレクトに気を取られてしまいますが、レギュラーのカベルネでも十分すぎるくらい美味しいです。
最後にリレントレス2017。シラーです。リレントレス(容赦ない)とは風変わりな名前ですが、上の写真で左端に写っているワインメーカーのフェルナンド・イライアスの性格を表したものだといいます。彼の完璧主義なところをちょっとからかった感じもあります。シェーファーの赤の中ではちょっとマイナーなワインかもしれませんが、ワイン・スペクテーターで1位に選ばれたこともある一品です。86%シラーで14%プティ・シラー。
フルボディでパワフル。ブラックペッパーやプラム、ブルーベリーにトースト、タバコなどの風味を感じます。これもやっぱりレベル高いです。
以前、シェーファーのセミナーをやったときにシェーファーの特徴として「どのワインも美味しい」と説明したことがあります。今回もそれを再確認しました。
ショップはトスカニーです。
ワンポイントファイブはハーフもあります。
カリフォルニアワインあとりえです。
トリプル100点のヒルサイド・セレクト2016です。ショップはココス。
「寿司に合う」として昨年人気になったカーボニスト(Carboniste)のスパークリング・ワイン。タコのラベルのついたアルバリーニョのもの、サバのラベルの付いたピノ・グリージョのものがあります。その最新ヴィンテージ2020を試飲しました。
タコのラベルのアルバリーニョは瓶内二次発酵によるもの。柑橘系の風味がつよく酸がしっかりとしたハツラツとしたワイン。アフターにちょっと苦味を感じますが、このあたりが魚との相性になってくるのかと思います。
サバのラベルのピノ・グリージョは、いわゆる「ペットナット」によるもの。発酵の途中で瓶詰めし、そのまま発酵が続いて炭酸ガスをワインに閉じ込めます。最後に降りを取り除いて完成です。再び栓をする前に少しだけブドウのジュースを加えているそうです。
こちらの方が柑橘が弱く、柔らかな味わい。コクもあり、タコよりも寿司との相性はさらに良さそうです。
ちなみにどちらもコルクではなく王冠で閉じてあります。「モダン・スパークリングワイン」を標榜するこのワイナリーらしいところです。
タコのラベルのアルバリーニョは瓶内二次発酵によるもの。柑橘系の風味がつよく酸がしっかりとしたハツラツとしたワイン。アフターにちょっと苦味を感じますが、このあたりが魚との相性になってくるのかと思います。
サバのラベルのピノ・グリージョは、いわゆる「ペットナット」によるもの。発酵の途中で瓶詰めし、そのまま発酵が続いて炭酸ガスをワインに閉じ込めます。最後に降りを取り除いて完成です。再び栓をする前に少しだけブドウのジュースを加えているそうです。
こちらの方が柑橘が弱く、柔らかな味わい。コクもあり、タコよりも寿司との相性はさらに良さそうです。
ちなみにどちらもコルクではなく王冠で閉じてあります。「モダン・スパークリングワイン」を標榜するこのワイナリーらしいところです。
先日、紹介したスパークリング専業のカスタム・クラッシュ(ワインの製造を請け負う業者)「ラック・アンド・リドル」。そこが自分のブランドで作るスパークリングも好評だよと書いたら、輸入元のオルカさんから、試飲用のボトルをいただきました。
早速、ブラン・ド・ブランを開けてみました。
きめ細かい泡に、レモンの風味。爽やかです。でも軽すぎず、旨味もあるので、鶏肉や豚肉など白い肉にも合います。
今日は韓国料理のポッサムを食べたのですが、キムチにも合う順応性の高さです。
とにかく、夏の暑さにこの爽やかさはたまりません。
個人的にはボトル4分の1くらいが適量なのですが、2日でほとんどなくなってしまいました。
ところで、東京に4度目の緊急事態宣言が出て、ますますお酒への圧力がきつくなってます。飲食店が一番きついのは言わずもがなですが、インポーターも業務用の売上が激減して大変と聞いています。
消費者としてはとにかく飲むことと買うことで応援していくしかないので、セラー溢れてますが頑張って消費していきたいと、思ってます。みなさまもご協力いただけるとありがたいです。
そのため、しばらくはニュース系の記事よりワインの紹介やテイスティングノートが多めになります。よろしくお願いします。
南アフリカのシャルドネの中ではトップクラスと言われている「ストーム(Storm)」の「リッジ(Ridge)2019」を飲みました。
調べたところ、南アフリカの「Winemag」で96点と同誌の年間最高のシャルドネの評価を得たワインだそうです。ウォーカーベイの「ヘメル・アン・アード」の中でも標高の高い冷涼な畑のブドウを使っています。
第一印象としては、「ミネラル感」が前面にあります。濡れた石やスイカズラなど白い花の香り。洋梨、ライムなど果実の風味は柔らかさを感じます。ヴァニラなど樽由来の風味もおだやかで非常に上品かつバランスのいいワイン。カリフォルニアで言えば、マウント・エデンあたりが一番近いでしょうか。
上品で高級感のあるいいワインでした。
調べたところ、南アフリカの「Winemag」で96点と同誌の年間最高のシャルドネの評価を得たワインだそうです。ウォーカーベイの「ヘメル・アン・アード」の中でも標高の高い冷涼な畑のブドウを使っています。
第一印象としては、「ミネラル感」が前面にあります。濡れた石やスイカズラなど白い花の香り。洋梨、ライムなど果実の風味は柔らかさを感じます。ヴァニラなど樽由来の風味もおだやかで非常に上品かつバランスのいいワイン。カリフォルニアで言えば、マウント・エデンあたりが一番近いでしょうか。
上品で高級感のあるいいワインでした。