オー・ボン・クリマ(Au Bon Climat)には2つのインポーターに向けて日本専用に作っているワインが2つあります。中川ワイン用に作っているのが「ミッション・ラベル」、JALUX用に作っているのが「ツバキ・ラベル」です。ツバキ・ラベルと聞くと、椿の絵柄なのかと思ってしまいがちですが、そうではなく現代美術家の椿昇(つばき・のぼる)氏が初めてワインのラベルデザインとして手掛けたものです。「酵母の精霊」をイメージしたものだとのことです。2012年のヴィンテージから造られています。
オー・ボン・クリマのワインはコストパフォーマンスの高さで知られていますが、このツバキ・ラベルも実売3000円前後と、かなり格安になっています。今回はシャルドネとピノ・ノワールの2019年を飲みました。アメリカワインクラブのオンラインワイン会に参加させていただいて飲んだワインです。
シャルドネは第一印象は、割と樽が効いています。酸はやや高く、スイカズラや洋梨、白桃、濡れた石などの風味を感じます。きれいで品がいいワインですが、ほどよいオークの風味で万人受けする味わいに仕上げていると思います。
ピノ・ノワールは少量モンデュースがブレンドされているとのこと。そのせいかわかりませんが、甘草やザクロの風味でやや甘やかさを感じます。もちろんチェリーやストロベリーの風味も。
どちらも高級な味わいというより、だれもが喜んで飲む味わいを目指しているように思いました。サンタ・バーバラのワインの入門として間違いのないワインです。
しあわせワイン倶楽部です。
リカマンです。
ウメムラです。
日本人醸造家の桃井隆宏さんが作るアーサー・セラーズのピノ・ノワール、2018年のKR Ranchを飲みました。KRランチというとどこだろう、という感じですが、実はコスタブラウンなどのワインで知られているキーファー・ランチのことです。
果実味が優しく、染み入る美味しさ。タイトルで「おいしくてうまい」と書いたのはただ果実味のおいしさがあるだけでなく鰹節系の旨味もしっかり感じられるから。
熟成しても美味しいと思うのですが、このままで十分に美味しいのでついつい若いうちに飲みきってしまうのが難点?かもしれません。コスタブラウンのキーファー・ランチと比べたら3分の1くらいと圧倒的に安いので、開けるときの罪の意識が少ないのです。
この親しみやすさは、桃井さんの師匠のエド・カーツマンさんのワインにも通じるところ。どちらもいいワインです。