毎年この時期に開かれるTaste Napa Valley試飲会に参加してきました。今年はいつもより参加ワイナリが少なめ,会場も人が少し少なかったような感じ。ちょっとさびしかったです。半面,割と落ち着いてテイスティングできたため,出ていたワインの大部分を試すことができました。

全体的な感想を先に書くと「カベルネの味が分からなくなっている…」。ここ2,3年ほど飲むワインにカベルネが占める割合がぐんと減り,赤だとピノ,シラー,ジンファンデルといったところが中心になってきています。そのためかカベルネを飲んでおいしいと感じることが減ってしまったように思えます。特に今回はやや青臭く感じられることがしばしばありました。おそらくは,ワイン自体が変わったのではなく,私が変わってしまったのでしょう。そのあたりは割り引いてみていただけたらと思います。

参加した22(DuckhornとParaduxxを別と考えると)のワイナリの中でカベルネやカベルネ系のブレンドを出していなかったのはSaintsburyとSchramsbergだけ。一方でピノはArtesa,Clos du Val,Saintsburyの三つだけ,Syrah系はDarioush,Shaferだけといった風にナパなのでカベルネ系にかなり偏って出ています。

その中でCabernet Sauvignon系ではJoseph PhelpsとHeitzのMartha's,BondのMelburyはひとつ抜けていた感じがしました。ChappelletのSignature,Cain Fiveがそれに続くところ。

一方で今回はMerlotにおいしいものが多く思えました。Darioush,Duckhornはかなりおいしく,BlackbirdというMerlot中心のブレンドも結構よかったです。数が少ないですが上記二つのシラー(DarioushとShafer),Zinfandelとカベルネ系のブレンドParaduxxもよかったです。ピノはSaintsburyはよかったですが,後の二つはいまいち。

白ワインではSt. SuperyのSauvignon Blanc,TrefethenのDry Rieslingが意外とよく,ChardonnayではGrgich Hills,Saintsburyが印象的でした。ShaferのRed Shoulder Ranchは好きなChardonnayなのですが,今回(2006)はあまりよく感じませんでした,ちょっと残念。

米国では昨年,Merlotの盛り返しという話がありましたが,Pinotにとられた分を取り返したというよりも,Cabernetから移っていっているのかなあ,といったことをちょっと想像しました。正直に言ってカベルネは値段を考えるとあまり魅力的には思えなかったのが残念でした。カリフォルニアのワイン,また勢力図が変わっていくかもしれません。