ワシントン州で高品質なワインというと、カベルネ・ソーヴィニヨンが代表的な品種でしたが、近年ではむしろシラーが目立っています。パーカー100点を3回取っているカユース、そのライバル的存在がパーカー100点こそ取っていないものの99点は9本も取っており、ワイン・エンスージアストでは100点も取っているKヴィントナーズ。そのKヴィントナーズのオーナーでありワインメーカーであるのがワシントンワインの「顔」とも言えるチャールズ・スミスです。


Kヴィントナーズのシラーは非常に美味しいですが、やや値段が高いのと数が少なくてなかなか入手できないのがたまにきず。そこで登場したのが「リトルK」というシラー。参考小売価格は3900円です。この価格でもロイヤルスロープAVAのフレンチマン・ヴィンヤード単一畑。ロイヤルスロープAVAは2020年に策定された新しいAVAですが、Kのフラッグシップであるロイヤルシティがここのブドウで作られており、生産者からは「州内で最も優れたアペラシオン」という声も上がっています。やや南向きの斜面と標高の高さがここの特徴だとのこと。このAVAで自然農法で作られたブドウを使っており、ロイヤルシティの6分の1のほどの価格になっています。



飲んでみました。
スパイシーでけものっぽさもかなりあります。ブラックベリー、ブルーベリーにコーヒー、ホワイトペッパー。とてもシラーらしいシラーです。甘さはほとんど感じないのでオーストラリア系というよりは北ローヌ系と言っていいでしょう。もちろんロイヤルシティの圧倒的重厚感やビロードやなめし革のような妖艶さはないですが、それはこの価格帯に求めるのが贅沢すぎるでしょう。

最近は癖なく飲みやすいシラーも数多くありますが、もっとガツンと来るものを飲みたい人にお薦めです。

Wassy'sです。


ワインセラーパリ16区です。


古武士屋です。