ワインは開けたら飲み切るもの。もちろん数日から数週間といった程度であれば、さまざまなデバイスを使って保存は可能ですが、それがこれまでの常識でした。これを、何年にもわたって保存できるようにする、すなわちあたかも開けてないワインかのようにセラーなどに置いておける画期的な製品が登場します(Wine access device transforms how wine is served, sold, and enjoyed)。

「Coravin」というこの製品、ワインボトルのコルク(キャップのシールは付けたままでOKとのこと)に細い針を挿し、アルゴンガスを注入しながらワインを注げるようにします。ワインを注いだ後は針を抜くだけ。あたかも未開封のワインのように保存できます。下のデモビデオをご覧ください。



実際に数年前に開けたワインを試したロバート・パーカーは「過去35年でワイン業界における最も画期的な発明だ」としています(パーカーは同社への出資などはおこなっていないとのこと)。

価格(予価)は299ドルでアルゴンガスのキャニスターは別売になるそうです。この夏に出荷を始める予定で、現在はオンライン上で予約ができます。

ワインを酸化させないワインセーバーとしては業務用でWhynotという製品があります。アルゴンでなく窒素ガスを注入する方式ですが、既に多くのレストランで実績があります。ただ、これはボトルを機器に設置して逆さまにして立てておく必要があるので、導入した機器の数だけのボトルしか同時に保存できません。また場所もかなり使います。

それに対してCoravinであれば、一回開けたボトルをそのまままたセラーなどに保存できるわけですから、理論上は何本でも同時に開けられることになります。場所も塞ぎませんから個人で使うのも容易です。

現時点での弱点といえば、天然コルクのボトルでないと利用できないということくらいでしょうか。

これは気になりますね。続報をウォッチしようと思います。