高級ワインを作るワイナリーは375mlのハーフボトルをもっと考えるべきだとワイン・ジャーナリストのW.ブレイク・グレイが提言しています(Considering the 375 ml Format: The Case for the Alternative ...)。

著名な業界アナリストのロブ・マクミランは若い世代や一人暮らしのコンシューマーにとって、ハーフボトルはより魅力的だとしていますが、グレイはそれよりもサンプル目的などで増やすべきとしています。

フェラーリ・カラーノ

コロナ禍において、ワイナリーはサンプル・ボトルの出荷を大幅に増やしています。ソノマのフェラーリ・カラーノは従来からフュメ・ブランの2%ほどをハーフボトルで売っていましたが、近年はシャルドネも追加するとともに、フュメ・ブランのサンプルはすべてハーフボトルに変更しました。これはとてもよく受け入れられているといいます。

また、レストランもテイクアウト用にハーフボトルを増やしているといいます。

以前から、リゾート地などでは飲みきりサイズの酒類が人気でしたが、これまでワインはそこにほとんど入っていませんでした。ハーフボトルはそういった需要もあります。

飲みきりという観点からすると、飛行機で提供されているような1/4サイズ(187ml)のボトル、という考えもありそうですが、このサイズになると、スクリューキャップも一般的なサイズではなく専用のものになったり、これまでのボトル詰めの機械が使えないなど、パッケージにかかるコストが非常に大きくなってしまいます。ハーフボトルの場合はコルクやスクリューキャップなどはフルボトルと同じサイズであり、同じボトル詰めの機械が使えます。フェラーリ・カラーノによると、サイズを切り替えるためのコストである300ドルがかかるだけで、後は変わらないとのこと。

ただ、ワインの量が半分になってもパッケージのコストは下がらないため、ハーフボトルが割高になるのは否めません。そういう意味では安ワインよりも30ドル以上する高級ワインに向くとしています。

缶入りのワインでは375mlよりも250mlのニーズの方が高いという話も、以前紹介したことがあります。ワインでもパッケージの小型化は徐々に進んでいくのでしょうか。このコロナのパンデミックが一つのきっかけにはなりそうです。