お友達のヒマワインさんが、X(旧Twitter)に下のような投稿をしていました。


これに対して私は
ヒマさんがジョークで書いているのは分かりながらマジレスしますが、ジョークがジョークじゃない、本当にめんどくさいこと言う人が多いのがワインの世界なんですよね。なので、やっぱり「~~じゃなきゃ」みたいなところを全部ぶち壊さないと先に進めないと思っています
とコメントしました。

ヒマさんは「面倒くさい」という言葉の中に、奥深さを意識させたのだろうと想像していますが、あえて嚙みついたのは、実際問題「面倒くさい」しきたりにしばられていたり、それを他人に強制する人ってワイン好きの中でやっぱりいるんですよね。そういう場面に出会ってしまうと、「面倒くさいけど面白い」ことが「面倒くさくて嫌」なことになってしまう恐れがある。だからやっぱり面倒くささを一回全部取り払わないといけないと思っています。

なんてことをつらつら思っていたら、敬愛するワイン商えいじさんが、Noteに次のような投稿をしていました。
あなたは何と答えますか 「ワインって難しいですよね?」|ワイン商えいじ | DipWSET

ちょっと長く引用させていただきます。
ぼくの答えは

「ワインは難しい!!しかも、めちゃくちゃ難しい!!」 です。

おいおい!と思うかもしれませんが、だって、紛れもない事実です。知識という点においては。

そして、最も大事なことは、

この難解なワインの世界を全て把握している人はこの世に1人もいないということ。

それがワイン界の頂点と言われる、マスター・オブ・ワインであろうと。

ワインの話をする楽しみは、さながら誰も答えの知らない人生論や哲学の話をすることに似ています。答えがないのだから、誰が何を言おうと、それは新しい何かを発見するためのヒントでしかない。

(中略)
だから、ぼくはこれからワインを飲む人にこう言いたい。

たしかにワインは難しい、でも怖がる必要はまったくないです!

なぜなら

ワイン好きという生き物たちは、誰も答えを知らないワインの世界で

好き勝手なことを言って楽しんでいるだけなのだから、と。

だからあなたにも、メジャーとかマイナーとか、主流だとかセオリーだとか関係なく、好きなものを飲んで、好き勝手言ってほしい、と。

そしてぼくらプロは
できるだけ多くの人たちが好きなワインにたどり着き
好き勝手言える環境を整えるべきなんだと。
そのために、「プロが」知識を身につけるべきだと思うのです。

これを読んで思い出したことがあります。
昨年、ワインスクールで初心者向けのクラスを教える機会をいただいたのですが、生徒さんたちにこんな話をしたと思います。

ワインて、むちゃくちゃ奥が深いんです。
世の中にワインの数はどれだけあるのか数えきれないし、一人の人が全種類を飲むことも絶対にできません。
僕みたいにカリフォルニアワインという割と狭い世界だけを見ていたって、知らないワインや飲んだことがないワインは山ほどあります。
勉強すればするほど、わからないことも増えていきます。
そして、知れば知るほど、より面白く感じられるんです。
そういうところがワインて奥が深い、面白いなあと思います。

面倒くさいことは取り去って楽しめるというのが前提条件として、その先に知ることの面白さや、知ってから味わうことでより飲むことも楽しめるというのがワインの面白く、すごいところだと思います。だからこそ、大の大人がたかが飲み物にこれだけ夢中になるのでしょう。

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