米国西海岸の夏の寒さに地球の自転が大きく関わっているという話
カリフォルニアの沿岸の夏は本当に涼しいです。寒いといってもいいくらい。例えば、サンタ・クルーズの辺りの海に近いところの年間の気温を示したのが下のグラフです。8月でも昼間の最高気温が10℃台。一番気温が高い10月でも18℃。逆に一番気温が低い1月は13℃と年間を通してほとんど気温が変わりません。
ちなみに、カリフォルニアの沿岸ではラッコが見られるところがありますが、ラッコは水温15度以上のところでは生活できないそうなので、水温も年間通じてそれ以下であるのは確実です。
この涼しさはアラスカから流れてくる海流の影響であると、いつも説明していますが、それだけでなく地球の自転がかかわっているということをブラインドテイスティングで有名な田尻智之さんが、投稿されていました。
Note(WSET Level3 練習問題(番外編:カリフォルニアと沿岸湧昇) | The Planet of Wine)では、数式を使って分かりやすくモデル化して説明しています。
数式は見たくないという人も多いでしょうから、簡潔に説明します。西海岸では夏場、太平洋に高気圧、陸上に低気圧が生じ、結果として北寄りの風が長時間吹きます。風によって海面の水は北から南に力を受けますが、このときに地球の自転の影響で、風向きから90°右向きの方向に移動するような力が生じるのです(学生時代に地学を習った人は「コリオリの力」という名前を憶えているかもしれません)。北風に対して90°右向きですから東から西に向かう力になり、結果として海面の水は海岸から離れていきます。
海面の水が沿岸から離れる方向に移動することによって、海底から水が上がってきます。これを「沿岸湧昇」といいます。カリフォルニア近辺は海が深く、深海の水温は非常に低くなっています。この水が上がってくることで沿岸の水温が低くなるのです。
もちろん寒流で運ばれてくる冷たい水も大きく影響していますが、夏場の極端な涼しさについてはそれだけでは説明しきれないという感じは以前から持っておりました。この沿岸湧昇の影響が加わることで冬と変わらないような低温が続くというのは、すごく納得がいきます。
ちなみに、カリフォルニアの沿岸ではラッコが見られるところがありますが、ラッコは水温15度以上のところでは生活できないそうなので、水温も年間通じてそれ以下であるのは確実です。
この涼しさはアラスカから流れてくる海流の影響であると、いつも説明していますが、それだけでなく地球の自転がかかわっているということをブラインドテイスティングで有名な田尻智之さんが、投稿されていました。
沿岸付近の海水は、コリコリの力により西へ運ばれるのである。
— Tomo Blind Wine Tasting (@wine_planetary) January 3, 2025
運ばれた分の海水は深部から湧昇という形で補償されるのだが、深部からの水は冷たい。
そのため、カリフォルニアの沿岸付近は冷たく、霧が発達しやすい
なぜ西へ?と思う方へ、下記で数式で解説してます!笑https://t.co/JU9IymtreZ
Note(WSET Level3 練習問題(番外編:カリフォルニアと沿岸湧昇) | The Planet of Wine)では、数式を使って分かりやすくモデル化して説明しています。
数式は見たくないという人も多いでしょうから、簡潔に説明します。西海岸では夏場、太平洋に高気圧、陸上に低気圧が生じ、結果として北寄りの風が長時間吹きます。風によって海面の水は北から南に力を受けますが、このときに地球の自転の影響で、風向きから90°右向きの方向に移動するような力が生じるのです(学生時代に地学を習った人は「コリオリの力」という名前を憶えているかもしれません)。北風に対して90°右向きですから東から西に向かう力になり、結果として海面の水は海岸から離れていきます。
海面の水が沿岸から離れる方向に移動することによって、海底から水が上がってきます。これを「沿岸湧昇」といいます。カリフォルニア近辺は海が深く、深海の水温は非常に低くなっています。この水が上がってくることで沿岸の水温が低くなるのです。
もちろん寒流で運ばれてくる冷たい水も大きく影響していますが、夏場の極端な涼しさについてはそれだけでは説明しきれないという感じは以前から持っておりました。この沿岸湧昇の影響が加わることで冬と変わらないような低温が続くというのは、すごく納得がいきます。