Vinousレポートに見るナパ・ソノマの2022年と23年の評価
ヴィナス(Vinous)でアントニオ・ガッローニがナパとソノマのレポートを相次いで公表しています。非常に極端に性格が分かれた2022年と2023年のヴィンテージについての所感をまとめておきます。
まず、2022年は「2つのヴィンテージ」と言われるように、一つの年ではありますが前半と後半で大きく性格が分かれます。その原因となったのが9月上旬の熱波で、40℃後半にもなるような異常な暑さが1週間近くも続きました。これによってブドウは酸が落ちてしまったり、成熟を止めてしまったり、場合によってはブドウの実の中で発酵が始まってしまうといったことまであったようです。この熱波の前に収穫したか、熱波を越えてから収穫したかが、大きなポイントとなっています。
一方、2023年は稀に見る涼しいヴィンテージでした。生育は通常の3週間遅れで進行し、11月に入っても収穫が続くところもありました。ただ、熱波や雨といった品質低下につながりやすいイベントは起こらず、安定した天候が続いたため、適熟の状態で収穫でき「一生に一度のヴィンテージ」とまで言われていました。
ナパの場合、2022年は熱波のときに「果実が熟しかけ」「完熟状態」「成熟のまだ手前」の3段階によって状況が分かれました。「果実が熟しかけ」の生産者は熱波の間に急いで収穫をし、いい状態のブドウを手に入れられました。「成熟のまだ手前」だった生産者は熱波の後、改めて成熟を待ちましたが今度は低温や雨といった事象にも悩まされました。一番問題だったのは熱波前に完熟に達してしまったところで、熱波によってレーズン化してしまうなどの問題が生じました。また熱波前に収穫をしようとしても必要な働き手が見つからずに収穫できなかったというところもあるようです。特にメルローでは問題が大きかったと見られます。
ソノマでも熱波の影響はありましたが、熱波による暑さはナパほどではなかったので、そこまで大きな問題にはなりませんでした。「2022年のピノは、濃厚で芳醇なワインであり、テクスチャーの強さが際立っています。2022年は熟したワインもあれば、粒状でやや粗いタンニンに暑さの影響が見られるワインもあります」とガッローニは記しています。やや大柄なワインになる傾向はあるものの、特別に難しい年ということでもなったようです。
一方、2023年ですが2022年とは逆にソノマの方が難しいヴィンテージとなりました。確かに雨も降らず、熱波もなく安定した天候が続きましたが、あまりにも冷涼な地域ではブドウが完熟できなかったところもありました。冷涼でブドウが完熟しないところが多かった2011年よりもさらに涼しかったという声も聞かれたようです。2022年のソノマは涼しい地域の方が高品質でしたが、2023年のソノマは涼しい地域では熟度が上がりにくく、暖かい地域の方がそうじてよくできていました。
2023年のナパはソノマのようなブドウが完熟しない問題もなかったので、いいヴィンテージであることは間違いないようです。
まず、2022年は「2つのヴィンテージ」と言われるように、一つの年ではありますが前半と後半で大きく性格が分かれます。その原因となったのが9月上旬の熱波で、40℃後半にもなるような異常な暑さが1週間近くも続きました。これによってブドウは酸が落ちてしまったり、成熟を止めてしまったり、場合によってはブドウの実の中で発酵が始まってしまうといったことまであったようです。この熱波の前に収穫したか、熱波を越えてから収穫したかが、大きなポイントとなっています。
一方、2023年は稀に見る涼しいヴィンテージでした。生育は通常の3週間遅れで進行し、11月に入っても収穫が続くところもありました。ただ、熱波や雨といった品質低下につながりやすいイベントは起こらず、安定した天候が続いたため、適熟の状態で収穫でき「一生に一度のヴィンテージ」とまで言われていました。
ナパの場合、2022年は熱波のときに「果実が熟しかけ」「完熟状態」「成熟のまだ手前」の3段階によって状況が分かれました。「果実が熟しかけ」の生産者は熱波の間に急いで収穫をし、いい状態のブドウを手に入れられました。「成熟のまだ手前」だった生産者は熱波の後、改めて成熟を待ちましたが今度は低温や雨といった事象にも悩まされました。一番問題だったのは熱波前に完熟に達してしまったところで、熱波によってレーズン化してしまうなどの問題が生じました。また熱波前に収穫をしようとしても必要な働き手が見つからずに収穫できなかったというところもあるようです。特にメルローでは問題が大きかったと見られます。
いくつかの例外はあるものの、2022年のワインは、例年のワインに比べて色、ボディ、タンニンが薄い。高熱で色が褪せ、タンニンが劣化し、最良の年のような躍動感のないワインとなった。糖度は前例のないレベルまで上昇し、2022年産ワインの多くはセラーでの調整が必要となった。これには、水と酸の追加、非常に軽いワインのためのマストのブリーディング、タンニンの追加など、さまざまな技術が含まれる。一部のワインは驚くほど新鮮で、おそらく2023年の果汁がブレンドされていると思われる。アルコール度数は、果実の収穫時期によってかなり異なる。と書かれています。ヴィンテージ表記を付けるにはAVA表記が付く場合は95%以上、つかない場合は85%以上がそのヴィンテージのブドウである必要があるので5%ないし15%、2023年のヴィンテージを加えた生産者もあるのでしょう。
ソノマでも熱波の影響はありましたが、熱波による暑さはナパほどではなかったので、そこまで大きな問題にはなりませんでした。「2022年のピノは、濃厚で芳醇なワインであり、テクスチャーの強さが際立っています。2022年は熟したワインもあれば、粒状でやや粗いタンニンに暑さの影響が見られるワインもあります」とガッローニは記しています。やや大柄なワインになる傾向はあるものの、特別に難しい年ということでもなったようです。
一方、2023年ですが2022年とは逆にソノマの方が難しいヴィンテージとなりました。確かに雨も降らず、熱波もなく安定した天候が続きましたが、あまりにも冷涼な地域ではブドウが完熟できなかったところもありました。冷涼でブドウが完熟しないところが多かった2011年よりもさらに涼しかったという声も聞かれたようです。2022年のソノマは涼しい地域の方が高品質でしたが、2023年のソノマは涼しい地域では熟度が上がりにくく、暖かい地域の方がそうじてよくできていました。
2023年のナパはソノマのようなブドウが完熟しない問題もなかったので、いいヴィンテージであることは間違いないようです。
試飲してみると、2023年は香りがよく、洗練されたワインだった。間違いなく、美しく並外れたワインがたくさんあるヴィンテージだ。今のところ、2023年が本当に素晴らしいヴィンテージだとは思っていないが、最終的には時が経てばわかるだろう。