ナパのシェーファー(Shafer)が2022年2月に韓国の新世界百貨店のグループの会社に買収されて約1年半。これまでワイナリーを率いてきたシェーファー家のダグ・シェーファーもワイナリーを離れ、新体制が動き始めました。
とはいえ、ワインメーカーのイライアス・フェルナンデスは40年間シェーファー一筋でワインを作っており、今後も続ける予定です。ワイン造り自体が根本的に変わることはありません。
先週、ジェネラルマネージャーのマシュー・シャープ氏が初来日し、ランチで話を伺いました。店は銀座のWolfgang’s Steakhouse Teppan。熟成肉で知られるウルフギャング・ステーキハウスが手掛ける鉄板焼きスタイルのレストランです。
シェーファーのマシュー・シャープGM。シェーファーのワインについては「飲んだときにバランスを見てほしい。ニューワールドの味わいとオールドワールドのフィニッシュを両立させている」と語りました。
新オーナーに代わってもワイン造りは変わらないと書きましたが、実際には変わったところもあります。醸造設備を増強し、畑も購入しました。それだけ聞くと、生産量を増やしてお金儲けしたいだけ、と思うかもしれませんが目的はだいぶ異なります。
ナパでは2017年、2020年と大きな火事の影響を受けました。シェーファーは2017年の火事ではワイナリーのすぐ近くまで火が押し寄せ、ブドウ畑が防火帯になることでようやく難を逃れました(レンタルハウスが一つ燃えましたが)。2020年は火事からの煙の影響で赤ワインの生産をすべてやめました。それだけでなく温暖化の影響で、極端な熱波が押し寄せる危険なども増えており、収穫時期がそれらの影響で大きく変わることがあり得ます。熱波が来るからその前に収穫をしたい、となってもワイナリーの醸造設備は収穫時期にフル回転(発酵はステンレスタンクで行い、その後熟成で樽に移します)していますから、収穫したブドウを発酵させるタンクが足りないといったことになります。
醸造設備の増強はそういった状況に対応するためのことで、例えばすべてのブドウの収穫がわずか1週間の間に行われたとしても対応できるようにしたとのことです。また、ブドウの選果に使うオプティカルソーティングの機械(ベルトコンベアの上にブドウの実を流し、光を当てて未熟な実やゴミなどを発見しはじき飛ばす)もいいものに変え、選果のプロセスも早く済むようにしています。シェーファーでは温暖化の影響としては今のところ収穫時期が一番大きいとしており、今回の増強に踏み切りました。
また、畑については2022年8月にスタッグス・リープの自社畑「ホームランチ」に隣接する「Woldfoote」という9ヘクタールの畑を買収しており、今年2月にはアトラス・ピークで「Altimeter」という4ヘクタールの畑を購入しています。どちらもカベルネ・ソーヴィニョンの畑です。「Woldfoote」は「ホームランチ」自体の拡張ということで極めて貴重な畑を手に入れた形です。元の持ち主はスクリーミング・イーグルの創設者のジーン・フィリップスとのこと。イライアスは今年2月の畑の買収時に「ワインメーカーとしてトップの畑から一番いいブドウだけを選べるというのは夢みたいなことだ。今回の購入で、どんなヴィネテージでも最高の状態のカベルネ・ソーヴィニヨンを手に入れられる。この買収の意味は品質に尽きる」と語っています。
また、畑は樹齢は平均20年くらいとのことで、樹齢が高く収量がエーカーあたり0.5トンなど極端に減ってしまうものは植え替えていきます。植え替えると数年はワインに使えませんから一度に畑全体を植え替えるのではなくローテーションしていく形をとります。今回ホームランチが拡張されたことで、そのローテーションがよりやりやすくなったと言っていました。
シェーファーの畑は全体で250エーカーあり、うち70エーカーがホームランチということになります。
そろそろワインの話に移りましょう。
ランチの最初のワインはシャルドネのレッド・ショルダー・ランチ2021(希望小売価格1万1000円)です。レッド・ショルダー・ランチというのはカーネロスにある畑の名前で「レッド・ショルダー・ホーク」(日本名はカタアカノスリ)というタカの一種が住んでいることから名づけられたそうです。タカは1日にモグラ1匹とネズミ3匹を捕まえると言われており、これら根をかじる動物から畑を守る役割をしています。サスティナブルな栽培をする畑の多くが猛禽類を使っています。
このシャルドネ、マロラクティック発酵なしでずっと作られてきており、フルーツ感と生き生きした酸味を特徴としています。私もナパのシャルドネの中で大好きなもののひとつです。ただ、ワイン造りはここ5年くらいで変わったところもあります。以前は熟成を新樽のみで行っていたのですが、2015年からだんだん新樽率を下げていって、現在は新樽率40%程度になっています。
新樽率が下がったためか、より果実味がくっきりと感じられるようになった感じがあります。オレンジなどの熟度の高い柑橘の風味、酸は高く味わいが口中に広がります。長い余韻。樽の風味は前面に出てこず、背後を支えている印象です。なお、ブドウの収穫時期はBrix24くらいを見極めているとのことでした。それを超えていくとバランスが崩れ、ワインの熟成もあまりしなくなるとのことです。
次のワインはTD-9 2021(1万5000円)。実は今回一番変わったのがこのワイン。品種表示がカベルネ・ソーヴィニョンになったのです。
元々TD-9はメルローの代わりに作られたワインでした。シェーファーのメルローはナパのメルローの中でも人気が高かったのですが、シェーファーにとっては頭痛の種でした。自社畑はあるのですが、収量が安定せず、購入したブドウも合わせて作られており、品質を保つのに苦労していたのです。そこでメルローという縛りをなくして「とにかく美味しいブレンドを」として作ったのがTD-9。名前はシェーファー家がナパに来て最初に買ったトラクターから来ています。
2015年の登場時期はメルローが半分以上入っていましたが、よい品質のワインを突き詰めた結果、次第にカベルネ・ソーヴィニョンの比率が上がり、ついに今回品種名を書くことになりました。これでシェーファーのカベルネソーヴィニヨンは3種類になり、そのエントリーレベルの位置付けです。ワインは8週間前に瓶詰めされたばかりで日本が最初のお披露目です。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン76%、メルロー11%、プティ・ヴェルド10%、マルベック3%。
ブラックベリー、カシスの果実味、カベルネ・ソーヴィニョンが増えたせいか黒鉛ぽさが増しています。ちょっと柔らかさがあるのは、これまでのTD-9を彷彿とさせます。やや強めのタンニンがありますが、非常にこなれています。フルボディでシェーファーらしい味わい。なお熟成は12カ月。新樽100%でアリエルとトロンセという2種類の樽を使っています。
次はワンポイントファイブ2021。セカンドの位置付けのカベルネ・ソーヴィニョンです。ボーダーラインと呼んでいるスタッグス・リープ・ディストリクトの境界線のごくわずか南にある畑のブドウとホームランチのブドウを使っています。実はこの畑も少し拡張しています。ナパでは土砂の流出を防ぐため、斜面の畑の開発はほぼ許可が得られなくなっています。ただ、この畑の敷地の中でこれまでブドウ畑になっていなかったところが2017年の火事で焼けてしまい、植栽がなくなってしまったので、その部分を新たな畑としてブドウを植えられるようになったそうです。なお、今後はアトラス・ピークの畑もワンポイントファイブに加わっていく予定です。
20カ月新樽熟成。セパージュは94%カベルネ・ソーヴィニョン、3%プティ・ヴェルド、 2%メルロー、1%マルベック。7月に瓶詰めしたばかりです。
果実の風味はTD-9に似ていますが、より黒鉛のニュアンスが増えているのと、酸味が強いこと、タンニンがよりきめこまかいのが特徴です。非常に良質のカベルネ・ソーヴィニョン。
最後はフラッグシップのヒルサイドセレクト2018(7万2000円)。値段がまた上がってしまいましたが「オーパス・ワンより25%安いくらいを目指している」とのこと。
ヒルサイドセレクトはホームランチのブドウを100%使っており、セパージュもカベルネ・ソーヴィニョン100%を毎年続けています。このワインを飲むたびに思うのは、「カベルネ・ソーヴィニョンというブドウの美味しさを最高の形で分からせてくれるワイン」だということです。ボルドーのワインはもちろんのこと、ナパの最高級のカベルネ・ソーヴィニョンも多くは複数品種をブレンドしています。それは味わいの安定性(ヴィンテージごとの差異を減らす)ことや、複雑味を出すことなど、目的があってしていることですが、カベルネ・ソーヴィニョンはそれ単体でも素晴らしい味わいなのです。ヒルサイドセレクトはその最高傑作の一つです。
ワンポイントファイブも十分美味しいのですが、ヒルサイドセレクトは香りのレベルが違います。酸もよりしっかりし、完璧なストラクチャーとテクスチャーを持っています。酸が強いのはスタッグスリープの火山性の土壌が寄与しているとのことでした。いつもながら素晴らしいワインです。
なお32カ月新樽熟成し、その後瓶熟1年を経ています。
お肉も堪能しました。
カベルネ・ソーヴィニョン100%の質実剛健な味わいには脂たっぷりの料理よりも、これくらい研ぎ澄まされたシンプルなステーキの方が合うのかもしれないと感じました。
布袋ワインズさん、ありがとうございました。
とはいえ、ワインメーカーのイライアス・フェルナンデスは40年間シェーファー一筋でワインを作っており、今後も続ける予定です。ワイン造り自体が根本的に変わることはありません。
先週、ジェネラルマネージャーのマシュー・シャープ氏が初来日し、ランチで話を伺いました。店は銀座のWolfgang’s Steakhouse Teppan。熟成肉で知られるウルフギャング・ステーキハウスが手掛ける鉄板焼きスタイルのレストランです。
シェーファーのマシュー・シャープGM。シェーファーのワインについては「飲んだときにバランスを見てほしい。ニューワールドの味わいとオールドワールドのフィニッシュを両立させている」と語りました。
新オーナーに代わってもワイン造りは変わらないと書きましたが、実際には変わったところもあります。醸造設備を増強し、畑も購入しました。それだけ聞くと、生産量を増やしてお金儲けしたいだけ、と思うかもしれませんが目的はだいぶ異なります。
ナパでは2017年、2020年と大きな火事の影響を受けました。シェーファーは2017年の火事ではワイナリーのすぐ近くまで火が押し寄せ、ブドウ畑が防火帯になることでようやく難を逃れました(レンタルハウスが一つ燃えましたが)。2020年は火事からの煙の影響で赤ワインの生産をすべてやめました。それだけでなく温暖化の影響で、極端な熱波が押し寄せる危険なども増えており、収穫時期がそれらの影響で大きく変わることがあり得ます。熱波が来るからその前に収穫をしたい、となってもワイナリーの醸造設備は収穫時期にフル回転(発酵はステンレスタンクで行い、その後熟成で樽に移します)していますから、収穫したブドウを発酵させるタンクが足りないといったことになります。
醸造設備の増強はそういった状況に対応するためのことで、例えばすべてのブドウの収穫がわずか1週間の間に行われたとしても対応できるようにしたとのことです。また、ブドウの選果に使うオプティカルソーティングの機械(ベルトコンベアの上にブドウの実を流し、光を当てて未熟な実やゴミなどを発見しはじき飛ばす)もいいものに変え、選果のプロセスも早く済むようにしています。シェーファーでは温暖化の影響としては今のところ収穫時期が一番大きいとしており、今回の増強に踏み切りました。
また、畑については2022年8月にスタッグス・リープの自社畑「ホームランチ」に隣接する「Woldfoote」という9ヘクタールの畑を買収しており、今年2月にはアトラス・ピークで「Altimeter」という4ヘクタールの畑を購入しています。どちらもカベルネ・ソーヴィニョンの畑です。「Woldfoote」は「ホームランチ」自体の拡張ということで極めて貴重な畑を手に入れた形です。元の持ち主はスクリーミング・イーグルの創設者のジーン・フィリップスとのこと。イライアスは今年2月の畑の買収時に「ワインメーカーとしてトップの畑から一番いいブドウだけを選べるというのは夢みたいなことだ。今回の購入で、どんなヴィネテージでも最高の状態のカベルネ・ソーヴィニヨンを手に入れられる。この買収の意味は品質に尽きる」と語っています。
また、畑は樹齢は平均20年くらいとのことで、樹齢が高く収量がエーカーあたり0.5トンなど極端に減ってしまうものは植え替えていきます。植え替えると数年はワインに使えませんから一度に畑全体を植え替えるのではなくローテーションしていく形をとります。今回ホームランチが拡張されたことで、そのローテーションがよりやりやすくなったと言っていました。
シェーファーの畑は全体で250エーカーあり、うち70エーカーがホームランチということになります。
そろそろワインの話に移りましょう。
ランチの最初のワインはシャルドネのレッド・ショルダー・ランチ2021(希望小売価格1万1000円)です。レッド・ショルダー・ランチというのはカーネロスにある畑の名前で「レッド・ショルダー・ホーク」(日本名はカタアカノスリ)というタカの一種が住んでいることから名づけられたそうです。タカは1日にモグラ1匹とネズミ3匹を捕まえると言われており、これら根をかじる動物から畑を守る役割をしています。サスティナブルな栽培をする畑の多くが猛禽類を使っています。
このシャルドネ、マロラクティック発酵なしでずっと作られてきており、フルーツ感と生き生きした酸味を特徴としています。私もナパのシャルドネの中で大好きなもののひとつです。ただ、ワイン造りはここ5年くらいで変わったところもあります。以前は熟成を新樽のみで行っていたのですが、2015年からだんだん新樽率を下げていって、現在は新樽率40%程度になっています。
新樽率が下がったためか、より果実味がくっきりと感じられるようになった感じがあります。オレンジなどの熟度の高い柑橘の風味、酸は高く味わいが口中に広がります。長い余韻。樽の風味は前面に出てこず、背後を支えている印象です。なお、ブドウの収穫時期はBrix24くらいを見極めているとのことでした。それを超えていくとバランスが崩れ、ワインの熟成もあまりしなくなるとのことです。
次のワインはTD-9 2021(1万5000円)。実は今回一番変わったのがこのワイン。品種表示がカベルネ・ソーヴィニョンになったのです。
元々TD-9はメルローの代わりに作られたワインでした。シェーファーのメルローはナパのメルローの中でも人気が高かったのですが、シェーファーにとっては頭痛の種でした。自社畑はあるのですが、収量が安定せず、購入したブドウも合わせて作られており、品質を保つのに苦労していたのです。そこでメルローという縛りをなくして「とにかく美味しいブレンドを」として作ったのがTD-9。名前はシェーファー家がナパに来て最初に買ったトラクターから来ています。
2015年の登場時期はメルローが半分以上入っていましたが、よい品質のワインを突き詰めた結果、次第にカベルネ・ソーヴィニョンの比率が上がり、ついに今回品種名を書くことになりました。これでシェーファーのカベルネソーヴィニヨンは3種類になり、そのエントリーレベルの位置付けです。ワインは8週間前に瓶詰めされたばかりで日本が最初のお披露目です。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン76%、メルロー11%、プティ・ヴェルド10%、マルベック3%。
ブラックベリー、カシスの果実味、カベルネ・ソーヴィニョンが増えたせいか黒鉛ぽさが増しています。ちょっと柔らかさがあるのは、これまでのTD-9を彷彿とさせます。やや強めのタンニンがありますが、非常にこなれています。フルボディでシェーファーらしい味わい。なお熟成は12カ月。新樽100%でアリエルとトロンセという2種類の樽を使っています。
次はワンポイントファイブ2021。セカンドの位置付けのカベルネ・ソーヴィニョンです。ボーダーラインと呼んでいるスタッグス・リープ・ディストリクトの境界線のごくわずか南にある畑のブドウとホームランチのブドウを使っています。実はこの畑も少し拡張しています。ナパでは土砂の流出を防ぐため、斜面の畑の開発はほぼ許可が得られなくなっています。ただ、この畑の敷地の中でこれまでブドウ畑になっていなかったところが2017年の火事で焼けてしまい、植栽がなくなってしまったので、その部分を新たな畑としてブドウを植えられるようになったそうです。なお、今後はアトラス・ピークの畑もワンポイントファイブに加わっていく予定です。
20カ月新樽熟成。セパージュは94%カベルネ・ソーヴィニョン、3%プティ・ヴェルド、 2%メルロー、1%マルベック。7月に瓶詰めしたばかりです。
果実の風味はTD-9に似ていますが、より黒鉛のニュアンスが増えているのと、酸味が強いこと、タンニンがよりきめこまかいのが特徴です。非常に良質のカベルネ・ソーヴィニョン。
最後はフラッグシップのヒルサイドセレクト2018(7万2000円)。値段がまた上がってしまいましたが「オーパス・ワンより25%安いくらいを目指している」とのこと。
ヒルサイドセレクトはホームランチのブドウを100%使っており、セパージュもカベルネ・ソーヴィニョン100%を毎年続けています。このワインを飲むたびに思うのは、「カベルネ・ソーヴィニョンというブドウの美味しさを最高の形で分からせてくれるワイン」だということです。ボルドーのワインはもちろんのこと、ナパの最高級のカベルネ・ソーヴィニョンも多くは複数品種をブレンドしています。それは味わいの安定性(ヴィンテージごとの差異を減らす)ことや、複雑味を出すことなど、目的があってしていることですが、カベルネ・ソーヴィニョンはそれ単体でも素晴らしい味わいなのです。ヒルサイドセレクトはその最高傑作の一つです。
ワンポイントファイブも十分美味しいのですが、ヒルサイドセレクトは香りのレベルが違います。酸もよりしっかりし、完璧なストラクチャーとテクスチャーを持っています。酸が強いのはスタッグスリープの火山性の土壌が寄与しているとのことでした。いつもながら素晴らしいワインです。
なお32カ月新樽熟成し、その後瓶熟1年を経ています。
お肉も堪能しました。
カベルネ・ソーヴィニョン100%の質実剛健な味わいには脂たっぷりの料理よりも、これくらい研ぎ澄まされたシンプルなステーキの方が合うのかもしれないと感じました。
布袋ワインズさん、ありがとうございました。

日本人のワインメーカー桃井隆宏さんが造るアーサー・セラーズのディナーに参加してきました。アーサー・セラーズのワインと六本木「Modanism」のモダンな和食とを組み合わせたワイン会です。
ワインリストは以下の通り
1. Veuve Cliequot NV Brut
2. Arthur Chardonnay Russian River Valley 2019
3. Arthur Pinot Noir Russian River Valley 2021
4. Arthur Pinot Noir Cherry Ridge Vineyard 2021
5. Arthur Pinot Noir Spring Hill Vineyard 2018
6. Arthur Pinot Noir KR Ranch 2019
7. Arthur Pinot Noir Gloria Vineyard 2018
乾杯のスパークリングとシャルドネ1つ以外は5つピノ・ノワールが並びました。
2. Arthur Chardonnay Russian River Valley 2019
シャルドネについては「シャバシャバしたワインは作りたくない」と桃井さんのコメント。フィルターなしでボトリングされています。少し温かさを感じるワイン。中程度の酸味。白桃、塩っぽさも少しあります。ロシアン・リバー・ヴァレーというイメージに合っているワインだと思います。
3. Arthur Pinot Noir Russian River Valley 2021
2020年は山火事とそこからの煙の影響でワインを造るのを断念した桃井さん。ナパの被害の大きさが目立ちますが2020年はソノマも相当程度被害がありました。打って変わって2021年は非常にいいヴィンテージと評価されています。ただ、収量は少なく、ブドウの調達には苦労した面もあったそうです。
ロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワールは「楽しいワインをきちんと作りたい」と思って作ったワインだとの桃井さんのコメント。ロシアン・リバー・ヴァレーらしいリッチなピノ・ノワール。ジューシーな赤果実の風味で飲むと幸せになるワイン。
4. Arthur Pinot Noir Cherry Ridge Vineyard 2021
Cherry Ridgeは近年ワインメーカーとしての評価をめきめきと上げているRoss Cobbが栽培している畑。冷涼なグリーン・ヴァレーにあります。Arthurでこの畑のワインを造るのがこれが最初です。3番と比べるとエレガントですが、キメの細かいタンニンがあり、グリップ感を感じます。複雑さもあり、個人的にはこの日のベストワインでした。
5. Arthur Pinot Noir Spring Hill Vineyard 2018
Spring Hillはペタルマ・ギャップにある畑。風が強くブドウには過酷な環境です。果皮が厚く、タンニンもしっかりしています。Pommartクローンということもあるのか、アメリカン・チェリーのようなダークな果実味を感じます。4番が軽やかさに腰を据えた感じがするのに対して、こちらは最初からずっしりとした感じ。
6. Arthur Pinot Noir KR Ranch 2019
スイス・クローンを使っているという話。同席した方から教わったことによるとスイス・クローンは果実がやや大きめになるとのこと。そのせいか一番赤果実系の味わいを感じます。桃井さんいわく「どの料理にも寄り添うワイン」。バランスよく総合的によくできたワインです。
7. Arthur Pinot Noir Gloria Vineyard 2018
GloriaはFreemanの畑。Freemanのアキコさんと桃井さんとは共にエド・カーツマンにワイン造りを教わった兄妹弟子の関係です。
これは3と同様、やや温かさを感じるワイン。リッチな果実味が美味しいです。うなぎのタレとのマッチングが良かったです。
ワインはもちろんのこと、料理も美味しく堪能しました。
もう1カ月ほど前になりますが、カベルネ・フランの会に参加しました。
ことの発端は、私がFacebookでカベルネ・フランが好きだという話を書いていたのに何人もの方からコメントをいただき、カベルネ・フラン会をやりましょうということになったのですが、最初は持ち寄りでと思っていたところ、カリフォルニアワインの日本でも有数のコレクターの方から、うちでやりませんかというありがたいお声をいただき、プロ並みの料理(というか普通にお金を取ったら大変なことになりそうな高級食材を使ったすごいもの)と合わせて催していただいたのでした。
レアワインのオンパレードとなったこの会のワインを紹介します(というか私の備忘録として書き留めておきます)。
表のラベルを撮り忘れましたが、冒頭の写真の左から2番めです。コリソン(Corison)のSunbasket Vineyardのカベルネ・フラン2014です。普通のコリソンのラベルとは全く違うラベルなので、コリソンと言われなければわからなそうです。カベルネ・フラン100%。
年数的には10年以下ですが、それ以上に熟成を感じます。ハーブやスパイスの風味がここちよく、果実味はレッドチェリーなど赤果実系。温暖なセント・ヘレナの畑ですがカベルネ・ソーヴィニヨンのような重さは全くありません。美味しいなあ…
その次はラ・ホタ(La Jota)のハウエル・マウンテンのカベルネ・フランでヴィンテージはなんと1990年。むちゃくちゃエレガントで品種をきかなかったらピノ・ノワールと思ったかも。さすがにもう強さはなくはかなげな雰囲気ですが、劣化は全くなくとてもきれいな味わいです。こんなワインが飲めて感謝しかありません。
次はこれまたレアなシー・スモーク(Sea Smoke)のスパークリング(開けるときに噴いてしまいました。ほかの人もシー・スモークのスパークリングで同じ経験をしたとのことなので噴きやすいのかも)。ブラン・ド・ノワールです。
次はこの日のハイライトと言っていいでしょう。ハーラン・エステートが「プルミエ・ナパ・ヴァレー」オークション向けに作ったカベルネ・フラン100%のワインです。プルミエ・ナパ・ヴァレーは毎年2月に開催される業界向けのオークション。参加するワイナリーは、最大60本のオークション専用のワインを作ります。ラベルはすべてのワイナリーが共通のものを使います。このワインは1999年の同オークションに出品された「一度限りの」ワインです。
香りが素晴らしいです。ハーラン・エステートと比べると、フランボワーズやザクロのような赤果実の香りをより強く感じます。味わいは濃厚ですが、カベルネ・ソーヴィニヨンのようなずっしりとした重さではなく、軽やかさを感じます。すっきりとした酸もありとてもきれいなワイン。
当初はもう2本、カベルネ・フランを開ける予定でしたが、ハーランの満足感も高く、フランは後1本にしました。Vineyard 29のカベルネ・フラン2014です。この日のフランの中では一番濃厚で黒系果実の風味が強くあります。ただ、やっぱりカベルネ・ソーヴィニヨンとは違う酸の高さがあり、カベルネ・ソーヴィニヨンよりもエレガントな味わいです。
これで一通り終了…だったはずですが、もう一つ違うものを開けましょうとのことでセラー(ウォークインタイプで3方の壁にラックが据えられており所狭しとワインが並んでいます)を物色。お宝ばかりで大興奮(待っていた人たちはいつになったら帰ってくるんだろうt思っていたらしい)しました。その中で、選ばせていただいたのがなんとダイヤモンドクリークの中でも超レアなレイク「Lake」です。ヴィンテージは1987年。同じワインが2本あり、1本ラベルが少し破損していたのでそれをありがたく飲ませていただきました。
超緊張して抜栓する人(笑)。
アルコール度数は12.5%と今の水準では考えられないほど。これもとてもきれいです。もちろん熟成は相当進んでいます。マッシュルームなどの熟成の風味もたっぷり。黒果実がかすかに残っています。この日はエレガントなフランが続いた後だったので、カベルネ・ソーヴィニヨンらしい強さも感じましたが、逆にカベルネ・ソーヴィニヨンがたくさんある中でこれを飲んだらスーパーエレガントに感じたと思います。
この日の料理はカベルネ・フランに合わせて、和食が中心。牛肉もありましたが塩釜焼きで桜の風味がつけてあり、和の要素が強いものでした。
ナパのカベルネ・フラン、数は少なく日本に入っているものも限られており、価格も高いものが中心にはなってしまいますが、カベルネ・ソーヴィニヨンとは違う魅力があります。特にカベルネ・ソーヴィニヨンは飲み疲れてしまう、と思っている人はぜひ試してほしいです。
カベルネ・フランは青臭いワインというイメージをお持ちの方も多いですが、この日のワインで青臭さを感じたことは全くありませんでした。もっとこの魅力を多くの人に知ってほしいです。
ことの発端は、私がFacebookでカベルネ・フランが好きだという話を書いていたのに何人もの方からコメントをいただき、カベルネ・フラン会をやりましょうということになったのですが、最初は持ち寄りでと思っていたところ、カリフォルニアワインの日本でも有数のコレクターの方から、うちでやりませんかというありがたいお声をいただき、プロ並みの料理(というか普通にお金を取ったら大変なことになりそうな高級食材を使ったすごいもの)と合わせて催していただいたのでした。
レアワインのオンパレードとなったこの会のワインを紹介します(というか私の備忘録として書き留めておきます)。
表のラベルを撮り忘れましたが、冒頭の写真の左から2番めです。コリソン(Corison)のSunbasket Vineyardのカベルネ・フラン2014です。普通のコリソンのラベルとは全く違うラベルなので、コリソンと言われなければわからなそうです。カベルネ・フラン100%。
年数的には10年以下ですが、それ以上に熟成を感じます。ハーブやスパイスの風味がここちよく、果実味はレッドチェリーなど赤果実系。温暖なセント・ヘレナの畑ですがカベルネ・ソーヴィニヨンのような重さは全くありません。美味しいなあ…
その次はラ・ホタ(La Jota)のハウエル・マウンテンのカベルネ・フランでヴィンテージはなんと1990年。むちゃくちゃエレガントで品種をきかなかったらピノ・ノワールと思ったかも。さすがにもう強さはなくはかなげな雰囲気ですが、劣化は全くなくとてもきれいな味わいです。こんなワインが飲めて感謝しかありません。
次はこれまたレアなシー・スモーク(Sea Smoke)のスパークリング(開けるときに噴いてしまいました。ほかの人もシー・スモークのスパークリングで同じ経験をしたとのことなので噴きやすいのかも)。ブラン・ド・ノワールです。
次はこの日のハイライトと言っていいでしょう。ハーラン・エステートが「プルミエ・ナパ・ヴァレー」オークション向けに作ったカベルネ・フラン100%のワインです。プルミエ・ナパ・ヴァレーは毎年2月に開催される業界向けのオークション。参加するワイナリーは、最大60本のオークション専用のワインを作ります。ラベルはすべてのワイナリーが共通のものを使います。このワインは1999年の同オークションに出品された「一度限りの」ワインです。
香りが素晴らしいです。ハーラン・エステートと比べると、フランボワーズやザクロのような赤果実の香りをより強く感じます。味わいは濃厚ですが、カベルネ・ソーヴィニヨンのようなずっしりとした重さではなく、軽やかさを感じます。すっきりとした酸もありとてもきれいなワイン。
当初はもう2本、カベルネ・フランを開ける予定でしたが、ハーランの満足感も高く、フランは後1本にしました。Vineyard 29のカベルネ・フラン2014です。この日のフランの中では一番濃厚で黒系果実の風味が強くあります。ただ、やっぱりカベルネ・ソーヴィニヨンとは違う酸の高さがあり、カベルネ・ソーヴィニヨンよりもエレガントな味わいです。
これで一通り終了…だったはずですが、もう一つ違うものを開けましょうとのことでセラー(ウォークインタイプで3方の壁にラックが据えられており所狭しとワインが並んでいます)を物色。お宝ばかりで大興奮(待っていた人たちはいつになったら帰ってくるんだろうt思っていたらしい)しました。その中で、選ばせていただいたのがなんとダイヤモンドクリークの中でも超レアなレイク「Lake」です。ヴィンテージは1987年。同じワインが2本あり、1本ラベルが少し破損していたのでそれをありがたく飲ませていただきました。
超緊張して抜栓する人(笑)。
アルコール度数は12.5%と今の水準では考えられないほど。これもとてもきれいです。もちろん熟成は相当進んでいます。マッシュルームなどの熟成の風味もたっぷり。黒果実がかすかに残っています。この日はエレガントなフランが続いた後だったので、カベルネ・ソーヴィニヨンらしい強さも感じましたが、逆にカベルネ・ソーヴィニヨンがたくさんある中でこれを飲んだらスーパーエレガントに感じたと思います。
この日の料理はカベルネ・フランに合わせて、和食が中心。牛肉もありましたが塩釜焼きで桜の風味がつけてあり、和の要素が強いものでした。
ナパのカベルネ・フラン、数は少なく日本に入っているものも限られており、価格も高いものが中心にはなってしまいますが、カベルネ・ソーヴィニヨンとは違う魅力があります。特にカベルネ・ソーヴィニヨンは飲み疲れてしまう、と思っている人はぜひ試してほしいです。
カベルネ・フランは青臭いワインというイメージをお持ちの方も多いですが、この日のワインで青臭さを感じたことは全くありませんでした。もっとこの魅力を多くの人に知ってほしいです。
ザンダー・ソーレン(Xander Soren)氏の立ち上げたワイナリー「ザンダー・ソーレン」の世界ローンチ・イベントが新宿のパークハイアット東京で開かれ、参加してきました。

ザンダー・ソーレン氏は元アップルのエグゼクティブでiPodやGarageBandなど音楽系の製品開発に長く携わった人。ワイン造りは10年ほど前から始めていましたが、このほど会社を辞め、ワイナリーに専念することになりました。その世界発表の場となったのが東京です。お披露目では、和食のコースにワインを合わせていました。

ワインのラベルも家紋を模したもの(米国西部に咲くフルセラという花にザンダー氏の頭文字の「X」を組み合わせたデザイン)で、ザンダー氏の日本への思い入れの深さがうかがえます。

日本市場に投入されるのは2019年のヴィンテージからになるようですが、お披露目では2012年のワインなど、これまで作ってきたバックヴィンテージのワインもいただきました。なお、ワインはすべてピノ・ノワールです。
ブドウ畑は南はサンタ・バーバラから北はウエスト・ソノマ・コーストまで、カリフォルニアのピノ・ノワールの銘醸地から厳選された、いずれ劣らぬ銘醸畑ばかりです。例えばサンタ・バーバラではサンフォード&ベネディクトやラ・エンカンターダ、サンタ・ルシア・ハイランズではシエラ・マーやロゼラズ、ソノマではオリヴェット・レーンやユーキ・ヴィンヤードのブドウを使っています。ユーキ・ヴィンヤードはフリーマンがウエスト・ソノマ・コーストに持つ畑で、外部のワイナリーに出すのはザンダー・ソーレンが初めてとのことです。
ワインは食事とのペアリングで出されたので、順番はバラバラでしたが、ここではヴィンテージ順に簡単に紹介します。
2012年セントラル・コースト:畑はサンタ・ルシア・ハイランズのシエラ・マーとサンタ・バーバラ(サンタ・リタ・ヒルズ)のエンカンターダ。10年が過ぎて、熟成による旨味や漬物のような味わいも出てきています。カリフォルニアでは果実味が強いせいか熟成しても漬物感があまり出てこないことが多いですが、これはきれいに熟成しています。果実味もほどよく残っていて飲み頃でしょう。
2013年セントラル・コースト:1年の違いですが、レッド・チェリーやザクロのような果実味がより強く残っています。合鴨によく合いました。
2015年セントラル・コースト:ザクロやフランボワーズのやわらかな果実味。ほどよい酸味。腐葉土やマッシュルームのニュアンス。
2019年セントラル・コースト:サンタ・ルシア・ハイランズのロゼラズのブドウも入っている。フランボワーズなどの赤果実に、カシスのような黒果実の風味も加わり、ちょっとダークな味わい。
2019年ユーキ・ヴィンヤード:赤果実の風味が主体で、複雑味もある。数年熟成させるととても良くなりそう。
2019年オリヴェット・レーン:ロシアンリバー・ヴァレーらしい芳醇な味わい。比較的タンニン強く、ボディがしっかりしている。
2020年オリヴェット・レーン:2019年と似ているが、よりタンニンを感じ、グリップ感がある。
2020年Ludeon:Ludeonはフラッグシップの位置づけで、ほかのラベルが白地なのに対してこれだけは黒字になっています。ほかのワインがかなりエレガントな作りであるのに対して、これはかなりボディが強く、濃い味わい。青さを感じたので全房を使っているのかと思ったらそうではないとのこと。おそらくまだワインが若すぎるのだと思います。もう2、3年たってから飲んだほうが良さそうなワイン。

ワインメーカーはウイリアムズ・セリエムやロアーなどで働いていたShalini Sekhar (シャリニ・セイカ ル)という人。どのワインもそれぞれの地域らしさも出たきれいなワインで、とても優秀なワインメーカーだと思います。
生産量は毎年トータルで600ケースくらいというからかなり少なく、日本に入ってくる量もかなり限られていそうですが、探して飲む価値のあるピノ・ノワールだと思います。
日本では布袋ワインズが輸入元になります。
ザンダー・ソーレン : Hotei Wines






パークハイアット東京の和食レストラン「梢」の料理も実に素晴らしかったです。

ザンダー・ソーレン氏は元アップルのエグゼクティブでiPodやGarageBandなど音楽系の製品開発に長く携わった人。ワイン造りは10年ほど前から始めていましたが、このほど会社を辞め、ワイナリーに専念することになりました。その世界発表の場となったのが東京です。お披露目では、和食のコースにワインを合わせていました。

ワインのラベルも家紋を模したもの(米国西部に咲くフルセラという花にザンダー氏の頭文字の「X」を組み合わせたデザイン)で、ザンダー氏の日本への思い入れの深さがうかがえます。

日本市場に投入されるのは2019年のヴィンテージからになるようですが、お披露目では2012年のワインなど、これまで作ってきたバックヴィンテージのワインもいただきました。なお、ワインはすべてピノ・ノワールです。
ブドウ畑は南はサンタ・バーバラから北はウエスト・ソノマ・コーストまで、カリフォルニアのピノ・ノワールの銘醸地から厳選された、いずれ劣らぬ銘醸畑ばかりです。例えばサンタ・バーバラではサンフォード&ベネディクトやラ・エンカンターダ、サンタ・ルシア・ハイランズではシエラ・マーやロゼラズ、ソノマではオリヴェット・レーンやユーキ・ヴィンヤードのブドウを使っています。ユーキ・ヴィンヤードはフリーマンがウエスト・ソノマ・コーストに持つ畑で、外部のワイナリーに出すのはザンダー・ソーレンが初めてとのことです。
ワインは食事とのペアリングで出されたので、順番はバラバラでしたが、ここではヴィンテージ順に簡単に紹介します。
2012年セントラル・コースト:畑はサンタ・ルシア・ハイランズのシエラ・マーとサンタ・バーバラ(サンタ・リタ・ヒルズ)のエンカンターダ。10年が過ぎて、熟成による旨味や漬物のような味わいも出てきています。カリフォルニアでは果実味が強いせいか熟成しても漬物感があまり出てこないことが多いですが、これはきれいに熟成しています。果実味もほどよく残っていて飲み頃でしょう。
2013年セントラル・コースト:1年の違いですが、レッド・チェリーやザクロのような果実味がより強く残っています。合鴨によく合いました。
2015年セントラル・コースト:ザクロやフランボワーズのやわらかな果実味。ほどよい酸味。腐葉土やマッシュルームのニュアンス。
2019年セントラル・コースト:サンタ・ルシア・ハイランズのロゼラズのブドウも入っている。フランボワーズなどの赤果実に、カシスのような黒果実の風味も加わり、ちょっとダークな味わい。
2019年ユーキ・ヴィンヤード:赤果実の風味が主体で、複雑味もある。数年熟成させるととても良くなりそう。
2019年オリヴェット・レーン:ロシアンリバー・ヴァレーらしい芳醇な味わい。比較的タンニン強く、ボディがしっかりしている。
2020年オリヴェット・レーン:2019年と似ているが、よりタンニンを感じ、グリップ感がある。
2020年Ludeon:Ludeonはフラッグシップの位置づけで、ほかのラベルが白地なのに対してこれだけは黒字になっています。ほかのワインがかなりエレガントな作りであるのに対して、これはかなりボディが強く、濃い味わい。青さを感じたので全房を使っているのかと思ったらそうではないとのこと。おそらくまだワインが若すぎるのだと思います。もう2、3年たってから飲んだほうが良さそうなワイン。

ワインメーカーはウイリアムズ・セリエムやロアーなどで働いていたShalini Sekhar (シャリニ・セイカ ル)という人。どのワインもそれぞれの地域らしさも出たきれいなワインで、とても優秀なワインメーカーだと思います。
生産量は毎年トータルで600ケースくらいというからかなり少なく、日本に入ってくる量もかなり限られていそうですが、探して飲む価値のあるピノ・ノワールだと思います。
日本では布袋ワインズが輸入元になります。
ザンダー・ソーレン : Hotei Wines






パークハイアット東京の和食レストラン「梢」の料理も実に素晴らしかったです。
いつもお世話になっているしあわせワイン倶楽部の木之下夫妻と、しあわせワイン倶楽部に寄稿している山本香奈さん、私で食事に行きました。かれこれ2年近く寄稿していますが、こうやって4人で会うのは初めてです。
スパークリングは私のリクエストで、飲んだことがなかったウルトラマリンを持ってきていただきました。しかもロゼ。ヴィンテージは2011年です。
ロゼのスパークリングとしても、かなり濃い色です。香りはいちごジャムのよう。甘やかで蠱惑的な香りが広がります。泡の出方も素晴らしい。飲んでみると、意外と甘やかさは感じず、むしろスッキリと後味に爽やかな余韻が残るほど。これは素晴らしいですね。スパークリング・ワインにはそれほど思い入れを持っていない方なのですが、これは本当に魅力的なワインでした。そして食事とのペアという点でもオールマイティ感があります。中華の前菜や北京ダックにもしっかりと合ってきました。
ちなみにVinousによるとドサージュは6g/リットルだそうです。香奈さんによるとドサージュの甘みは余韻の最後まで甘さとして残るそうですが、果実の甘味はそれがないそうです。たしかにこのウルトラマリンも香りの甘やかさに対して余韻はとてもすっきりしていました。これもまた勉強になりました。
デゴルジュマンは2015年。同じ2011年のスパークリングでももっと最近にデゴルジュマンしたものもあるようです。。
コングスガードのセカンドワイン「キングス・ファーム」のシャルドネ2011年。キングス・ファームは赤しか飲んだことはなく白は初めてでした。ややまったり系のシャルドネで、コングスガードっぽさは意外と感じられなかったですが、いいシャルドネでした。
私が持っていったのはブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール「メルヴィル」2001。自宅セラーの湿気が多いためラベルがむちゃくちゃ年季入っています。
これもきれいに熟成していていいピノ・ノワールでした。アルコール度数が15.6%もあるのですが、それを感じさせないバランスの良さ。美味しくてずっと飲んでいたいピノ・ノワール。
最後はナパのダン1994。ナパ・ヴァレーものですが、大部分がハウエル・マウンテンのブドウです。最近はちょっと作りが変わってきているという話もありますが、このダンも良かったです。バカ山脈のカベルネらしい酸の豊かさと果実味がまだ感じられます。
本当に素晴らしいワインばかりで堪能しました。
スパークリングは私のリクエストで、飲んだことがなかったウルトラマリンを持ってきていただきました。しかもロゼ。ヴィンテージは2011年です。
ロゼのスパークリングとしても、かなり濃い色です。香りはいちごジャムのよう。甘やかで蠱惑的な香りが広がります。泡の出方も素晴らしい。飲んでみると、意外と甘やかさは感じず、むしろスッキリと後味に爽やかな余韻が残るほど。これは素晴らしいですね。スパークリング・ワインにはそれほど思い入れを持っていない方なのですが、これは本当に魅力的なワインでした。そして食事とのペアという点でもオールマイティ感があります。中華の前菜や北京ダックにもしっかりと合ってきました。
ちなみにVinousによるとドサージュは6g/リットルだそうです。香奈さんによるとドサージュの甘みは余韻の最後まで甘さとして残るそうですが、果実の甘味はそれがないそうです。たしかにこのウルトラマリンも香りの甘やかさに対して余韻はとてもすっきりしていました。これもまた勉強になりました。
デゴルジュマンは2015年。同じ2011年のスパークリングでももっと最近にデゴルジュマンしたものもあるようです。。
コングスガードのセカンドワイン「キングス・ファーム」のシャルドネ2011年。キングス・ファームは赤しか飲んだことはなく白は初めてでした。ややまったり系のシャルドネで、コングスガードっぽさは意外と感じられなかったですが、いいシャルドネでした。
私が持っていったのはブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール「メルヴィル」2001。自宅セラーの湿気が多いためラベルがむちゃくちゃ年季入っています。
これもきれいに熟成していていいピノ・ノワールでした。アルコール度数が15.6%もあるのですが、それを感じさせないバランスの良さ。美味しくてずっと飲んでいたいピノ・ノワール。
最後はナパのダン1994。ナパ・ヴァレーものですが、大部分がハウエル・マウンテンのブドウです。最近はちょっと作りが変わってきているという話もありますが、このダンも良かったです。バカ山脈のカベルネらしい酸の豊かさと果実味がまだ感じられます。
本当に素晴らしいワインばかりで堪能しました。
インポーターWine Peopleの千葉さんが東京に来てワイン会を開くというので参加してきました。千葉さんがカリフォルニアで買ったセゲシオ(Seghesio)のバックヴィンテージを飲みましょうというのがメインです。


前哨戦として、シャルドネ2本。チャールズハインツのレイチェル シャルドネ2016とマルティネリのスリーシスターズ シャルドネ2008です。マルティネリは私の持参。
チャールズハインツはカリフォルニアで今一番手に入らないスパークリングワイン「ウルトラマリン」のブドウなどを提供している畑。ソノマコーストの冷涼な地域にあります。2016年と、まだそんなに年数は経っていませんが、意外に熟成感が出ています。
マルティネリのスリーシスターズはマーカッシンにもブドウを提供していた畑。2008年のワインですが、ちょっとピークを超えていたかもしれません。マルティネリらしいぎっしりとした果実味は残っていますが、酸がもっとほしいです。こういうワインは若いうちに飲んだ方がいいような気がしました。


白の後2本はなんとSine Qua Non。2011年のThe Momentと2010年のThe Monkeyです。ブルゴーニュ型のボトルの方がThe Monkey、いかり肩のボトルがThe Momentです。The Monkeyはルーサンヌ58%にヴィオニエ23%、シャルドネ19%。The Momentはルーサンヌ57%、プティマンサンが19%、シャルドネ17%、ヴィオニエ7%。
The Monkeyはルーサンヌの柔らかさにヴィオニエの華やかさがあります。The Momentはルーサンヌのまったりした感じに、プティマンサン由来でしょうか、酸がす~っと入ってきます。The Momentはすごく美味しい。やっぱり酸が通っているかどうかが熟成したときのバランスに大きく効いてくる感じがします。
さて、ジンファンデルは
2009年 ソノマ・カウンティ
2009年 オールド・ヴァインズ
2009年 コルティナ(Cortina) ドライ・クリーク・ヴァレー
2006年 ホーム・ランチ アレキサンダー・ヴァレー
2009年 サン・ロレンゾ ブロック8 アレキサンダー・ヴァレー
というラインアップ。セゲシオはドライ・クリーク・ヴァレーとアレキサンダー・ヴァレーに多くの古木の畑を持っていて、今回のワインも自社畑のブドウを使ったものがメインです。
ソノマ・カウンティとオールド・ヴァインズはどちらもまだかなりフレッシュ感があって驚きました。おそらくリリースしたときはもっと甘やかさがあったのではないかと思いますが、落ち着いた雰囲気になり、美味しいです。オールド・ヴァインズの方が、やはり複雑さがあっていいです。この2つはセゲシオのジンファンデルの中では比較的エントリーになると思いますが、それでもこれだけの実力があるのはさすがです。最近は輸入がなくなってしまって残念ですが、「いいジンファンデル」のお手本的なワイナリーなので、機会があったら飲んでみることをお薦めします。
コルティナは、個人的にはこの日のベスト。ふくよかさと複雑さ、バランスよく深みもあります。ロバート・パーカーはかつて「ジンファンデルは熟成しない」と言って、リッジのポール・ドレイパーがそれに反論して熟成したリッジを飲ませたという話もありましたが、このコルティナを飲んでもやはりジンファンデルもちゃんと熟成すると思います。
最後はアレキサンダー・ヴァレーから。ホームランチは1895年に植えられたセゲシオの中でも古い畑です。コルティナのダークなフルーツの感じに対して、こちらはもっとレッドベリーを感じます。サン・ロレンゾ ブロック8も味わいの系統はよく似ていますが、個人的にはこちらが少し上。あくまで相対的にはということであり、どちらもとても美味しかったです。
最近思っているのは、美味しいジンファンデルが知られていないなあということ。どうしても安いジンファンデルの甘いイメージを持っている人が多いようで…もっといいジンファンデルが知られてほしいと思います。
ところで、この日のワイン会のもう1つのハイライトはマジック。
テーブルにマジシャンの方が来て、カードマジックなどを披露してくれたのですが、間近で見ているのに全くわかりませんでした。特にワイン会メンバーの手の中に入れたカード一式がプラスチックの板に変わっていたのは驚きました。
かなり有名な方だったようです。
ビッグワールド|魔耶一星


前哨戦として、シャルドネ2本。チャールズハインツのレイチェル シャルドネ2016とマルティネリのスリーシスターズ シャルドネ2008です。マルティネリは私の持参。
チャールズハインツはカリフォルニアで今一番手に入らないスパークリングワイン「ウルトラマリン」のブドウなどを提供している畑。ソノマコーストの冷涼な地域にあります。2016年と、まだそんなに年数は経っていませんが、意外に熟成感が出ています。
マルティネリのスリーシスターズはマーカッシンにもブドウを提供していた畑。2008年のワインですが、ちょっとピークを超えていたかもしれません。マルティネリらしいぎっしりとした果実味は残っていますが、酸がもっとほしいです。こういうワインは若いうちに飲んだ方がいいような気がしました。


白の後2本はなんとSine Qua Non。2011年のThe Momentと2010年のThe Monkeyです。ブルゴーニュ型のボトルの方がThe Monkey、いかり肩のボトルがThe Momentです。The Monkeyはルーサンヌ58%にヴィオニエ23%、シャルドネ19%。The Momentはルーサンヌ57%、プティマンサンが19%、シャルドネ17%、ヴィオニエ7%。
The Monkeyはルーサンヌの柔らかさにヴィオニエの華やかさがあります。The Momentはルーサンヌのまったりした感じに、プティマンサン由来でしょうか、酸がす~っと入ってきます。The Momentはすごく美味しい。やっぱり酸が通っているかどうかが熟成したときのバランスに大きく効いてくる感じがします。
さて、ジンファンデルは
2009年 ソノマ・カウンティ
2009年 オールド・ヴァインズ
2009年 コルティナ(Cortina) ドライ・クリーク・ヴァレー
2006年 ホーム・ランチ アレキサンダー・ヴァレー
2009年 サン・ロレンゾ ブロック8 アレキサンダー・ヴァレー
というラインアップ。セゲシオはドライ・クリーク・ヴァレーとアレキサンダー・ヴァレーに多くの古木の畑を持っていて、今回のワインも自社畑のブドウを使ったものがメインです。
ソノマ・カウンティとオールド・ヴァインズはどちらもまだかなりフレッシュ感があって驚きました。おそらくリリースしたときはもっと甘やかさがあったのではないかと思いますが、落ち着いた雰囲気になり、美味しいです。オールド・ヴァインズの方が、やはり複雑さがあっていいです。この2つはセゲシオのジンファンデルの中では比較的エントリーになると思いますが、それでもこれだけの実力があるのはさすがです。最近は輸入がなくなってしまって残念ですが、「いいジンファンデル」のお手本的なワイナリーなので、機会があったら飲んでみることをお薦めします。
コルティナは、個人的にはこの日のベスト。ふくよかさと複雑さ、バランスよく深みもあります。ロバート・パーカーはかつて「ジンファンデルは熟成しない」と言って、リッジのポール・ドレイパーがそれに反論して熟成したリッジを飲ませたという話もありましたが、このコルティナを飲んでもやはりジンファンデルもちゃんと熟成すると思います。
最後はアレキサンダー・ヴァレーから。ホームランチは1895年に植えられたセゲシオの中でも古い畑です。コルティナのダークなフルーツの感じに対して、こちらはもっとレッドベリーを感じます。サン・ロレンゾ ブロック8も味わいの系統はよく似ていますが、個人的にはこちらが少し上。あくまで相対的にはということであり、どちらもとても美味しかったです。
最近思っているのは、美味しいジンファンデルが知られていないなあということ。どうしても安いジンファンデルの甘いイメージを持っている人が多いようで…もっといいジンファンデルが知られてほしいと思います。
ところで、この日のワイン会のもう1つのハイライトはマジック。
テーブルにマジシャンの方が来て、カードマジックなどを披露してくれたのですが、間近で見ているのに全くわかりませんでした。特にワイン会メンバーの手の中に入れたカード一式がプラスチックの板に変わっていたのは驚きました。
かなり有名な方だったようです。
ビッグワールド|魔耶一星
すき焼きの老舗「人形町今半」が、毎年1月24日の牛肉記念日(明治天皇が初めて牛肉を食べた日だそうです)にすき焼きの食べ放題を行うイベントに行ってきました。店は永田町にある「紀尾井町ガーデンテラス店」。人形町今半の店の中には、お店の人が肉を焼いてくれる店と自分で焼く店がありますが、ここはお店の人が焼いてくれる店です。


この日は、すごい量の肉が消費されるので肉の産地も複数あるそうですが、今回は青森の肉だったそうです。

肉は3枚120gが通常の1人前。今回の価格(1万4300円、税込み)は大体1人前を食べたときの価格です。というわけで2人前以上食べれば元はしっかり取れる計算です。


事前にワインを持ち込めるか聞いたところ1本3000円で持ち込めるということだったので、1996年のエチュード(Etude)カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレーを持っていきました。その昔、ワイナリーで買ったワインです。個人的には非常に思い出深く、またワイナリーでテイスティングした中でも最も印象的だったワイン。もちろん、このころはまだトニー・ソーターが作っています。
ピークを過ぎていないかちょっと心配だったのですが、非常に素晴らしいです。まだ果実味もありますし、熟成によって革やマッシュルームの風味も出てきています。ボリューム感もほどよくあって牛肉に負けていません。ちょっと気が早すぎますが、今年のベストワインと言っても過言ではなさそう。
さて、肝心の牛肉ですが、結局4人で36枚ほどを食べました。私は11~12枚、4人前近くを食べたようです。途中から、くずだれとスダチでさっぱりいただいたので、そこそこ食べられました(最高20枚食べた人もいるそうです)。肉を食べるのが中心だったので、ワインは1本でちょうど足りました。
席を取るのはかなり大変なこの日ですが、がんばった甲斐がありました。


この日は、すごい量の肉が消費されるので肉の産地も複数あるそうですが、今回は青森の肉だったそうです。

肉は3枚120gが通常の1人前。今回の価格(1万4300円、税込み)は大体1人前を食べたときの価格です。というわけで2人前以上食べれば元はしっかり取れる計算です。


事前にワインを持ち込めるか聞いたところ1本3000円で持ち込めるということだったので、1996年のエチュード(Etude)カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレーを持っていきました。その昔、ワイナリーで買ったワインです。個人的には非常に思い出深く、またワイナリーでテイスティングした中でも最も印象的だったワイン。もちろん、このころはまだトニー・ソーターが作っています。
ピークを過ぎていないかちょっと心配だったのですが、非常に素晴らしいです。まだ果実味もありますし、熟成によって革やマッシュルームの風味も出てきています。ボリューム感もほどよくあって牛肉に負けていません。ちょっと気が早すぎますが、今年のベストワインと言っても過言ではなさそう。
さて、肝心の牛肉ですが、結局4人で36枚ほどを食べました。私は11~12枚、4人前近くを食べたようです。途中から、くずだれとスダチでさっぱりいただいたので、そこそこ食べられました(最高20枚食べた人もいるそうです)。肉を食べるのが中心だったので、ワインは1本でちょうど足りました。
席を取るのはかなり大変なこの日ですが、がんばった甲斐がありました。
アルノー・ロバーツ(Arnot-Roberts)はダンカン・アルノー・メイヤーズ(Duncan Arnot Meyers)とネイサン・リー・ロバーツ(Nathan Lee Roberts)が2001年に設立したワイナリです。2人はナパで育った幼なじみ。ネイサンは父親が樽の製造業者を営んでおり、祖母が故ロバート・モンダヴィの夫人だった故マルグリット・モンダヴィというワイン関係の家系。一方ダンカンは父親が弁護士というワインとは関係のない家庭で育ち、一時はプロの自転車乗りを目指していました。後にCaymus、Groth、Acacia、Kongsgaardといったナパのワイナリで働いていました。
2001年に共にワインを作り始めましたが、最初は1樽と、ごくごく趣味的なレベルでした。2002年には1万ドルを集め4樽醸造。だんだんと商業レベルになっていきました。転機になったのが2005年。この年は気温が低く、ブドウがそれまでの年よりも熟成していない状態でした。ところがシラーのできが非常に良かったことから、その後も収穫時期を早くしてバランスの取れたワイン・スタイルを目指すようになりました。
その後、ジョン・ボネによる「ニュー・カリフォルニア・ワイン」の冒頭で大きく取り上げられるなどで注目されるようになりました。
今回は
2019 ロゼ(トゥリガ・ナショナル100%)
2013 シャルドネ ワトソン・ランチ
2014 シャルドネ ワトソン・ランチ
2018 ジンファンデル キルシェンマン・ヴィンヤード
2019 ジンファンデル キルシェンマン・ヴィンヤード
2017 トゥルソー
2021 トゥルソー-ピノ・ノワール
2013 ピノ・ノワール ピーター・マーティン・レイ サンタ・クルーズ・マウンテンズ
2014 ピノ・ノワール ピーター・マーティン・レイ サンタ・クルーズ・マウンテンズ
2013 ピノ・ノワール リーガン・ヴィンヤード サンタ・クルーズ・マウンテンズ
2014 ピノ・ノワール リーガン・ヴィンヤード サンタ・クルーズ・マウンテンズ
というラインアップ。同じワインのヴィンテージ違いなどを中心に味わいました。日本に輸入が始まったのが2015年ヴィンテージからなので、日本未輸入のものが大半です。


2013と2014の比較が3種類のワインでありました。一般的には2013年の方が暑い年となっていますが、ワインを飲んでみると意外と2013の方が酸がしっかりしていることもあります。収穫時期による影響もありそうですが、あまり細かい資料はないのでよくわかりません。
最初のロゼはトゥリガ・ナショナル100%というもの。花の香りがチャーミング。
シャルドネのワトソン・ランチはナパの最南部アメリカン・キャニオンにある畑。涼しいと言われるカーネロスよりも南東にあたり、かなり冷涼なところと想像できます。特に2013のシャルドネはレモンを絞ったようなキリッとした酸があり、個人的には非常に好印象でした。2014の方がややまったりとした味わいです。
ジンファンデルはローダイのキルシェンマン・ヴィンヤードのもの。この畑はターリー・ワイン・セラーズのワインメーカーであるティーガン・パサラクアが個人として所有している畑です。1915年植樹でカリニャン、サンソー、モンデュース・ノワールがフィールドブレンドで少量植わっています。2018も2019もおそらく95%くらいの人はジンファンデルとは思わないだろうというくらいのエレガントさ。その中でも2018は少し甘やかさがあって時間とともにじわじわジンファンデルらしさも出てきました。2019はややタンニンもありちょっとむずかしいワインという印象。
トゥルソーはアルノー・ロバーツの数あるワインの中でも人気の高いもの。2017年のトゥルソーは軽やかさと柔らかさを感じるワイン。こういうワインをどう表現したらいいのかはいまだによくわかっていませんが、アントニオ・ガッローニは「Dried cherry, wild flowers, rosewater, savory herbs」と書いていて、今から思うとなるほどなあという感じ。ワイルドフラワーとかローズウォーターとかテイスティング・コメントで使ったことなかったです。畑はレイク・カウンティの方にあるLuchsinger Vineyardだそうです。
2021年はトゥルソーとピノ・ノワールのブレンド(トゥルソーのみのものも作っているそうです)。よりチェリー感がましてチャーミングな味わい。ブラインドで品種を当てるのは無理でしょうね。あえていうなら、ヴァルディギエあたり?
最後はピノ・ノワール4本。ピーター・マーティン・レイ、リーガン(どちらもサンタ・クルーズ・マウンテンズ)の2013、2014という水平垂直です。サンタ・クルーズ・マウンテンズの中と言っても、畑の場所は結構違います。ピーター・マーティン・レイは名前の通り、伝説のワインメーカー「マーティン・レイ」が持っていた畑。マーティン・レイのワイナリーは現在マウント・エデンが引き継いでいますが、一部の畑を子孫が継いだようで、その畑です。場所もマウント・エデンの近くだと思いますが、サンタ・クルーズ・マウンテンズの中では一番サンフランシスコ・ベイよりのところ。おそらく山頂よりも内側なので、霧もあまりかからず、サンタ・クルーズ・マウンテンズの中では比較的温かいところだと思います。
一方、リーガンはサンタ・クルーズの街の東の方。こちらは太平洋からの霧がかなり早い時間からかかると思います。
ワインの味わいでもリーガンの方がやはりエレガント。ピーター・マーティン・レイの方が少しふくよかさがあります。特に2014年はよりまったりした印象。リーガンの冷たい感じはカリフォルニアのピノ・ノワールとしてはかなり稀でしょう。2013年のリーガンが一番好み。
アルノー・ロバーツのピノ・ノワールは意外とあまり飲んでことがなかったので、とても貴重な経験でした。
最後に料理の写真を上げておきます。お店はイルドコリンヌ。





2001年に共にワインを作り始めましたが、最初は1樽と、ごくごく趣味的なレベルでした。2002年には1万ドルを集め4樽醸造。だんだんと商業レベルになっていきました。転機になったのが2005年。この年は気温が低く、ブドウがそれまでの年よりも熟成していない状態でした。ところがシラーのできが非常に良かったことから、その後も収穫時期を早くしてバランスの取れたワイン・スタイルを目指すようになりました。
その後、ジョン・ボネによる「ニュー・カリフォルニア・ワイン」の冒頭で大きく取り上げられるなどで注目されるようになりました。
今回は
2019 ロゼ(トゥリガ・ナショナル100%)
2013 シャルドネ ワトソン・ランチ
2014 シャルドネ ワトソン・ランチ
2018 ジンファンデル キルシェンマン・ヴィンヤード
2019 ジンファンデル キルシェンマン・ヴィンヤード
2017 トゥルソー
2021 トゥルソー-ピノ・ノワール
2013 ピノ・ノワール ピーター・マーティン・レイ サンタ・クルーズ・マウンテンズ
2014 ピノ・ノワール ピーター・マーティン・レイ サンタ・クルーズ・マウンテンズ
2013 ピノ・ノワール リーガン・ヴィンヤード サンタ・クルーズ・マウンテンズ
2014 ピノ・ノワール リーガン・ヴィンヤード サンタ・クルーズ・マウンテンズ
というラインアップ。同じワインのヴィンテージ違いなどを中心に味わいました。日本に輸入が始まったのが2015年ヴィンテージからなので、日本未輸入のものが大半です。


2013と2014の比較が3種類のワインでありました。一般的には2013年の方が暑い年となっていますが、ワインを飲んでみると意外と2013の方が酸がしっかりしていることもあります。収穫時期による影響もありそうですが、あまり細かい資料はないのでよくわかりません。
最初のロゼはトゥリガ・ナショナル100%というもの。花の香りがチャーミング。
シャルドネのワトソン・ランチはナパの最南部アメリカン・キャニオンにある畑。涼しいと言われるカーネロスよりも南東にあたり、かなり冷涼なところと想像できます。特に2013のシャルドネはレモンを絞ったようなキリッとした酸があり、個人的には非常に好印象でした。2014の方がややまったりとした味わいです。
ジンファンデルはローダイのキルシェンマン・ヴィンヤードのもの。この畑はターリー・ワイン・セラーズのワインメーカーであるティーガン・パサラクアが個人として所有している畑です。1915年植樹でカリニャン、サンソー、モンデュース・ノワールがフィールドブレンドで少量植わっています。2018も2019もおそらく95%くらいの人はジンファンデルとは思わないだろうというくらいのエレガントさ。その中でも2018は少し甘やかさがあって時間とともにじわじわジンファンデルらしさも出てきました。2019はややタンニンもありちょっとむずかしいワインという印象。
トゥルソーはアルノー・ロバーツの数あるワインの中でも人気の高いもの。2017年のトゥルソーは軽やかさと柔らかさを感じるワイン。こういうワインをどう表現したらいいのかはいまだによくわかっていませんが、アントニオ・ガッローニは「Dried cherry, wild flowers, rosewater, savory herbs」と書いていて、今から思うとなるほどなあという感じ。ワイルドフラワーとかローズウォーターとかテイスティング・コメントで使ったことなかったです。畑はレイク・カウンティの方にあるLuchsinger Vineyardだそうです。
2021年はトゥルソーとピノ・ノワールのブレンド(トゥルソーのみのものも作っているそうです)。よりチェリー感がましてチャーミングな味わい。ブラインドで品種を当てるのは無理でしょうね。あえていうなら、ヴァルディギエあたり?
最後はピノ・ノワール4本。ピーター・マーティン・レイ、リーガン(どちらもサンタ・クルーズ・マウンテンズ)の2013、2014という水平垂直です。サンタ・クルーズ・マウンテンズの中と言っても、畑の場所は結構違います。ピーター・マーティン・レイは名前の通り、伝説のワインメーカー「マーティン・レイ」が持っていた畑。マーティン・レイのワイナリーは現在マウント・エデンが引き継いでいますが、一部の畑を子孫が継いだようで、その畑です。場所もマウント・エデンの近くだと思いますが、サンタ・クルーズ・マウンテンズの中では一番サンフランシスコ・ベイよりのところ。おそらく山頂よりも内側なので、霧もあまりかからず、サンタ・クルーズ・マウンテンズの中では比較的温かいところだと思います。
一方、リーガンはサンタ・クルーズの街の東の方。こちらは太平洋からの霧がかなり早い時間からかかると思います。
ワインの味わいでもリーガンの方がやはりエレガント。ピーター・マーティン・レイの方が少しふくよかさがあります。特に2014年はよりまったりした印象。リーガンの冷たい感じはカリフォルニアのピノ・ノワールとしてはかなり稀でしょう。2013年のリーガンが一番好み。
アルノー・ロバーツのピノ・ノワールは意外とあまり飲んでことがなかったので、とても貴重な経験でした。
最後に料理の写真を上げておきます。お店はイルドコリンヌ。





