いつもは年内にやっているのですが,なんとなく書き忘れていたので,今更になってしまいますが,一応2008年の10大ニュースを挙げておきます。

10位●Sine Qua Non日本に正式入荷,WA100点で「フィーバー」
 Sine Qua Nonは生産量が少なく,日本へは並行輸入の形でかなり高額なものが一部入って来るだけだったので,知る人ぞ知るに近いワイナリだったと思います。それがAtlantisが輸入代理店から正規ルートで入ってきたうえ,Wine Advocate誌でRobert Parkerがそのシラーに100点を付けたので一気に話題になりました。インタビュー記事なども紹介する機会がありました。

9位●COPIA破綻
 経営状態が良くなさそうなのは,たまに聞こえてくるニュースでも明らかだったわけですが,いざ破綻となると,鳴り物入りでできたときを思い出し,時代の変遷を感じずにはいられません。

8位●「サイドウェイ」日本語版撮影
 これはどちらかというと今年に期待するネタですね。ナパでサイドウェイの日本語版を撮影しているということで,鈴木京香などがロケに行っていたようです。俳優ネタは検索で結構飛んできます。

7位●Montelena買収騒動
 ナパの名門Chateau MontelenaをボルドーのCosが買収するという話が持ち上がりました。背景にあるのはユーロ高。米国の退潮を感じさせるニュースだったわけですが,その後経済は二転三転。結局契約の金額を払えなかったようで,買収の話は頓挫してしまいました。それが明らかになる前日に読売新聞がCosの代表者のインタビューを掲載して,ちょっとまぬけなことになってしまいました。

6位●Wine Advocate誌に日本・アジア担当が着任
 Lisa Perrotti-Brownさんがアジア担当になりました。他の地域の担当と異なり,その地域のワインを紹介するというより,アジアで流通している欧州や米州などのワインを紹介したり,アジアのレストランや料理とワインの紹介など,ワインライフ的なものが今のところ中心のようです。

5位●Crushpad快進撃続く
 Crushpadが順調に伸びているようです。米国ではユーザーから900万ドルを調達したなんていうニュースもありましたし,一昨年の話になりますが,日本支社も誕生して,島田紳助などがワインを作っています。今年もいろいろな形でニュースに登場しそうです。

4位●採用相次ぐ太陽光発電
 世界的に見ると,米国は太陽光発電など再生可能エネルギーの利用には熱心でない国なわけですが,カリフォルニアのワイナリでは「Sustainable」なワイン作りの一環として相変わらず人気があります。原油価格が一時と比べると随分下がっているなど逆風もありますが,政権も変わることだし,この流れは止まらないだろうと思っています。

3位●Caleraの好調続く
 2007年に突如復権したCaleraですが,一時の人気ではなく何回も話題になりました。特にDancyuのワイン大賞に選ばれたMt. Harlan Pinot Noir 2006はあっという間に市場から消えてしまいました。あまり話題にはなりませんでしたが,このワイン,実は2種類あるということも判明しました。

2位●Wine Spectator偽レストラン問題で名を下げる
 Wine Spectator誌がRestaurant Awardで架空のレストランを掲載してしまったことが明らかになりました。その後の対応も高飛車なもので,同賞の重みは紙のように軽くなってしまいました。

1位●Robert Mondavi逝去
 ナパを代表する偉人だったRobert Mondaviが亡くなりました。このところの衰えは顕著でしたが,やはり亡くなるとなると感無量です。Robert Mondaviがワイナリを売却せざるを得なくなった理由の一つが,さまざまな寄付によるものだったことが明らかになり,その代表格のCOPIAが破綻してしまったことも哀れを誘います。