俗にいう「パーカー・ポイント」で知られるWine Advocate誌でRobert ParkerからAntonio Galloniに大幅な移譲が行われることが発表されました。

これまでイタリアとシャンパーニュの担当だったGalloniは,今後はカリフォルニアとブルゴーニュのコート・ドール,シャブリも担当するようになります。これでParkerの担当範囲はボルドーとローヌだけになります。また古いヴィンテージの試飲については両地域およびカリフォルニアを担当します。例えばあるワイナリの垂直試飲といったテーマ性の高いものをやっていくようです。また,これまで十分にカバーしていなかったボジョレーとマコネはDavid Schildknechtが担当範囲とすることも発表されました。

これを受けてAntonio Galloniは,少なくとも2011年に関してはカリフォルニアの公開スケジュールはRobert Parkerのときとほぼ同じであるということを表明しており,またこれまであまりカバーしていないワイナリも追加していく意向を示しました。ブルゴーニュに関しては,ボトリング時期が生産者によってバラバラなため,訪問回数を多くし,大特集のほかに小さな記事をいくつか書いていきたいとのことです。

Wine Advocate誌は1978年にRobert Parkerが創刊したニューズレター形式の雑誌。広告を取らずにワインを100点法で客観的に分析することを特徴としています。特に1982年のボルドーを他の評論家が懐疑的なうちに最高の出来だと評して,その後のワイン業界をリードするようになりました。1996年にPierre A. Rovaniをレビュワーに加えてそれまでの一人体制から変わり,2005年にRovaniがやめてからは現在の多人数体制になっています。それでもこれまではPakerがメインでプラスその他のレビュワーという感じでしたが,今回の移譲によってGalloniがメインのレビュワーになると思います。

日本ではこれまでパーカーが点を付けていないものでもWine Advocate誌に載ったものは「パーカー・ポイント」ととすることが慣行的に行われてきましたが,これを機会にワイン・アドヴォケイトあるいはWAのポイントと改めることを期待します。

【追記】2011年は2月の193号でパーカーが北カリフォルニアのPart2を書き,6月の195号ではGalloniがカリフォルニアのセントラル・コーストとローヌ・レンジャーを,パーカーが1995年のナパ・カベルネをレビューします。年末の198号ではGalloniが北カリフォルニアをレビューする予定になっています。