Tony Soter(トニー・ソーター)とMia Klein(ミア・クライン)は1990年代、共同で多くのワイナリのワインメーカーやコンサルタントを務めました。ハイジ・バレットの後を受けてDalla Valleのワインメーカーになったほか、AraujoやViaderといった錚々たるワイナリでもワインメーカー/コンサルタントを引き受けていました。

Tony Soter
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トニー・ソーターは大学では哲学を学んだ人。ワイン作りについて正式に学んだことはないものの1975年にナパに来て様々なワイナリで修行を積み1980年代からコンサルタントを始めました。また、自身のワイナリであるEtude(勉強の意)は1980年に開始しています。Etudeのきっかけは、Oakvilleから余っているピノ・ノワールを売りに来たのを買ったこと。以来ピノ・ノワールを主な品種として作っています。

一方、ミア・クラインは1962年に南カリフォルニアで生まれ、高校の最上級生のときにサンフランシスコに引っ越してきました。そこでワインショップのアルバイトをしたのがきっかけになり、ワイン作りを志すことに。UC Davisの醸造学科に進学しました。

1983年に卒業した後は、当時女性ワインメーカーの草分け的存在だったCathy Corison(キャシー・コリソン)が働くChappellet(シャペレー)に雇われ、次にRobert Pepiで働きました。

Robert Pepiでトニー・ソーターに出会い、独立したワインメーカー/コンサルタントへの道を歩み始めました。1990年のことです。以後約10年間、2人は共同で多くのワイナリのワインメーカー/コンサルタントをしました。特にViaderやAraujoではワイナリの初期から携わっています。また、前述のようにDalla Valleではハイジ・バレットを引き継ぐという難しい役割でしたが、評判を落とすことなくやり遂げました。

トニー・ソーターは1997年に妻の生まれ故郷であるオレゴンに畑を買ってSoter Vineyardsを立ち上げ、1999年にはEtudeとSoter以外のコンサルタントから手を引き、すべてミア・クラインに譲りました。Etudeも2001年に売却。ワインメーカーとしては残りましたが、2005年ころには完全に手を離してSoterに専念するようになりました。

一方、ミア・クラインは1991年に自身のワイナリSeleneを立ち上げ。FisherやBresslerなどのプレミアムなワイナリのワインメーカー/コンサルタントも続けています。またFood & Wine誌では2003年に「Winemaker of the Year」に選ばれています。

Spottswoode 1982(Soter)-1991
Shafer 1986(Soter)-?
Viader 1988(Soter)-1997
Dalla Valle 1989-2006?
Araujo 1991-1998
Niebaum-Coppola 1991-?

トニー・ソーター単独
Etude 1982-2005?
Niebaum-Coppola 1992?-?
Shafer ?-?
Soter(オレゴン) 1997-現在

ミア・クライン単独
Selene 1991-現在
Fisher 2000-?
Bressler 2000-現在
Boyanci 2006-現在
Palmaz 2002?-現在