日本が唯一のマスター・オブ・ワインを失ったわけ」の記事は、おかげさまで2日で1万7000ビューという、このブログのほぼ1カ月分(笑)のアクセスをいただきました。Facebookの「いいね!」も3000を超えました。公開する前は、「せっかく許可をいただいて訳すのに全然反応がなかったらどうしよう」とちょっと心配していたのですが、予想以上に多くの人に読んでいただけているようです。

Twitterでの感想や、はてブ、Gunosyのコメントなど気づいた範囲でできるだけ拝見しております。一番アクセスが多いFacebookでは、私がフォローや友達になっているところは分かりますが、そうでない場合はどなたにシェアいただいたか分からないので残念ながら分からない部分が多くあります。

厳しいコメント、暖かいコメント、さまざまいただいた中で、一番いいなと思ったものを紹介いたします。大阪のワインショップWassy'sの鷲谷良亮さんが書いたものです(許可いただいております)。特に、ネッド氏の記事を読んで「あー、この人ただめんどくさくなって日本から逃げただけなんじゃない」と思った人に見ていただけたらと思います。

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ネッドと私の出逢いはワッシーズのオープン頃に遡るのでもう15年は前だと思います。フーデックスの会場で当時ワッシーズで共同輸入していた某イタリアワインの生産者ブースでした、トスカーナやピエモンテのブースに人だかりができるなか、私がいたシチリアブースは閑散としていました。そこに突然、日本語を喋るガイジンが入ってきて熱心にテイスティング「これオイシイと思う、どこで買える?」と名刺交換したのがネッドでした。
その後も、ワインに関係ある無しに係らずなぜか、ところどころで再会し、オーストリアツアーも一緒にまわったり地元の居酒屋を探検したりと、なぜか縁のある付き合いで、その折にふれて彼のワイン観について聞いていました。その考え一言で言うと

「ワインは味、ブランドやラベルじゃない」

なので、、、マーケティングで売れている、歴史的な知名度でうれているワイン、大して美味しくないワインを口先のコメントとか怪しい理論を振りかざして売っている業界関係者、等に対しては常に辛辣な意見をもってましたが、、、そのベースにあるのは。 
自分はお客様を楽しませるためにワインを売っているので、お客様は美味しいワインを欲しているのであって、決してラベルや歴史や薀蓄を望んでいるのでは無い、ほんとうに美味しいワイン見つけて紹介するのが重要と言う考えでした、彼の怒りはお客様を裏切っている業界関係者に対する怒りでした、それは最初にあったときから一切ブレの無い彼の意見でした。

良く考えればなぜネッドがMWを目指したか?と言う話しはした事がありませんでしたが、最近のカレをみているとMWになる事で、閉塞した今の状況を変えられるかも知れない、考えているのかな~と思う所はありました。で、実際にカレはMWになりました。
これはホンマニ凄い事です。頭のええ人が本気で勉強して何年もかかっても合格できない事もある位難しいんです、世界中にたった300人程度しか居ない本当のワインのプロです。
なのに、、日本のワイン業界では彼の偉業はほぼ取り上げられる事もなく、何かの意見も求められる事もありませんでした。
MWになれば、日本のワイン業界はオレの話しをもっと聞いてくれる、、どこかでネッドはそう思っていたんだと思います。しかし現実は彼が記事に書いたとおりで、、、
もうオレができる事は無い。。と思ってもしゃあ無いよね。日本の事は好きやしずっと居たいと言うてましたが、好きな国に必要ないと言われたら。。さすがに居てられないよね。

と言うわけで今回の記事、、、批判うけるやろーな~(ーー;)
私は彼なりの(毒のある)愛情表現やと思ってます。
これで目を覚ませ!と言うてる気がします。
結構どぎつい事かいてますし、ヒドイ事も言うてますけど。。。。
コレまで経緯に免じて怒りは割り引いて読んであげて下さい。

これからも私もネッドもワイン業界にいるので、また世界のどこかでひょっこり出会うと思います。こう言う不器用な事しか出来ない(と私は思っている)ネッドはこれからも私の大事な友達です。
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