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ソノマの主要業界団体であるソノマ郡ワイングロワーズ(Sonoma County Winegrowers)とソノマ郡ヴィントナーズ(Sonoma County Vintners)が共同で「ワイン産業改善地区計画」(Wine Improvement District=WID)の導入を提案しており、それが生産者の間で物議を醸しています。

ワイン需要の停滞によって、ソノマも大きな影響を受けています。それへの対策として導入を図っているのがこのWIDで、ワイナリーのテイスティングルームの売り上げから1~2%の課徴金を徴収するというものです。WIDの運営委員会は、1%課徴金を課したときに年間で400万ドルを生み出すと試算しています。この資金はソノマのマーケティング活動に使われる見込みです。

これまでに南カリフォルニアのテメキュラ・ヴァレーでWIDが導入されて、成果を上げたと言われています。

これに対して、小規模なワイナリーを中心に反対の声が上がっています。

反対の理由は
・課徴金は消費者から徴収するため、消費者のワイン離れを一層進めてしまうかもしれない
・テイスティング・ルームでの売り上げが大きな比率になる小規模なワイナリーほど負担が大きくなる
といったところになります。また、大きなワイナリーの中でも、ジャクソン・ファミリー・ワインズは、小規模な生産者が反対するものには反対しないという立場です。

クラリス・ワイン・カンパニーのアダム・リーは、WIDへの嘆願書をChange.orgで公開しており、今現在706名が反対している状態です。
オンライン署名 · PETITION AGAINST THE WINE IMPROVEMENT DISTRICT (WID) IN SONOMA COUNTY - アメリカ合衆国 · Change.org

この嘆願書によると、成功していると言われているテメキュラにおいても、実は成功していると言われるのは数字の綾であるとのことです。

今後、WIDが承認されるには、生産量に基づいて加重された投票で51%のワイナリーが賛成する必要があり、その後、郡の監督委員会と9つの自治体の市議会の承認が必要と、まだまだ手順が多くあります。承認までには数年かかる可かもしれません。