輸入開始、白ワインのみの実力派ワイナリーと上質ローヌ系ワイナリー
アイコニックワイン・ジャパンが新たに輸入を始めたマッシカン(Massican)とデナー(Denner)のワインを試飲してきました。
マッシカンは2009年にダン・ペトロスキー(Dan Petroski)が設立。ナパにありながら白ワインだけを作っているというユニークなワイナリーです。畑は持たず、購入したブドウでワインを造っています。特に自らのルーツであるイタリア原産の品種を使ったワインを得意としています。2019年にはワイン・エンスージアストの年間7位に選ばれるなど実力も折り紙付き。2023年には、E&Jガロに買収されて注目を浴びました。
ガロというと、昔ながらの低価格な「ジャグワイン」や、近年だと濃厚スタイルで人気の「ダークマター」など、マッシカンと対極的なワインの印象が強いですが、実はプレミアムなブレンドも多く抱えているのです。ただ、マッシカンの場合は、畑を持っておらず、ダン・ペトロスキーの才能とコネクションだけが頼りです。なお、ペトロスキーには5年間はマッシカンに在籍しないといけないという条件が課せられています。
ワインは右のジェミーナ(Gemmina)2023から試飲しました。60%グレコ、23%ファランギーナ、17%フィアーノという構成。価格は7900円。酸がきれいでホワイトペッパーなどのスパイスが印象的。ライムのような酸味が素晴らしい。
左のアニアはトカイ・フリウラーノ43%、リボッラ・ジャッラ34%、シャルドネ23%というユニークな構成。ジェミーナと比べると少し酸が低く、グリップ感のある味わい。アニスやグレープフルーツ、紫蘇などのハーブの味わいを感じます。6800円。
個人的にはジェミーナのキリっとした酸が好きです。マッシカンはラベルもセンス良くワインも個性的で美味しく、試していただきたいワインです。
もう一つのデナー・ヴィンヤーズはパソ・ロブレスのウィロー・クリーク・ディストリクトAVAにあります。

温暖なパソ・ロブレスですが、ウィロー・クリークは比較的太平洋に近く、テンプルトン・ギャップという山の切れ目からの風も入ります。標高も300~600mほどと比較的高く、パソ・ロブレスの中では冷涼な地域になります。2005年にロン・デナーが設立しました。認証は取っていませんが有機栽培やサスティナブルを実践し、天然酵母のみで発酵させるナチュラルな造りのワインです。シラーなどローヌ系品種のワインではパソ・ロブレスの中でもトップクラスの評価を得ているワイナリーです。ここも現在はガロの傘下に入っています。
ワインは2021年のものが4種類。ヴィオニエ、ディッチ・ディガー(Ditch Digger)というグルナッシュなどのブレンド、ダート・ウォーシッパー(Dirt Worshipper)というシラー中心のブレンド、マザー・オブ・エグザイル(Mother of Exile)というカベルネ系のブレンドです。
ヴィオニエ(11000円)は花の香りに厚みのあるボディ。白桃のトロっとしたテクスチャーが魅力的。どちらかというとフルボディのヴィオニエです。
ディッチ・ディガー(16800円)は今回一番驚いたワイン。パソ・ロブレスとは思えないほど、というと失礼な言い方ですが、エレガントさが際立っています。33%グルナッシュ、32%ムールヴェードル、22%シラー、5%サンソー、4%クノワーズ、2%タナ、2%カリニャン。ジューシーでザクロやレッド・チェリーなどの赤果実がきれいに広がります。ちょっと塩っぽい印象が全体を引き締めます。カリフォルニアのグルナッシュ系ワインでここまできれいなものは初めてです。
ダート・ウォーシッパー(16800円)は以前別ヴィンテージを飲んだことがあり、品質の高さは体験済みです。第一印象はスパイシー、黒コショウやコリアンダーなどのスパイスの風味が広がります。スミレの香り、ブルーベリー。フルボディですが、酸も高くパワフルというよりはエレガントな印象。ローヌ系を得意とするジェブ・ダナックが97点を付けただけのことはあります。88%シラーで、2番目に多いのがプティ・ヴェルドの7%というのがユニークです。
最後のマザー・オブ・エグザイル(16800円)はパソ・ロブレスのカベルネとしては酸が高くエレガント。スミレや赤と青の果実。ボディもおだやかでタンニンが全体を引き締めています。81%カベルネ・ソーヴィニョン、12%プティ・ヴェルド、4%カベルネ・フラン、3%タナ。
高級ローヌ系は、なかなか国内では評価されるのが難しい分野ですが、品質の高いワインなので、売れてほしいと思います。
マッシカンは2009年にダン・ペトロスキー(Dan Petroski)が設立。ナパにありながら白ワインだけを作っているというユニークなワイナリーです。畑は持たず、購入したブドウでワインを造っています。特に自らのルーツであるイタリア原産の品種を使ったワインを得意としています。2019年にはワイン・エンスージアストの年間7位に選ばれるなど実力も折り紙付き。2023年には、E&Jガロに買収されて注目を浴びました。
ガロというと、昔ながらの低価格な「ジャグワイン」や、近年だと濃厚スタイルで人気の「ダークマター」など、マッシカンと対極的なワインの印象が強いですが、実はプレミアムなブレンドも多く抱えているのです。ただ、マッシカンの場合は、畑を持っておらず、ダン・ペトロスキーの才能とコネクションだけが頼りです。なお、ペトロスキーには5年間はマッシカンに在籍しないといけないという条件が課せられています。
ワインは右のジェミーナ(Gemmina)2023から試飲しました。60%グレコ、23%ファランギーナ、17%フィアーノという構成。価格は7900円。酸がきれいでホワイトペッパーなどのスパイスが印象的。ライムのような酸味が素晴らしい。
左のアニアはトカイ・フリウラーノ43%、リボッラ・ジャッラ34%、シャルドネ23%というユニークな構成。ジェミーナと比べると少し酸が低く、グリップ感のある味わい。アニスやグレープフルーツ、紫蘇などのハーブの味わいを感じます。6800円。
個人的にはジェミーナのキリっとした酸が好きです。マッシカンはラベルもセンス良くワインも個性的で美味しく、試していただきたいワインです。
もう一つのデナー・ヴィンヤーズはパソ・ロブレスのウィロー・クリーク・ディストリクトAVAにあります。

温暖なパソ・ロブレスですが、ウィロー・クリークは比較的太平洋に近く、テンプルトン・ギャップという山の切れ目からの風も入ります。標高も300~600mほどと比較的高く、パソ・ロブレスの中では冷涼な地域になります。2005年にロン・デナーが設立しました。認証は取っていませんが有機栽培やサスティナブルを実践し、天然酵母のみで発酵させるナチュラルな造りのワインです。シラーなどローヌ系品種のワインではパソ・ロブレスの中でもトップクラスの評価を得ているワイナリーです。ここも現在はガロの傘下に入っています。
ワインは2021年のものが4種類。ヴィオニエ、ディッチ・ディガー(Ditch Digger)というグルナッシュなどのブレンド、ダート・ウォーシッパー(Dirt Worshipper)というシラー中心のブレンド、マザー・オブ・エグザイル(Mother of Exile)というカベルネ系のブレンドです。
ヴィオニエ(11000円)は花の香りに厚みのあるボディ。白桃のトロっとしたテクスチャーが魅力的。どちらかというとフルボディのヴィオニエです。
ディッチ・ディガー(16800円)は今回一番驚いたワイン。パソ・ロブレスとは思えないほど、というと失礼な言い方ですが、エレガントさが際立っています。33%グルナッシュ、32%ムールヴェードル、22%シラー、5%サンソー、4%クノワーズ、2%タナ、2%カリニャン。ジューシーでザクロやレッド・チェリーなどの赤果実がきれいに広がります。ちょっと塩っぽい印象が全体を引き締めます。カリフォルニアのグルナッシュ系ワインでここまできれいなものは初めてです。
ダート・ウォーシッパー(16800円)は以前別ヴィンテージを飲んだことがあり、品質の高さは体験済みです。第一印象はスパイシー、黒コショウやコリアンダーなどのスパイスの風味が広がります。スミレの香り、ブルーベリー。フルボディですが、酸も高くパワフルというよりはエレガントな印象。ローヌ系を得意とするジェブ・ダナックが97点を付けただけのことはあります。88%シラーで、2番目に多いのがプティ・ヴェルドの7%というのがユニークです。
最後のマザー・オブ・エグザイル(16800円)はパソ・ロブレスのカベルネとしては酸が高くエレガント。スミレや赤と青の果実。ボディもおだやかでタンニンが全体を引き締めています。81%カベルネ・ソーヴィニョン、12%プティ・ヴェルド、4%カベルネ・フラン、3%タナ。
高級ローヌ系は、なかなか国内では評価されるのが難しい分野ですが、品質の高いワインなので、売れてほしいと思います。