賛否渦巻く「ワイン産業改善地区計画」
先日、ソノマ郡の「ワイン産業改善地区計画(WID)」に対して反対の声が上がっているという記事を書きました(物議を醸すソノマの「ワイン産業改善地区計画」)。実は、同様の計画は様々な郡で提案されており、既に実行に移されているところもあります。
ワイン・サーチャーではW.ブレイク・グレイ氏がこっらの動きをまとめた記事を書いています(Sonoma County Puts Wine Tax on Hold)。この記事によると、ソノマ郡での計画は現在一時保留という形になっているそうです。ソノマ・カウンティ・ヴィントナーズのマイケル・ヘイニー氏が辞任を表明するなど、将来の見通しは不透明です。
リバモア・ヴァレーとテメキュラでは2021年にWIDが設立されています。ローダイでも現在検討が進んでいます。
ローダイでは現在ワイナリーの直売に対して1.5%の課税を検討しており、3分の2ほどのワイナリーが賛成していますが、反対の声も根強くあります。興味深いのは、ローダイ・ワインという業界団体の活動資金は、実はワイン栽培農家だけが負担しており、ワイナリーは資金を提供していません。これは、ローダイが元々栽培家が多い地域だったということに由来していますが、ワイナリーだけがただ乗りする形は健全とは言えない気がします。
サンタ・クルーズ・マウンテンズではサンタ・クルーズ・マウンテンズ・ワイン生産者協会(SCMWA)がワイナリーのダイレクトセールスに1%の特別賦課金を加える案を提案。今月、サンタクルーズ郡監督委員会で承認されました。サンタ・クルーズ・マウンテンズはサンタクルーズ郡のほか、サンマテオ郡、サンタクララ郡にまたがっていますが、これらの郡に所属するワイナリーにも、サンタ・クルーズ郡と同様に運用することが定められています。
一方で、モントレーでは、業界団体の「モントレー郡ワイン生産者協会」自体が解散することが決定しました。これは郡全体のプロモーションを行う組織が存在しなくなるということです。サンタ・ルシア・ハイランズなど、AVAの業界団体はありますが、モントレーとして統括するところがなくなるのは地域としては大きな打撃のはずです。
カリフォルニアワインの消費動向レポートを毎年作成しているシリコンバレーバンクのロブ・マクミラン氏は、ワイン産業改善地区計画への反対の声に対してがっかりしているといいます。マクミラン氏はワインを宣伝する全米レベルのマーケティング・キャンペーン「WineRAMP」をコロナ禍で進めていましたが、最終的に資金が得られずに諦めた経験があります。このときはワインの売り上げがまだ右肩上がりで、マクミラン氏はそれが遠からず減少に転じると考えてこれを始めようとしたのですが、理解は得られませんでした。現在はこの3年間で売り上げが1割減っているという減速が明らかな状況ですが、それでもこの動きが進まないことに失望しています。
「ソノマで提案されているWIDに対する反応は、私にとってまたしても失望です。これはWineRAMPでの経験の繰り返しですが、今回は、変化のために何らかの行動を起こす必要があることは疑いようもないのに、反射的な反対運動が起きているのです」
ワイン・サーチャーではW.ブレイク・グレイ氏がこっらの動きをまとめた記事を書いています(Sonoma County Puts Wine Tax on Hold)。この記事によると、ソノマ郡での計画は現在一時保留という形になっているそうです。ソノマ・カウンティ・ヴィントナーズのマイケル・ヘイニー氏が辞任を表明するなど、将来の見通しは不透明です。
リバモア・ヴァレーとテメキュラでは2021年にWIDが設立されています。ローダイでも現在検討が進んでいます。
ローダイでは現在ワイナリーの直売に対して1.5%の課税を検討しており、3分の2ほどのワイナリーが賛成していますが、反対の声も根強くあります。興味深いのは、ローダイ・ワインという業界団体の活動資金は、実はワイン栽培農家だけが負担しており、ワイナリーは資金を提供していません。これは、ローダイが元々栽培家が多い地域だったということに由来していますが、ワイナリーだけがただ乗りする形は健全とは言えない気がします。
サンタ・クルーズ・マウンテンズではサンタ・クルーズ・マウンテンズ・ワイン生産者協会(SCMWA)がワイナリーのダイレクトセールスに1%の特別賦課金を加える案を提案。今月、サンタクルーズ郡監督委員会で承認されました。サンタ・クルーズ・マウンテンズはサンタクルーズ郡のほか、サンマテオ郡、サンタクララ郡にまたがっていますが、これらの郡に所属するワイナリーにも、サンタ・クルーズ郡と同様に運用することが定められています。
一方で、モントレーでは、業界団体の「モントレー郡ワイン生産者協会」自体が解散することが決定しました。これは郡全体のプロモーションを行う組織が存在しなくなるということです。サンタ・ルシア・ハイランズなど、AVAの業界団体はありますが、モントレーとして統括するところがなくなるのは地域としては大きな打撃のはずです。
カリフォルニアワインの消費動向レポートを毎年作成しているシリコンバレーバンクのロブ・マクミラン氏は、ワイン産業改善地区計画への反対の声に対してがっかりしているといいます。マクミラン氏はワインを宣伝する全米レベルのマーケティング・キャンペーン「WineRAMP」をコロナ禍で進めていましたが、最終的に資金が得られずに諦めた経験があります。このときはワインの売り上げがまだ右肩上がりで、マクミラン氏はそれが遠からず減少に転じると考えてこれを始めようとしたのですが、理解は得られませんでした。現在はこの3年間で売り上げが1割減っているという減速が明らかな状況ですが、それでもこの動きが進まないことに失望しています。
「ソノマで提案されているWIDに対する反応は、私にとってまたしても失望です。これはWineRAMPでの経験の繰り返しですが、今回は、変化のために何らかの行動を起こす必要があることは疑いようもないのに、反射的な反対運動が起きているのです」