イタリアで開催されたVinitalyというイベントにおいて、コルクとスクリューキャップのワインのどちらがよく熟成しているかの、プロによるブラインド・テイスティングが開催されました(Screwcap triumphs in maturation test)。

Cap collection
(写真は今回のワインとは無関係です)

その結果、勝者はスクリューキャップ。コルク派にとってはかなりショッキングな結果となりました。特に、イタリアでは2012年までDOCGに格付けされるワインではスクリューキャップの使用が禁止されており、この結果には驚いた人が多かったようです。

ワインはいずれもオーストラリア産のもので
Henschke Hill of Grace Shiraz 2004
Cullen Diana Madeline Cabernet Sauvignon/Merlot 2004
同2005
Yalumba The Signature Cabernet Sauvignon/Shiraz 2003
Brokenwood Rayner Shiraz 2001
の5種。いずれもコルクとスクリューキャップの両方のものが供されています。

ブラインド・テイスティングしたのはイタリアのソムリエやパナマのワイン専門家、アルゼンチンのソムリエなど各国の専門家です。

イベントを主催したのはオーストラリア人のタイソン・ステルツァーというワイン・ライター。14冊の本を書いており、Wine SpectatorやDecanterなど数々の雑誌に寄稿、国際的な賞も何回も受賞している人です。また、Vinitalyというのはイタリア最大のワイン・イベントだそうです。

スクリューキャップはワインのコルク臭(TCA汚染)の問題が広がった2000年代初期に、解決策として注目されるようになりました。特に、オーストラリアやニュージーランドでは大半のワインがスクリューキャップを利用するようになっています。

一方で、スクリューキャップは全く空気を通さないためコルクよりも熟成しないのではないかという意見も多くでました。実際にこれまで見た記事では、スクリューキャップのワインはフレッシュさを保つ一方で、熟成していかない、としたものがほとんどでした。

近年では、コルクの品質が向上し、以前ほどTCA汚染の問題も取りざたされなくなっていることから、スクリューキャップの採用は進んでいないように思います。

今回の結果がスクリューキャップへの意識を変えるきっかけになるのかもしれません。