モーガン・ピーターソン
ベッドロックのモーガン・ピーターソンへのインタビュー第2弾です。ベッドロックといえば有名なのが「古木の畑」を使ったワインです。畑についていろいろと聞きました。

モーガン:Bedrock Vineyardでは、合計で24種類のブドウが植わっています。これは、畑を歩きまわってブドウの品種を1つずつ調べることでわかりました。品種がはっきりしない場合は、UC DavisでDNA鑑定をしてもらうこともあります。

――どうして、いろいろな種類のブドウを1つの畑に植えたのでしょうか。

モーガン:19世紀に多くのカリフォルニアの畑がフィロキセラでやられました。その後を植え替えるときに、いろいろな品種とルートストックを組み合わせてトライ・アンド・エラーしていたのではないか、というのが1つの理由と考えています。

モーガン:また、1960年代以前は、カリフォルニアではヴァラエタル・ワインというものはありませんでした。ChablisやCalifornia Burgundyなどのジェネリックな名前でワインが作られていました。そのため、特定のブドウ品種というよりも、一定のワインのスタイルを作るために品種を混ぜたという理由もあるようです。

――古木の畑というとジンファンデルが中心になっていますが、その理由は何でしょうか。

モーガン:当時はジンファンデルが人気が高かったと考えています。生産者側からすると、収量が多かったというのも理由ではないかと思っています。

――白ワインの古木もあるのですか。

モーガン:白ワインの古木は非常に少ないです。Bedrockが扱っているCompagni Portis Vineyardは1954年に植えられたもので、白ワインの中では古い畑です。

――古木の畑でブドウの種類はどれくらい見つかっていますか。

モーガン:Bedrock Vineyardでは24種類ですが、Bedrockが扱っている畑全体だと50を超えます。

――ブドウの樹は何歳くらいまで生きるのでしょうか。

モーガン:スペインなどでは樹齢200年を超えるような畑もあります。カリフォルニアでは前述のフィロキセラの理由によって1860年より古い畑はほとんどありませんが、200年くらいの樹齢まで生きる可能性はあるでしょう。

モーガン:ただ、そういう畑は砂地であったりと、いろいろと条件も必要になりそうです。また、ブドウ品種によっても寿命は違います。プチ・シラーは比較的短く、カリニャンやグルナッシュは長いようです。

――さまざまな品種が1つの畑に植わっていると、完熟するタイミングはバラバラになるのではないかと思います。それらは別々に収穫するのでしょうか。

モーガン:Bedrockでは様々な品種があっても一度に収穫してしまいます。当然、未熟なものや、過熟気味の果実もありますが、選果は最低限にして、一緒に発酵させます。それを受け入れることが多様性を生むのではないかと考えています。

大学では歴史の勉強をしていたというモーガン・ピーターソン。古木の畑については古い文献を調べるなど、歴史的にも多くのことを調べているようです。このテーマに関しては、特に熱が入っているような気がしました。