マスター・ソムリエと並んで、ワイン業界の最難関の資格と言われているマスター・オブ・ワイン。2017年9月に合格した14人の中にベッドロック(Bedrock)のモーガン・ピーターソンが含まれていました。
モーガン・ピーターソン
マスター・オブ・ワインは全世界で368人という狭い門で、そのうち半分以上が地元英国在住です。米国在住は2番めに多く、それでも46人。

モーガン・ピーターソンはカリフォルニア在住のワインメーカーとしては初のマスター・オブ・ワインとなりました。実は今回は比較的ワインメーカーが数多く合格しており、ほかにワシントン州のワラワラにあるRasa Vineyardsの創設者/ワインメーカーであるYashodhan (Billo) Naravane、E.&J.ガロのインターナショナル・ワイン・グループの長であるNigel Sneyd、コンステレーション・ブランズ傘下のニューヨーク州のCanandaigua Wineryや、自身のTrestle Thirty Oneでワインメーカーを務めるNova Cadamatreが合格しています。ノヴァは女性のワインメーカーとしては初のマスター・オブ・ワインです。

マスター・オブ・ワインになるには学科での合格のほか、テイスティングのテストに受かること、そして最後に研究論文が認められることが必要となっています。

モーガン・ピーターソンの場合は研究論文は「19世紀後期に植樹されたカリフォルニアの古樹の残る畑と現代の栽培における関連性―1888年植樹のベッドロック・ヴィンヤードを基にして」。大学で歴史を学び、Historic Vineyard Societyの発起人でもあるモーガンのまさに得意とするところです。論文もぜひ読んでみたいところです。

ちなみに、Nigel Sneydの論文は普通の透明なボトルと紫外線保護した透明なボトルとで、ドライな白とロゼワインの味わいがどう違うかを官能検査および化学的に調べたもの、Nova Cadamatreの論文は樽の洗浄に関するもの、Yashodhan (Billo) Naravaneは二酸化窒素をオレゴンのピノ・ノワールとワシントン・シラーにおいて高分子色素形成を促進するために、発行前に積極的に使えるかどうか、といったものです。

他のワインメーカーが化学的なアプローチを中心としているのに対して、モーガンは歴史的、やはりそこにモーガンらしさが現れているのだと思います。

おめでとうございます。