The Drinks Businessの記事によると、ボンド(Bond)の2017年の生産量は12~17%ほど減るそうです(Bond Estates’ 2017 vintage production drops 17%)。エステート・ディレクターのスコット・グールド氏によると、それでも他のワイナリーよりは被害が少ないのではないかとのことです。
Bond
収穫減の理由はもちろん2017年10月に起こった火事。畑が焼けるといった被害はなかったものの、長期間煙にいぶされたブドウがあったことや、補助電源を持っていなかったワイナリーではタンクの中で長時間発酵が止まってしまったことなどが原因となっています。

ただ、生産量の増減は、この年に限らずつきものであり、豊作だった2012年は2800ケースだったのに対し、旱魃の影響が大きかった2015年は1900ケースだったなど、想定の範囲内ではあるようです。

グールド氏によると、それよりも頭を悩ませているのは、貿易の問題。トランプ大統領が3月22日に鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動し、中国はそれに対する報復措置として翌日、様々な米国産の製品の関税を上げると発表しています。これによってワインも15%の関税がかかることになります。

アジア市場に力を入れているボンドにとって、これは由々しき問題。現状はまだ日本の方が中国と香港を合わせたよりも大きいそうですが、成長している市場だけに痛手はかなりありそうです。

個人的には、米国と中国の間がこじれることは、より安定した日本の市場を重視してくれることにつながるのではないかと、逆に期待したくなる面もないわけではないですが、鉄鋼とアルミニウムの問題は日本にも降り掛かっているわけであり、日本も中国と同じように報復的な措置が始まらないとも限りません。米国のTPP離脱はやはり痛かったと思います。