米国では9つの州とワシントンDCで許可されているマリファナの娯楽使用。1980年代から2000年台初頭生まれのミレニアル世代では既にアルコールよりもマリファナを好む人が多くなっているというデータも出ています(Why millennials prefer cannabis to booze: ‘Zero enjoyment out of drinking’ - MarketWatch)。

マリファナ使用が許される州が増えていることによって、規制も緩んできているということもありそうです。イリノイ州では医療用のマリファナだけが解禁されていますが、シカゴでは1グラム18ドルほどで入手が可能とのこと(これは米国の中ではかなり高価なようです)。記事に出てきた若者はそれまで週に数回、30ドルから50ドルお酒に使ってきたのが、マリファナ派に転向した今では1カ月に30ドル以下で済んでいるとのこと。

ワイン業界の中には、ミレニアル世代の多くが学生ローンによる借金を抱えており、生活が苦しいことがワインのような高額な酒に向かわない理由として分析する向きもありますが、若者に言わせるとお酒は退屈で、二日酔いもあることなどが避ける理由になっているようです。マリファナも一人で吸うよりも友人たちと吸うソーシャライズのためのものになっており、お酒の役割は減りつつあるようです。

このほか、ミレニアル世代はスターバックスコーヒーのように、自分だけのカスタマイズができるものを好むという説もあります。大量生産のビールであったり、「パーカーが高得点を付けたワイン」といった一種画一的なものを「退屈」とみなす傾向は多分にありそうです。

日本ではマリファナが解禁になることはまだまだ遠い先でしょうが、アルコール業界全体にとって、もはや避けては通れない問題になりつつあります。