ワイン・スペクテーターにベッドロックの自社畑であるベッドロック・ヴィンヤードのワイン「ベッドロック・ヘリテージ」の垂直試飲の記事が掲載されていました(Heritage Zinfandels: A Bedrock Vineyard Vertical Tasting | Wine Spectator)。

カリフォルニアの貴重な財産、古木の世界」の記事でもベッドロックについて取り上げていますが、オーナーのモーガン・ピーターソンのマスター・オブ・ワインの論文のテーマがこの畑の分析でした。1880年代に作られた畑で、ジンファンデルのほか、カリニャンやプティ・シラー、マタロ(ムールヴェードル)など10種類を超えるブドウが植わっています。

2004年にモーガンの父でレイヴェンズウッドの創設者であるジョエル・ピーターソンが購入し、2007年からベッドロックとして単一畑のワインを作っています。

今回の垂直試飲では2011年から2017年までを試飲しており、2011年と2016年に最高の96点がついています。ワイン・スペクテーターではジンファンデル系のワインでこれまで最高の得点が96点で、カーライルが取っているだけでした。これでベッドロックも名実ともにカリフォルニアのジンファンデルのトップの称号を得たといってもいいかもしれません。なお、2016年のものは昨年のワイン・スペクテーター年間トップ10に選ばれています。

また、2011年という気温が低く、比較的評価の低いヴィンテージのワインに高評価が付いたのも面白いところだと思います。ジンファンデル系のワインはどうしても過熟気味になり、アルコール度数も高くなりがちなので、冷涼な年の方がそれが抑えられるという面もあるのかもしれません。

このところ、前述の古木の記事、セミナーで暑かったリッジ「アカデミー・デュ・ヴァン3回目」、生産者が来日したスリー「100年超の畑のワインが3000円! 歴史伝えるワイナリー「スリー」」と古木関連のことが相次いでいますが、タイミングよくこの記事もでてきました。そういう流れなのでしょうか。

ベッドロックついでにもう一つニュースを書いておくと、レイヴェンズウッドのフラッグシップとして知られていたオールド・ヒル・ランチ。1850年代に開墾が始まった、現存するカリフォルニアで一番古い畑と言われています。ここのワインをベッドロックが作り始めました。オールド・ヒル・ランチ、近年の評価はあまりぱっとしていませんが、ベッドロックのワインとして生まれ変わることで、また大きく評価が変わるかもしれません。モーガンは「自分たちが作った最高のワインの一つだ」と評しています。