ナパで有名な地域というとオークヴィルやラザフォード、スタッグス・リープ・ディストリクトあたりがまず思いつくでしょうか。ただ、このあたりは既にほぼ開発しつくされてしまっていて、新たな畑を作るのはほぼ不可能です。プリチャード・ヒルなど山の方ならば開発できる余地はありそうですが、近年は環境保全がうるさくなっていて、一定以上の斜度の斜面は開発できないなど、なかなか難しくなっています。

また、温暖化が進んでカベルネ・ソーヴィニヨンの適地探しもますます難しくなっていますが、その中で今注目されているのがクームスヴィル(Coomsville)です。ナパの南東端にあり、海から近いため、比較的冷涼ですが、バカ山脈の南端にも当たっており、標高が高いところは比較的温暖でカベルネ・ソーヴィニヨンなどにも向く地域となっています。ここのカベルネ・ソーヴィニヨンはナパの中では比較的果実味が抑えめで、ストラクチャーのあるワインになる傾向があります。

ちなみにシャルドネではコングスガード(Kongsgaard)の「ザ・ジャッジ」の畑がクームスヴィル。カリフォルニア最高のシャルドネを生み出す地域でもあるわけです。

この地域に力を入れているワイナリーの例としては、シルバラード、ファヴィア、ポール・ホブズなどがあります。

メテオールのカベルネ・ソーヴィニヨン2013はパーカー97点の傑作。3月11日まで半額で1万3500円になっています。

シルヴァラードはクームスヴィルに自社畑を持っており、秀逸なカベルネ・ソーヴィニヨンを作っています。

スクリーミング・イーグルなどでワインメーカーを努めた人気のアンディ・エリクソン(最近ではコンステレーション・ブランズのト・カロンの新しいワイナリーのワインメーカーに抜擢されています)の自身のブランドがファヴィア。その本拠地がクームスヴィルにあり、クームスヴィルのワインにも力を入れています。

最後はポール・ホブズ。ナパではベクストファー・ト・カロンなど購入ブドウのワインが中心ですが、クームスヴィルでは自社畑を開発してワインを作っています。価格は高いですが、クオリティも高いです。