マスター・ソムリエ協会にはびこるセクハラ、NYタイムズが告発」で紹介したNYタイムズ紙の記事に呼応して、米国のマスター・ソムリエ協会が2回にわたってステートメントを出しています。最初のステートメントは記事のすぐ後に出たもので、告発した女性を讃え、このことを大目に見るようなことはしないと述べています。次のステートメントでは、各人の告発内容について第三者委員会で調べており、ジェフ・クルースはメンバーを退任し、資格を剥奪すること、ギルドソムとの関係は切ることなどを述べています。





また、米国の女性マスター・ソムリエ全員の連名によるコメントも出ています。内容はマスター・ソムリエ協会のメンバーとして、今回告発した女性たちに謝罪し、これから協会を変革していく決意を表明しています。



また、Laura Maniec Fiorvantiというマスター・ソムリエは現状の協会には自浄能力が欠けているとして、会員を一時停止すると表明しています。



これらの動きを受けてNYタイムズも続報を書いています(Elite Wine Group Suspends Master Sommeliers - The New York Times)。

ただ、マスター・ソムリエの狭き門をくぐるには、候補者はマスター・ソムリエと師弟関係を結んで行かざるを得ないという状況があり、それが性的な関係への第一歩となっています。協会のポリシーとしては、それらが問題となって明るみに出ない限りは禁止するつもりはありません。女性の候補者は、そういった関係が避けられないと考えています。

この構造が続く限り、同じようなことは繰り返し起こりそうな気がします。

また、米国では映画「SOMM」をきっかけにマスター・ソムリエ志願者が急増したということも背景にありそうですが、他の国では問題がないのか、ということも気になります。日本のソムリエは比較的女性も多く、まだ健全そうに見えますが大丈夫でしょうか。