ワイン・アドヴォケイト前編集長のリサ、新しいメディアを立ち上げへ」という記事で、リサ・ペロッティ・ブラウンが新しいワインメディアを立ち上げる話を書きましたが、この件についてW.ブレイク・グレイ氏が2016年に起こった「日本酒リスト漏洩疑惑」を解く鍵になるのではないかと述べています(The Gray Report: Lisa Perrotti-Brown makes some interesting accusations, and maybe solves the Wine Advocate sake mystery)。

この件をご存知な方はあまり多くないと思いますが、詳しくは「Wine Advocate、日本酒リスト漏洩疑惑まとめ」をご覧ください。当サイトとしてはこのころかなり熱心に取り組んだテーマの一つですが、残念ながら日本のワイン界ではほとんど話題になることなく終わってしまいました(そういえばこの件で某国のテレビ局のインタビューを受けたことがありましたが、あれはどうなったんだろう?)。

リサ・ペロッティ・ブラウンは新メディア設立のコメントの中で既存メディアが中立とは言えないということで2つの例を挙げています。一つは特別なフィーを払った会社に対しては、一般に記事を公開するよりも先に情報を出すことがあること。もう一つはメディアが主催するイベントでスポンサーになる会社に対していいスコアを出すこと。リサ・ペロッティ・ブラウンがこれまで働いたワインメディアはワイン・アドヴォケイトだけなので、グレイ氏は、これはいずれもワイン・アドヴォケイトが実際にやっていることではないかと推測しています。

その上で、日本酒のリストが事前に漏れていたと考えられる点についても、このような「特別なフィー」を払った会社だったからではないかと推測しています。

やっと出たWine Advocateの日本酒レビュー漏洩疑公式声明」によると、ワイン・アドヴォケイトの正式なコメントとしては事前にリストが漏洩した事実はなく、レビュアーがその会社に、一部の日本酒についての技術的情報の入手を依頼したからだとしています。

いろいろなことが曖昧なまま、うやむやにされたこの問題、気がついたら、当時のレビュアーもいつのまにか消されていますし、残念ながら日本酒のレビューも継続されていません。

疑惑の渦中にあった会社でもかつて働いていたことがあるリサ・ペロッティ・ブラウン、新メディアのクリーンなイメージを追求するのであれば、過去の問題についてもきちんと説明してほしいとは思います。