柳屋にジェームス・ブライアント・ヒル(James Bryant Hill)ピノ・ノワールの2020年が入荷しています。

以前に「1000円台で予想外においしかったピノ・ノワール」で紹介したワインの新ヴィンテージですが、2020年は柳屋によると、より好印象のよう。

葡萄の育ちの良さを感じる、照りのある輝き。
芳醇で密度の高いブラックチェリーや完熟プラムの果実味に適度なボリューム感。
甘味には上品さが、またピノとしては豊富にあるタンニンからのほろ苦味があり、ジャミーな果実との調和が見事。
カリ・ピノにとってジャミーとはあまり良い表現ではない…と受け取られる方もおられるかもしれませんが、このジャミーさは素敵です。
極めて舌触りが滑らかで味わいも多彩。しかも厚みのある旨みが感じられ、いつもの豊満で芳醇なフルーツ旨味はそのままに、甘味自体は’19年より少し抑えられた印象。
そこにシナモンやユーカリ、赤いバラなどが漂い、またアフターに向かって土やしっとりした森の匂いも感じられ、フルーティなだけでなく、今年は複雑味もあります。

このワイン、前の記事でも書いてますが、モントレーでコスパワインといえばここ、というシャイド・ファミリーのブランドの一つです。畑はすべてサスティナブル。有機への転換も図っており、工場のように大量生産で安くしているイメージではありません。

ワイン・サーチャーによる平均価格は15ドルですから現在の為替レートでは税抜きで2000円超。柳屋の税込み1800円台の方がかなり安くなります。

2000円以下のカリフォルニアのピノ・ノワールの中ではぴか一と言っていいでしょう。お薦めです。