ソノマのサンジャコモ・ヴィンヤードの創設者の1人であるアンジェロ・サンジャコモが2月27日、亡くなりました。92歳でした。ご冥福をお祈りします。


サンジャコモ家はソノマで果樹園を営んでいましたが、1960年代にアンジェロが中心となってブドウ栽培を始めました。現在ではカーネロスを中心に1600エーカー(約650ヘクタール)の広大な畑を持っています。ワイナリーのクライアントは80に及び、2016年からは自社のワイナリーも始めています。現在はアンジェロの3人の子供が経営しています。

サンジャコモといえば、ベッドロックのモーガン・トゥエイン・ピーターソンとのエピソードも忘れられません。モーガンもアンジェロの死を悼んで、そのエピソードを投稿しています。

モーガンがまだ5歳のとき、父のジョエル・ピーターソンに「ピノ・ノワールを作りたい」と言ったところ、ジョエルが「どこからブドウを調達するのか」と聞きました。モーガンの返事は「アンジェロ。彼はたくさんピノ・ノワールを作っている」。
それで自転車で5分くらいのところにあるアンジェロの家に行って、質問攻めにしたところ、アンジェロはていねいに一つずつモーガンの質問に答えてくれたそうです。それでピノ・ノワールを買えるかどうかとモーガンが聞いたところ、500kgのブドウが家に届きました。しかも請求書もなく。モーガンはそれでピノ・ノワールを作り、地元のレストランに納入しました。この関係はモーガンが大学に入って家を離れるまで続きました。請求書は一度も来なかったそうです。

彼のような寛大な精神を皆が持てば世界はより良くなるのにとモーガンは書いています。
RIP


先日のセミナーで1番人気だったサンジャコモのピノ・ノワール。生産者はノリア(中村セラーズ)。