オレゴンという地名からマルベックを想像する人も、マルベックという品種からオレゴンを想像する人もほとんどいないと思いますが、オレゴンの南部でマルベックが密かに広がってきています(The New Frontier for American Malbec)。
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オレゴンというと広大なウィラメット・ヴァレーが有名ですが、その南にあるアンプクア・ヴァレー(Umpqua Valley)や、オレゴンの最南部にあたるローグ・ヴァレー(Roque Valley)がその地域。

マルベックが最初に植えられたのは1960年代。単一品種としてワインに使われるようになったのは1990年代終わり頃からです。現在オレゴン全体で300エーカーほどのマルベックがあり、うち170エーカーほどがオレゴン南部にあります。ちなみにカリフォルニアでは3万トン台の収穫がありますから数千エーカーのマルベックの畑があると推測できます。それに比べるとかなり少ないのは事実です。

オレゴンのマルベックはアルゼンチンのものなどと比べるとエレガントな作りになるようです。「ピノ愛好家とカベルネ愛好家の両方にアピールします。オレゴンのマルベックは、メンドーサのマルベックでは味わえない、赤いベリー、ダークベリー、プラム、野生の花、スミレが何層にも重なった複雑な味わいです。そしてその濃い色と口当たりはカベルネに似ています。オレゴン州にとっては自然のブドウなのです」。ヴァルカン・セラーズのオーナーのJPヴァロット氏はこのように語っています。

今後どう成長していくかわかりませんが、興味深い品種です。