2020年の山火事「グラス・ファイア」でワイナリーや畑を焼失し、今年2月に閉鎖がアナウンスされたニュートン(Newton)ですが、再出発することがワイン・スペクテーターの記事で判明しました。

ワイナリー閉鎖の記事(ナパの名門ワイナリー「ニュートン」、48年の歴史に幕切れ

Newton
在りし日のニュートン

ナパの歴史に名を遺すニュートンですが、特に有名なのは現在はコングスガードでトップ中のトップのシャルドネを作っているジョン・コングスガードがニュートンのワインメーカー時代に始めたアンフィルタードのシャルドネです。樽熟成や天然酵母発酵などブルゴーニュの伝統的な手法に習い、フィルターをかけずにボトル詰めしたシャルドネはその風味の豊かさや複雑さで一世を風靡しました。

2001年にLVMHが過半数の株式を取得してからは、主にマヤカマス山脈のさまざまなテロワールを生かしたカベルネ・ソーヴィニヨンを主力に置きました。美しい庭園など風光明媚なワイナリーで、日本版の『サイドウェイズ』など映画にも使われています。

ブラック・レイン
(1989年の映画『ブラック・レイン』)

2020年の火事の後、再起を図っていましたが、今年2月にメーリング・リスト会員向けに閉鎖を発表していました。そのワイナリーを新たに購入したのがニック・リヴァノスとエリック・ブライアン・スーテという友人の二人組。スプリング・マウンテンのワイナリーと畑、それからブランドを購入しています。スプリング・マウンテン以外の畑は含まれていません。

二人はナパのデイヴィース(シュラムスバーグのワイナリー)のイベントで知り合い、友人になったそうです。スーテ氏は弁護士でカリストガにも畑とワイナリーがあり、ロスアンゼルスとナパを行き来しています。リヴァノス氏はカリフォルニアの酸ラモンで特殊潤滑油とオイルを製造するレンカート・オイルという会社を経営しています。二人はいつかナパで一緒にワイナリーを持ちたいと思っており、ニュートン購入の機会を得て興奮しているといいます。「私たちはベンチャーキャピタリストではありません。ただナパバレーとナパバレーのワインを愛する人間です。そして、このような歴史ある美しい土地を購入する機会を逃しませんでした」とスーテ氏は語っています。