Wine to Styleのニュー・カリフォルニア試飲会で美味しかったワイン(後編)
Wine to Styleのニュー・カリフォルニア試飲会で美味しかったワイン(前編)の続きです。
グリーン&レッドは、カリフォルニア料理のパイオニアであるシェ・パニーズでハウスワインとして長年使われているワイナリーで、ナパのジンファンデルをメインで作っています。ジンファンデル ティップ・トップ・ヴィンヤード2018は標高540~600mの山の上の畑。野菜中心の料理であるシェ・パニーズで使われていることでわかるように、エレガントさがあるワイン。複雑さもあり一般にイメージするジンファンデルとは一線を画しています。実はアルコール度数は15.4%もあるのですが、それを感じさせないバランスの良さがあります。
スクライブはニュー・カリフォルニア系でも人気の高いワイナリーの一つ。イケメン兄弟がワインを造っています。ピノ・ノワール カーネロス2023(8900円)は果実味がきれいで、うまみもたっぷり。微笑みが出るようなワイン。
ペイザンはアイ・ブランド&ファミリー(I. Brand &Family)の兄弟ブランド。イアン・ブランドという人がモントレーで作るワインです。ペイザンは廉価版のブランド。シャルドネ ジャックス・ヒル2023(4200円)は酸がきれいでバランスよいワイン。コスパ抜群です。
こちらはアイ・ブランド&ファミリーのワイン。カベルネ・フラン デローズ・ヴィンヤード2022(7800円)。シエネガ・ヴァレーというちょっとマイナーな産地(カレラの山の麓になります)。少しピラジンを感じます。酸高く、グリップ感があっておいしいカベルネ・フラン。
ウルトラバイオレットはPoeというワイナリーでも有名なサマンサ・シーンという女性醸造家のワイナリー。このカベルネ・ソーヴィニョン2022(3300円)はなんといってもコスパで他の追随を許さないワイン。エレガントさや花の香りもあり、ミディアム・ボディで美味しい。
アルノー・ロバーツはダンカン・アルノーとネイサン・ロバーツによるワイナリーです。ニュー・カリフォルニアを代表するワイナリーといってもいいでしょう。ネイサンの祖母はロバート・モンダヴィの奥さんのマルグリットで、ラベルのデザインもマルグリットによるものです。このワインはシエラ・フットヒルズのエル・ドラドのガメイ・ノワール2023(5800円)。ジューシーな果実味にこくのあるうま味、それでいて軽やかな味わいで美味しい。
アルノー・ロバーツのワインの中でも人気の高いのがこのトゥルソー(2022年、7500円)。奥行きがある味わい。素晴らしい。
パックスは、シラーの名手であるパックス・マーリーによるワイナリー。シラーではヴィナスで100点も取っています。これはエル・ドラドのシラー2022(5900円)。酸高くスパイシーで、冷涼感のあるシラー。
最後はメートル・ド・シェのワイン。Wine to Styleのページには以下のように説明があります。
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カリフォルニアのナチュール・ムーヴメントを切り開いた先駆者「スコリウム・プロジェクト」のアシスタント・ワインメーカーとして長年活躍したアレックス・ピッツ(Alex Pitts)が独立し、レオ・スティーンで醸造を学び、ナパでミシュラン三つ星の「メドーウッド」でソムリエをしていたマーティン・ウィンター(Martin Winter)とタッグを組んで2012 年に設立したブランドです。2019 年には米国の全国紙『San Francisco Chronicle』にて、Winemakers to Watch(最も注目すべき醸造家)に選ばれ、今最も勢いがある若手コンビです。
「メートル・ド・シェ」はフランス語(主にボルドー)で醸造責任者を意味する言葉です。現在では独立して自身のワイナリーの経営だけで生活ができるようになりましたが、「メートル・ド・シェ」設立当初は二人とも別のワイナリーの醸造責任者やアシスタントとして仕事を掛け持ちしていました。そんな苦しい中、自分たちにセラーで働くチャンスを与えてくれて、醸造や栽培の知識を共有してくれた恩師がいたからこそ現在の自分が居るという意味で、労いの気持ちを表現したブランド名です。つまり、「メートル・ド・シェ」とはアレックスとマーティンがワインの業界に入るきっかけとなった役職名であり、彼らの原点なのです。
1883 年に描かれたイラストがラベルに採用されていて、ローマ神話における自由の女神「リーベルタース」とカリフォルニアのシンボルであるハイイログマが乾杯をしています。カリフォルニアが州旗としてハイイログマを採用したのが1911 年なので、この絵はその前に描かれたものになります。樽の側面にはゴールドラッシュ発生時(1848 年)に長い道のりを経てアメリカ西海岸にたどり着いた帆船とクワを持つ労働者が描かれています。もともとのオリジナルのイラストには樽の側面に「見つかった!」を意味する「Eureka」の文字があり、ワイン木箱の側面にはそれぞれ「Mission」、「Pineau」、「Riesling」、「Zinfandel」と書かれていましたが、そのままでは米国酒類タバコ税貿易管理局からの許可が降りなかった為、「Eureka」の文字を削除し、木箱の側面には実際に中に入っているワインに使われたブドウ品種が記載されています。
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個人的には今回ここのワインがどれもとても良かったです。右からシュナン・ブランのスパークリング・ワイン(6800円)、シャルドネ ウィーラー・ヴィンヤード 2021(6300円)、レッド・テーブル・ワイン2022(4900円)、ジンファンデル スタンピード・クレメンツ・ヒルズ2022(6200円)、カベルネ・ソーヴィニョン ガラ・マウンテン2020(8200円)。
シュナン・ブランのスパークリングはあまり飲んだことありませんが、果実味豊かでバランスもよく美味しい。シャルドネもバランスタイプ。レッド・テーブル・ワインはリッチ感があり、タンニンが味を引き締めていてとても美味しい。ジンファンデルも華やかな香りでエレガントで素晴らしい。カベルネはややリッチ。これもいいです。
グリーン&レッドは、カリフォルニア料理のパイオニアであるシェ・パニーズでハウスワインとして長年使われているワイナリーで、ナパのジンファンデルをメインで作っています。ジンファンデル ティップ・トップ・ヴィンヤード2018は標高540~600mの山の上の畑。野菜中心の料理であるシェ・パニーズで使われていることでわかるように、エレガントさがあるワイン。複雑さもあり一般にイメージするジンファンデルとは一線を画しています。実はアルコール度数は15.4%もあるのですが、それを感じさせないバランスの良さがあります。
スクライブはニュー・カリフォルニア系でも人気の高いワイナリーの一つ。イケメン兄弟がワインを造っています。ピノ・ノワール カーネロス2023(8900円)は果実味がきれいで、うまみもたっぷり。微笑みが出るようなワイン。
ペイザンはアイ・ブランド&ファミリー(I. Brand &Family)の兄弟ブランド。イアン・ブランドという人がモントレーで作るワインです。ペイザンは廉価版のブランド。シャルドネ ジャックス・ヒル2023(4200円)は酸がきれいでバランスよいワイン。コスパ抜群です。
こちらはアイ・ブランド&ファミリーのワイン。カベルネ・フラン デローズ・ヴィンヤード2022(7800円)。シエネガ・ヴァレーというちょっとマイナーな産地(カレラの山の麓になります)。少しピラジンを感じます。酸高く、グリップ感があっておいしいカベルネ・フラン。
ウルトラバイオレットはPoeというワイナリーでも有名なサマンサ・シーンという女性醸造家のワイナリー。このカベルネ・ソーヴィニョン2022(3300円)はなんといってもコスパで他の追随を許さないワイン。エレガントさや花の香りもあり、ミディアム・ボディで美味しい。
アルノー・ロバーツはダンカン・アルノーとネイサン・ロバーツによるワイナリーです。ニュー・カリフォルニアを代表するワイナリーといってもいいでしょう。ネイサンの祖母はロバート・モンダヴィの奥さんのマルグリットで、ラベルのデザインもマルグリットによるものです。このワインはシエラ・フットヒルズのエル・ドラドのガメイ・ノワール2023(5800円)。ジューシーな果実味にこくのあるうま味、それでいて軽やかな味わいで美味しい。
アルノー・ロバーツのワインの中でも人気の高いのがこのトゥルソー(2022年、7500円)。奥行きがある味わい。素晴らしい。
パックスは、シラーの名手であるパックス・マーリーによるワイナリー。シラーではヴィナスで100点も取っています。これはエル・ドラドのシラー2022(5900円)。酸高くスパイシーで、冷涼感のあるシラー。
最後はメートル・ド・シェのワイン。Wine to Styleのページには以下のように説明があります。
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カリフォルニアのナチュール・ムーヴメントを切り開いた先駆者「スコリウム・プロジェクト」のアシスタント・ワインメーカーとして長年活躍したアレックス・ピッツ(Alex Pitts)が独立し、レオ・スティーンで醸造を学び、ナパでミシュラン三つ星の「メドーウッド」でソムリエをしていたマーティン・ウィンター(Martin Winter)とタッグを組んで2012 年に設立したブランドです。2019 年には米国の全国紙『San Francisco Chronicle』にて、Winemakers to Watch(最も注目すべき醸造家)に選ばれ、今最も勢いがある若手コンビです。
「メートル・ド・シェ」はフランス語(主にボルドー)で醸造責任者を意味する言葉です。現在では独立して自身のワイナリーの経営だけで生活ができるようになりましたが、「メートル・ド・シェ」設立当初は二人とも別のワイナリーの醸造責任者やアシスタントとして仕事を掛け持ちしていました。そんな苦しい中、自分たちにセラーで働くチャンスを与えてくれて、醸造や栽培の知識を共有してくれた恩師がいたからこそ現在の自分が居るという意味で、労いの気持ちを表現したブランド名です。つまり、「メートル・ド・シェ」とはアレックスとマーティンがワインの業界に入るきっかけとなった役職名であり、彼らの原点なのです。
1883 年に描かれたイラストがラベルに採用されていて、ローマ神話における自由の女神「リーベルタース」とカリフォルニアのシンボルであるハイイログマが乾杯をしています。カリフォルニアが州旗としてハイイログマを採用したのが1911 年なので、この絵はその前に描かれたものになります。樽の側面にはゴールドラッシュ発生時(1848 年)に長い道のりを経てアメリカ西海岸にたどり着いた帆船とクワを持つ労働者が描かれています。もともとのオリジナルのイラストには樽の側面に「見つかった!」を意味する「Eureka」の文字があり、ワイン木箱の側面にはそれぞれ「Mission」、「Pineau」、「Riesling」、「Zinfandel」と書かれていましたが、そのままでは米国酒類タバコ税貿易管理局からの許可が降りなかった為、「Eureka」の文字を削除し、木箱の側面には実際に中に入っているワインに使われたブドウ品種が記載されています。
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個人的には今回ここのワインがどれもとても良かったです。右からシュナン・ブランのスパークリング・ワイン(6800円)、シャルドネ ウィーラー・ヴィンヤード 2021(6300円)、レッド・テーブル・ワイン2022(4900円)、ジンファンデル スタンピード・クレメンツ・ヒルズ2022(6200円)、カベルネ・ソーヴィニョン ガラ・マウンテン2020(8200円)。
シュナン・ブランのスパークリングはあまり飲んだことありませんが、果実味豊かでバランスもよく美味しい。シャルドネもバランスタイプ。レッド・テーブル・ワインはリッチ感があり、タンニンが味を引き締めていてとても美味しい。ジンファンデルも華やかな香りでエレガントで素晴らしい。カベルネはややリッチ。これもいいです。