さぼっていたわけではないのですが,カリフォルニアワイン関連でいろいろなニュースが出ているので,まとめて紹介しておきます。順番は適当。特に時系列でもありません。

●Kistler,株式の一部を売却
 Kistler Vineyardsが株式の一部をDurell VineyardのオーナーであるBill Price氏に売却したとのこと。ワイン作りの体制などに変更はありません。Price氏は結構な投資家でDurellも1998年に購入したもの。このほか2002年にThree Sticksというワイナリを作ったり,BeringerをNestleから買ってFoster'sに売却したり,Arrowoodなどのグループ買収に動いたり,といった積極的な活動をしています。今後はKistlerのピノノワール用に畑を買うことなどをもくろんでいるようです。

●SF観光地のど真ん中にワインバーなどの施設登場
 サンフランシスコのギラルデリ・スクエアといえばフィッシャーマンズ・ワーフ観光でも定番のところ。ここにCellar360という施設ができました。ワインバーやワインの販売のほか,ワインのクラスを開催したり,デリがあったり。ワインのプログラムにはナパのCOPIAが協力しているそうです。6000スクエアフィート(約557m2,約168坪)というかなりの広さです。

●SFに二つ目のワイナリ,ナショナルパークの中に
 サンフランシスコに二つ目のワイナリができるそうです。名前はFoggy Bridge。名前から想像できるようにGolden Gate Bridgeの脇にあるPresidioの中。ナショナルパークの中のワイナリは初めてだそうです。ワインメーカー兼プロジェクトのパートナーであるのがDaryl Groom氏。Geyser Peakのワインメーカーを15年務めたあと,Constellation Brandsの買収によってフリーになっていました。建物は1921年に航空機の格納庫として作られたところなのでかなり広いようです。ワイナリ設備のほかテイスティング・ルームやレストランなどが出来る予定。ブドウはLivermoreから運ぶそうです。

●Tim Mondaviの復活
 Mondavi家の次男でRobert MondaviのワインメーカーだったTim MondaviがContinumという新しいワイナリでワインを作りました。3月の出荷で1000ケース,1本130ドル。Cabernet Sauvignon,Cabernet Franc,Petit Verdotのブレンドだそうです。将来は3000ケースまで増やし「小規模なOpus Oneを目指す」そうです。将来はSonoma Coastのピノも考えているそうですが,かなり時間がかかりそうです。

●Schramsbergの創設者Jamie Daviesが逝去
 スパークリングワインで有名なSchramsbergを作ったDavies夫妻のJamie Daviesさんがなくなりました。享年73歳。夫のJack Davies氏は1998年に亡くなっています。しばらくパーキンソン氏病で闘病を続けていたそうですが,それにしてもまだ若いですよね。ナパで本格的なスパークリングワインを作ったパイオニアであり,人格的にも愛されていた人なので,ショックが広がっているようです。現在子供たちは係争中ですが,そんなことしている場合ではないと思います。

●Merlotの復権
 Sidewaysのブームの後,Pinot Noirが勃興する一方で,Merlotの凋落がささやかれていたわけですが,2007年12月7日までの1年間のMerlot売上は前年の6%増とついに上昇に向かったそうです。Sidewaysの舞台になったHitching PostもMerlotを出すというのは偶然の一致でしょうか。