カリフォルニアワインには,色が濃い(ダーク)=いいワインといった方程式というか迷信というか強迫観念のようなものがあります。ワインメーカーは色の濃いワインを作るために何やら怪しげなことをしているらしことを指摘する記事が相次いで出ました。
"I don’t really like to discuss wine color a whole lot these days because I think the whole subject is pretty tiresome at this point. But two articles that have come out recently in the wine industry media that have spurred my interest."

Cellar Rat Blog Archive Pinot Noir for Everyone Else

リンク先はその感想を述べたブログです。最初の記事はWine & Spiritsの4月号に出たもので,濃いPinotを作るためにSyrahなどのブレンドが行われているらしいという話。法律で25%まではブレンドが認められているので,それに違反しているわけではありませんが,ほとんどのワインメーカーはそれを認めず,ごく一部が「みんなやっていることだ」と答えたという話です。

もう一つは3月号のWines & Vines誌に出たもので,色の濃いワインを作るために「Mega Purple」なるものを混ぜているという話。Mega PurpleはConstellation Brands社の作ったものでブドウの皮からの抽出物を濃縮させたものだとのこと。これを混ぜると色が濃くなり,ボディがしっかりとして,軽い「甘み」が付くそうです。これもあるワイナリの社長は「みんなやっていること」と言っています。

このブログの著者はここでピノには2種類あるのではないかと提言しています。一つは色の濃いPCD(Pinot for Cab Drinkers),もう一つはPEE(Pinot for Everyone Else)。PEEは単一のピノを求めるのではなく,さまざまなタイプのピノを認めるというタイプ。

実際のところ,上記のようなことがどれくらい行われているのか分かりませんが,自分としてはPEEでいられるようにしたいような気がします。かといって自分がPCDでないと言う自信もないのですが。